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ANA、貨物部門が知識や改善案を披露・共有する「ANA Cargo AWARD 2017」開催
2018年3月12日 19:08
- 2018年3月5日 実施
ANA Cargoは3月5日、ANAグループ貨物部門のさらなる成長を目指すべく、日頃から培ってきたスキルや改善事例を発表する「ANA Cargo AWARD 2017」をパシフィコ横浜で開催した。本コンテストは2014年度から始まり、今回で4回目を数える。
コンテストでは、空港での貨物業務に関わる知識を競う「Cargo+[Skill]」、経営戦略を達成するための人的基盤の強化に対する施策の取り組みを発表する「Cargo+[Platform]」、サービス品質の向上に取り組むためのアイデアを披露する「Cargo+[TAKUMI]」の3部門。国内の貨物に関わるANAグループや協力会社はもとより、海外の関連企業も参加しており、当日は出場者・参加者合わせて300名を超える大規模なイベントとなった。
午前中に行なわれたのはCargo+[Skill]部門。空港における貨物業務に関する知識をどれだけ習得しているかを早押しのクイズ形式で競うもので、国内部門と国際部門に分かれて実施した。クイズの内容は通常の業務はもとより、マニュアルにも記載されていない内容だったり、時には担当部門を越えたものもあったりと、きわめて難解。国内部門、国際部門ともに20問出題され、当日は予選で取得したポイント順でスタート。答えが合っていればポイントが加算されて順位が入れ替わっていき、最終的に1位であれば栄冠に輝くといったものだ。
大声援のなか、見事に優勝したのは国内部門が高松空港の黒田氏、国際部門はセントレア(中部国際空港)の磯口氏、高原氏だった。黒田氏は「正直、自信がなかったのですが優勝できてうれしいです」と控えめに喜びを語ってくれた。セントレアはコンテスト本選出場の常連であり、このような知識を深めあう研究グループがあるとのことで、磯口氏は「出るからには優勝と考えていたのでうれしく思っています」と話し、高原氏は「壇上に立ったのは私たち2人ですが、名古屋全体の成果だと思っています」とグループの努力の結果だと述べた。
Cargo+[Skill]国内貨物ナレッジ部門 本選出場者
・新潟空港 南部氏(新潟空港サービス)
・高松空港 黒田氏(高松商運)
・那覇空港 加藤氏(ANA 沖縄空港)
・庄内空港 皆川氏(庄交コーポレーション)
・福岡空港 竹本氏(ANA 福岡空港)
Cargo+[Skill]国際貨物ナレッジ部門 本選出場者
・成田国際空港 沖田氏、宮本氏(Team 成田空港)
・セントレア 磯口氏、高原氏(Team 中部空港)
・福岡空港 紫牟田氏、鈴木氏(Team 福岡空港)
・関西国際空港 杉本氏、川畑氏(Team 関西空港)
午後に入ってからは、担当者が壇上でプレゼンテーションするCargo+[Platform]、Cargo+[TAKUMI]が行なわれた。
Cargo+[Platform]は、「働き方改革」「チームスピリット」「5S」「職場環境改善」「育成」をテーマに、各事業所においての施策を募集したものであり、6つの空港や事業者が選ばれ発表した。
Cargo+[TAKUMI]は改善を行なったことによる品質向上事例(サービス品質KPIを基軸に判断)を発表するもので、国内貨物部門には7つの空港や事業者、国際貨物部門には3つの空港や事業者、国際貨物品質KPI部門には海外から4つの事業者が本選に選ばれ、それぞれが壇上において発表した。
発表内容は5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)による職場環境を改善するためにどのような取り組みを行なってきたか、チームが一丸となるために横の情報共有の強化、貨物を梱包する際に使う資材を段ボールからエアクッションに変えることによるさらなる保護とコスト削減など、さまざまな改善案を実行したことによる効果を、それぞれがときには熱く、ときには趣向を凝らした演出でプレゼンテーションした。
結果、Cargo+[Platform]の優勝者はBKK Cargo SalesのParadee Tengnukulkit氏、Cargo+[TAKUMI]国内貨物部門の優勝者は庄交コーポレーションの佐藤氏ら2名、Cargo+[TAKUMI]国際貨物部門の優勝者はANA成田エアポートサービスの上葉氏、ANA Cargoの菊地氏、湯浅氏、川畑氏、Cargo+[TAKUMI]国際貨物品質KPI部門の優勝者は廈門高崎国際空港の陳航永氏に決まった。
Cargo+[Platform]本選出場者
・ANA Cargo(羽田) 高瀬氏
・OCS 松浦氏、木村氏
・ANA中部空港 袴田氏、石飛氏
・ANA鹿児島空港 永原氏
・BKK Cargo Sales Paradee Tengnukulkit氏
・AAAO Jason Chou氏
Cargo+[TAKUMI]国内貨物部門 本選出場者
・高松通商 六車氏
・九州産交ツーリズム 佐藤氏
・日ノ丸自動車 伊藤氏、椿氏
・大分航空ターミナル 久保氏
・ANA大阪空港 田淵氏
・ANA Cargo(羽田国内WOC) 富倉氏、佐藤氏
・庄交コーポレーション 佐藤氏、佐藤氏
Cargo+[TAKUMI]国際貨物部門 本選出場者
・ANA成田エアポートサービス 上葉氏、ANA Cargo 菊地氏、湯浅氏、川畑氏
・ANA中部空港 纐纈氏
・ANA福岡空港 松永氏
Cargo+[TAKUMI]国際貨物品質KPI部門 本選出場者
・サンフランシスコ国際空港 Russell氏、Joseph氏
・ミュンヘン国際空港 Shibata氏、Thorsten氏
・インディラ ガンディー国際空港 Virender Singh氏
・廈門高崎国際空港 陳航永氏
閉会式ではANA Cargo 代表取締役社長の外山俊明氏が登壇。「4時間以上にわたって3部門のスキル披露やコンペティションを行なってもらいましたが、私も時間を忘れて熱中していました。皆さんのプレゼンテーションや戦っている姿が頼もしかったです
今年も多くのアイデア、多くの提案が寄せられました。これが将来のANA Cargoの礎になります。ぜひとも来年度も積極的に参加してください。先月、グループの中期戦略が発表されました。貨物部門においてもとても意欲的な内容を発表しております。国内貨物の部門においては、2020年に日本全国各空港、営業の英知を集めてシステムを一新したいと思います。国際貨物においてはボーイング 777型機、そして増大する旅客便を活用し、しっかりと貨物の強いネットワークを作っていきたいと思います。5年後にはグローバルトップ5という野心的な目標も立てました。きっとできると思います。ぜひ皆さんで頑張ろうではありませんか」と、総評と今後の展望について語った。