休日は元町・中華街～西武秩父、平日は豊洲～所沢を結ぶ全席指定列車「S-TRAIN」、運行開始

S-TRAIN 1番列車の出発を前にテープカットを実施。ちょうど40000系が入線してきた

　西武鉄道、東京メトロ（東京地下鉄）、東急電鉄（東京急行電鉄）、横浜高速鉄道は3月25日、横浜高速鉄道の元町・中華街駅と、西武鉄道の西武秩父駅を結ぶ有料座席指定列車「S-TRAIN」の運行を開始した。

　これを記念して、1番列車となるS-TRAIN 1号の始発駅、元町・中華街駅で出発式を、西武秩父駅において到着歓迎イベントを実施した。また、逆方向の1番列車となるS-TRAIN 2号においても、飯能駅において出発式が行なわれた。

　S-TRAINは西武鉄道の新型通勤車両「40000系」を使用し、土曜・休日に西武秩父駅～元町・中華街駅（東京メトロ副都心線経由）を、平日に所沢駅～豊洲駅を運行する有料座席指定列車の愛称。詳しくは「西武鉄道、みなとみらいや有楽町線に向かう全席指定列車を『S-TRAIN』と決定」などの記事を参照していただきたい。

S-TRAINの土曜・休日運行ダイヤ

S-TRAIN 1号：元町・中華街駅（07時01分）発～西武秩父駅（09時15分）着
S-TRAIN 3号：元町・中華街駅（16時55分）発～飯能駅（18時34分）着
S-TRAIN 5号：元町・中華街駅（19時55分）発～所沢駅（21時11分）着

S-TRAIN 2号：飯能駅（09時18分）発～元町・中華街駅（10時53分）着
S-TRAIN 4号：西武秩父駅（17時05分）発～元町・中華街駅（19時38分）着

S-TRAINの平日運行ダイヤ

S-TRAIN 101号：豊洲駅（17時00分）発～所沢駅（18時00分）着
S-TRAIN 103号：豊洲駅（20時00分）発～所沢駅（20時58分）着
S-TRAIN 105号：豊洲駅（23時00分）発～所沢駅（00時01分）着

S-TRAIN 102号：所沢駅（06時24分）発～豊洲駅（07時24分）着
S-TRAIN 104号：所沢駅（15時18分）発～豊洲駅（16時18分）着
S-TRAIN 106号：所沢駅（18時20分）発～豊洲駅（19時22分）着
S-TRAIN 108号：所沢駅（21時20分）発～豊洲駅（22時19分）着

S-TRAINが出発する元町・中華街駅では各社の代表者によるテープカットを実施

　土曜・休日ダイヤとなるこの日、西武秩父行の1番列車となるS-TRAIN 1号の出発を前に元町・中華街駅には、関係者をはじめ乗客や式典を見にきた鉄道ファンなどが集合。ホームは多くの人であふれかえった。出発式には西武鉄道 西武秩父駅管区長 齋藤一彦氏、東京地下鉄 池袋駅務管区長 馬場良治氏、東京急行電鉄 横浜駅長 岸哲也氏、横浜高速鉄道 みなとみらい駅長 小泉久好氏が出席したほか、鉄道アイドル 木村裕子さん、 各社のマスコットキャラクター、第14代横浜観光親善大使も加わり、華やかなムードのなかでスタートした。

　テープカットを前に主催者を代表して小泉駅長が、S-TRAINについて以前から4社で準備を進めてきたことを振り返りつつ、「横浜から緑の多い秩父までゆったりと座れる指定列車で、皆さまに心地よい旅を楽しんでいただければと思います」と話し、3月25日から6月4日まで開催される「第33回全国都市緑化よこはまフェア」をアピール。「ぜひお越しいただければと思います」と挨拶した。

出発式には各線の代表やイメージキャラクターが出席

横浜高速鉄道 みなとみらい駅長 小泉久好氏

鉄道アイドル 木村裕子さんは「遠距離恋愛もしやすくなる。皆さん、たくさん愛してください」とコメント

第14代横浜観光親善大使

ホームの案内表示

行き先表示（前面）

行き先表示（側面）

ホームで1番列車を見送る小泉駅長（画像提供：西武鉄道）

　出発したS-TRAIN 1号には西武トラベルが募集したツアー客など多くの人が乗車した。車内では運行開始を記念したオリジナルキーホルダーのプレゼントなどが行なわれていた。

1番列車には西武トラベルが募集したツアー客らが乗車

1番列車にはトップナンバーが充当された。元町・中華街駅出発時は10号車が最後尾となる

シート

座席番号は荷棚にある

注意書き

AC100Vのコンセントを装備

ガラスは熱線吸収・UVカットガラス

10号車のパートナーゾーンに設けられた窓は眺め抜群

Wi-Fiも装備。練馬区内を走行中に測定したところ下りは1Mbps以上出ていた

ドア上に設置されたSmileビジョンの表示（みなとみらい駅）

1番列車の乗客にはオリジナルキーホルダーがプレゼントされた

ツアー客には秩父名物の弁当と記念メダルも配られた

渋谷駅までを担当する東急電鉄の車掌

渋谷駅ホームの案内表示

渋谷駅から小竹向原駅までは東京メトロの車掌が乗車

池袋駅に停車中。途中駅では各号車1カ所のみドアが開く

小竹向原駅からは西武鉄道の車掌に交代

西武鉄道線内でのsmileビジョン表示

途中、木村裕子さんによる車内アナウンスも。「椅子に座ったまま4社の車掌制服が見られるところに興奮した」そうだ

飯能駅では元町・中華街行S-TRAIN 2号の出発式準備が行なわれていた

飯能駅で方向転換。10号車が先頭になった

西武秩父線内でのsmileビジョン表示

西武秩父駅では多くのファンが待ち構えていた

レッドアロークラシックと対面

ホームでは秩父旅館協同組合の女将らがお出迎え

西武鉄道のスマイルちゃん、秩父市のポテくまくんも

跨線橋にはS-TRAINをアピールするサインを掲出

西武秩父駅でのS-TRAIN到着歓迎イベントには久喜邦康秩父市長も出席

　西武秩父駅前広場ではS-TRAIN 1号到着後、到着歓迎イベントが開催された。イベントは木村裕子さんがMCを務め、秩父市長 久喜邦康氏、西武鉄道 西武秩父駅管区長 齋藤一彦氏が出席したほか、秩父銘仙レディや西武鉄道のキャラクター「レイルくん」「スマイルちゃん」、秩父市の「ポテくまくん」も壇上に。

　最初に挨拶した久喜市長は、「秩父は美味しいものがたくさんある、見るものもたくさんある。これからS-TRAINを使って横浜の方から多くのお客さまに来ていただきたい。いつでも皆さま方を歓迎いたします」と、観光客の増加に期待を寄せた。

　横浜・中華街駅からS-TRAIN 1号に乗ってきた齋藤管区長は、40000系について「揺れが非常に少なく台車がよい」「モーター音がまったくせず静か」と、鉄道マンらしい着眼点のコメント。続けて西武鉄道が2013年に横浜まで直通運行を開始した際、「秩父まで運転してほしい」と願っていたと話し、それがS-TRAINの登場により早い時期に叶ったことで非常に感激しているコメント。今後、S-TRAINが「秩父地域の観光の大きな力になれる」「『皆さまの想いを叶える車両』としてスタートしているので末永く皆さまに愛される電車でほしい」と語った。

　続けて行なわれたトークセッションでは、久喜市長が「三峯神社の雲海や満天の星空」「300日以上お祭りがある」「34カ所の札所」と秩父の観光ポイントを紹介。齋藤管区長はB級グルメ「みそポテト」、埼玉県のイチゴ「かおりん」と「あまりん」、秩父のブドウ「ちちぶ山ルビー」「秩父わらじかつ丼」などのグルメを紹介。4月24日に西武秩父駅に隣接してオープンする「祭の湯」でも、一部を味わえるとアピールした。

西武秩父駅前広場ではS-TRAIN 1号の到着を歓迎するイベントを開催

秩父市長 久喜邦康氏

西武鉄道 西武秩父駅管区長 齋藤一彦氏

S-TRAIN乗客向けにじゃんけん大会を開催

商品は地元産のイチゴなど

秩父農高科学高等学校 秩父屋台囃子保存部による演奏

西武秩父駅

温泉やフードコートを備えた西武秩父駅前温泉「祭の湯」が4月24日にオープン予定

当日はSLパレオエクスプレス「春の特別号」が運行されていた