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JAL、2018年度グループ合同入社式実施。赤坂祐二新社長が新入社員を激励

赤坂社長「失敗にも敬意を持って歓迎。皆さんの挑戦、失敗に期待」

2017年4月2日 実施

JALグループが2018年度の合同入社式を、羽田空港のJAL M2格納庫で実施した

 JAL(日本航空)グループは4月2日、2018年度の合同入社式を実施した。2018年度はグループ33社1642名が入社する。

 既報のとおり、JALは2018年4月1日付で社長を交代。新入社員への訓示も新たに就任した赤坂祐二氏が行なった。

日本航空株式会社 社長 赤坂祐二氏

 赤坂氏は冒頭、「社長として最初の仕事が入社式となった。私は整備出身であり、格納庫、すなわちホームで開幕戦を迎えられることをうれしく思う」と話し、“新入社員へのお願い”を語り始めた。

 まずは安全について。「私がJALに入社する2年前の1985年8月12日、JALのジャンボジェット機が御巣鷹の尾根に墜落するという痛恨の大事故が発生した。私がJALに入社した最大の動機は、あのような悲惨な事故を2度と起こさないために自分の力を尽くしたいと考えたことにあり、その思いはいまもまったく変わりがない。安全運航こそがJALグループの存立基盤であり、社会的責務であり、最大の使命。皆さんはこれからさまざまな職務に就くことになる。どのような職務でもあっても、どこかで必ず安全運航につながっている」と、安全に対する意識を啓蒙。

 続いて、社会への貢献。2010年のJAL経営破綻に触れ、「多くの方々に多大な不安と支援をいただき、再建の道を歩み、今日に至ってる。新入社員の皆さんにとっては入社前のことだが、JALグループの社員である限り決して忘れてはいけない」と述べるともに、「世界で一番お客さまに選ばれ愛される航空会社になるという、JALグループのビジョン。選ばれ愛されるという言葉のなかに、過去の経験を活かす、教訓を活かす、多くの方々へ恩返しする、世のため人のために尽くすという決意を込めている。我々は自分たちだけでよければよいとう会社ではいけない。社会にとって価値のある、社会の進歩、発展に貢献し続ける会社でなければならない」と、持つべき意識を示した。

 挑戦と成長をテーマにした2020年度までの中期経営計画に触れた際には、「挑戦するということは、そうたやすいことではない。価値ある挑戦は豊かな想像力、夢や希望、強い信念、勇気、さまざまなことが必要になる。新入社員の皆さんに期待することは、まず今の皆さんにしか見えない、感じられないことに気付いてほしい。我々にできないような、我々が思いもつかないようなことをやってほしい。必ず皆さんの言葉に耳を傾け、もし失敗しても、敬意を持って失敗を歓迎したい。皆さんの挑戦、あるいは失敗に期待している」と挑戦を期待するメッセージ。

 最後に「今後、JALグループは全社員の総力を結集して成長を遂げていかなければならない。会社の成長とは、一人一人の社員の成長によって生まれる。そして、一人一人の成長には、一人一人の懸命な努力が必要。私も社員の皆さんとともに努力し、成長していき、企業理念の実現を目指す。皆さんにもこれからの豊かな人生を歩んでいくために、ぜひ努力と成長の仲間に加わっていただきたい」と、成長を期待するメッセージを贈って訓示を締めた。

 そして、JALグループ33社を紹介を兼ね、31名の社長による一言メッセージが述べられたのち、新入社員を代表してJAL 業務企画職の青木裕太郎氏による新入社員宣誓。「今日からJALグループの一員として自らの力で、人として大きく成長していく決意と覚悟を強く感じていく。自分の仕事にポリシーを持ち、常に謙虚に、素直な心を持ちつつも貪欲に、全身全霊をかけて新入社員一同、日々邁進していく所存」との誓いを述べた。

グループ33社、31名の社長が壇上に並び、新入社員に一言ずつメッセージを贈った
赤坂氏を前に日本航空株式会社 業務企画職 青木裕太郎氏が新入社員宣誓

 その後、ゲストとして1月にJAL所属選手として契約し、東京2020オリンピックで正式種目となる空手競技での金メダルを目指している植草歩選手が登壇。多くの大会で優勝し、オリンピックでの金メダルを期待されるようになり、「そんなに期待されて重圧はないかと聞かれるが、期待されることで自分が持っている力以上のものを発揮できる。いま勝ち続けられているのは、皆さまの応援やサポートのおかげ。これからも日々の努力をし、多くの方々の応援を力に、東京2020オリンピックで金メダルを目指す。正式競技となったことでライバルも増えるが、オリンピックまで世界トップでい続けるために新たな挑戦が必要だと強く思う。失敗を恐れず、挑戦する姿勢を貫き、JALグループの一員として成長し続けていく」と自身の決意をコメント。

 新入社員に向けては、「皆さんは新しい環境に挑戦されると思う。日々の努力が必ず挑戦を後押ししてくれる。また、たくさんの方の期待をプレッシャーに感じるときは、持っている力以上のパワーを出すチャンスだと思って」と話し、立場の違いを超えて仲間としてともに頑張ろうとメッセージを送った。

 このほか、JALがサポート契約を結ぶアスリートとして、平昌オリンピックのカーリング女子日本代表として銅メダルを獲得したLS北見のメンバー、2017年で引退したプロゴルファーの宮里藍選手、2018年からメジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスに入団した大谷翔平選手からのビデオメッセージが流れ、新入社員を激励。

2020年の東京オリンピック空手競技で金メダルを目指すJAL所属アスリートの植草歩選手
平昌オリンピックのカーリング女子 銅メダリストのLS北見
プロゴルファーを引退した宮里藍選手
2018年からメジャーリーグに挑戦する大谷翔平選手

 入社式終了後の記念撮影では、「一人一人がJAL!」のかけ声とともに色紙を掲げて鶴丸ロゴと「TAKE OFF 18」の人文字を作成。最後に、アスリート採用の土井杏南氏と山本凌雅氏が「世界で一番お客さまに選ばれ」「愛される航空会社になりましょう」と音頭を取り、進入社員全員で「明日の空へ、Take Off!」と一斉に折り紙ヒコーキを飛ばす恒例のセレモニーが行なわれた。

鶴丸と「TAKE OFF 18」の人文字を作成
式後の囲み取材ではアスリート社員を含む6名の新入社員が対応。それぞれに成長や挑戦する気持ちを語った
式後は会社ごとに分かれて辞令の交付。羽田空港、成田空港の地上旅客業務を担うJALスカイには多くの社員が入社
販売を担うJALセールスの辞令交付
ジェイ・エアは4月1日付で社長が交代、記念撮影で新旧社長を囲んだ。中央左が新社長の宍倉幸雄氏、中央右が前社長で4月からJAL 常務執行役員 路線統括本部国際路線事業本部長に就任した大貫哲也氏
JALの運航乗務職(パイロット候補)の辞令交付
JALの客室乗務職(CA)の新入社員らが集まっての記念撮影