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首都高、都心と湾岸線をつなぐ第3のルートを開通。「10号晴海線 晴海~豊洲開通記念式典」

有明通りや晴海通りの混雑緩和を見込む

2018年3月10日16時 開通

3月10日16時、首都高10号晴海線 晴海~豊洲の延長約1.2kmが開通した

 首都高(首都高速道路)は3月10日16時、10号晴海線 晴海~豊洲の延長約1.2kmを開通した。

 湾岸線 東雲JCT(ジャンクション)から豊洲出入口までの約1.5kmが2009年2月に開通しているが、これが晴海地区まで延長することになる。これにより湾岸線から都心へのアクセスにおいて、北側の9号深川線、南側の11号台場線の間に第3のルートができ、晴海で降りて晴海通りで銀座方面へと、渋滞など交通状況に合わせたルート選択が可能になる。

 2月7日には事前内覧会が行なわれており、その様子は本誌でもお伝えしたとおり(関連記事「首都高、3月10日に新開通する10号晴海線 晴海~豊洲を事前公開。湾岸線と晴海を接続」)。そして開通日当日には朝から開通式典が開かれ、東京都知事の小池百合子氏らも参加した通り初めが行なわれたのでレポートする。

湾岸線 東雲JCTから豊洲出入口までの約1.5kmが2009年2月に開通しているが、これが晴海地区まで延長することになる
北側の9号深川線、南側の11号台場線の間に第3のルートができる
10号晴海線 晴海~豊洲の通り初め

晴海線がもたらす利便性向上と環境配慮について語った首都高の宮田社長

開通記念式典が行なわれた

 開通記念式典で最初に主催者挨拶を行なった首都高 代表取締役社長の宮田年耕氏は「晴海線は、2009年2月に有明から豊洲までの1.5kmを開通しており、本日さらに豊洲から晴海までの1.2kmが開通します。この開通により、臨海部と都心のアクセスが強化され、より便利で快適な暮らしをご提供できることを期待しております。

 具体的には、有明通りや晴海通りの混雑緩和が見込まれ、晴海地区全体の混雑緩和に寄与するものと期待しており、また晴海地区と羽田空港のアクセスが向上するなど、所要時間の短縮も見込まれます。さらに防災面では晴海、勝どき、月島、佃および豊海地区内の緊急輸送道路と、第一次緊急輸送道路に指定されている首都高速道路ネットワークが直結し、災害発生時における救命活動や物資輸送に重要な役割を果たすことを期待しております。

 また晴海線は、湾岸線と都心をつなぐ深川線や台場線に加えて、都心に向かう第3のルートとなり、湾岸部と都心をつなぐルートがさらに強化され、事故や災害による突発的な通行止め発生時の迂回や、渋滞などの交通状況に合わせたルート選択も可能になります。

 環境面では出入口部の遮音壁設置をはじめ、高機能舗装の採用により、自動車の交通騒音の低減や交通安全性の向上を図っております」と、晴海線開通によるメリットや、環境面の配慮についてコメントした。

 また、首都高の宮田社長の挨拶に続けて、首都高の東京西局 プロジェクト本部長である山口修一氏から工事経過報告があった。

首都高速道路株式会社 代表取締役社長 宮田年耕氏

地域活性化の希望について語る国土交通副大臣のあきもと氏

 来賓を代表して祝辞を述べた国土交通副大臣のあきもと司氏は「開通式にあたり、ご尽力をいただきました皆さまに、あらためて心から敬意を表するものでございます。特にこの工事にあたりましては、ゆりかもめ線の上空にしっかりと橋を架設していく大変難しい工事だったとお伺いしておりまして、首都高速道路の皆さま、工事関係者の皆さまに、あらためて敬意と感謝を申し上げる次第です。

 晴海地区全体としては、さまざまな再開発が行なわれております。豊洲市場が完成した際には、もっと賑わうと期待されているところでございます。非常のポテンシャルの高い地区であると認識しておりますので、今回の首都高速晴海線の開通により地域の活性化の期待や、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの選手村となっておりまして、準備が着実に進んでいるものと理解しております。

 各選手団の輸送についても期待される路線でございまして、効率化にも大きく寄与していただけるものと思っております。今後も生産性の向上など、道路ネットワークの強化にもがんばりたいと思っております」と語った。

国土交通副大臣 あきもと司氏

 東京都副知事の長谷川明氏は「晴海線は都心と臨海部とのアクセスを担う重要な路線でございます。東京都も現在、臨海副都心および豊洲・晴海地区におきまして、特性を活かしまして複合市街地の形成を図っております。本路線の開通は、周辺交通の改善や移動の効率化など、臨海部の発展に寄与するものと考えております。

 2年後には東京オリンピック・パラリンピック大会が開催され、晴海地区の選手村や臨海部には各種目の施設も多く建設されます。選手村から各競技場への選手の輸送は、首都高が大きな役割を担うことになります。特に晴海線は選手の快適で円滑な輸送など、大きな鍵を握っている重要な路線であると認識しております」とコメントした。

東京都副知事 長谷川明氏
ほかの来賓からも一言ずつあいさつがあった
衆議院議員 辻清人氏
衆議院議員 柿沢未途氏
参議院議員 竹谷とし子氏
中央区長 矢田美英氏
江東副区長 大井哲爾氏

 開通記念式典に続けて、月島第三小学校の児童16名も交えてテープカットとくす玉開披が行なわれた。

テープカットとくす玉開披

 セレモニー終了後の11時からは、関係者による通り初めが行なわれた。事前案内にはなかったが、東京都知事 小池百合子氏も通り初めに参加した。

通り初めは、先ずは警視庁の白バイとパトロールカーに先導され、あきもと副大臣を乗せた車両が通過
地元小学生や関係者らを乗せた2台のバスが通過
来賓の議員も通り初めに参加
事前案内はなかったが、小池都知事も通り初めに参加