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中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京、高速道路保全管理の人材育成を担う「技術研修所」公開
路面性状測定車「ロードタイガー」も登場
2017年1月27日 23:34
- 2017年1月25日 公開
中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京は1月25日、神奈川県相模原市にある橋本テクニカルセンター内に2016年10月に開設した「技術研修所」を報道関係者に公開した。
NEXCO中日本(中日本高速道路)のグループ会社である同社は、東名高速道路や中央自動車道、圏央道などNEXCO中日本の東京支社および八王子支社の管区となる11の高規格幹線道路、837kmの区間における保全管理などを業務としている。そうした保全管理に携わる人材の育成、安全性向上や技術力向上を目的としているのが技術研修所だ。
挨拶に立った中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京 取締役経営企画部 部長の川北眞嗣氏は、技術研修所の目的として、高速道路の安全性向上を、とくに点検に関する技術者育成、点検の技術技能の向上を掲げた。
また、技術研修所のメリットに、現場では土の中やコンクリートの中にあって内部構造が見えないものの模型を集め、中がどうなっているかの学習ができる点、現場では点在している構造物、それを1カ所に集めて効率的な検証を行なうことができる点、そして高速道路で不要になった撤去材を用いることで、より実践的な勉強ができる点といった3点を挙げている。ほか、NEXCO中日本グループ内のみの活用にとどまらず、「今後、沿線自治体の皆さまにも、技術者育成のためにも活用いただき、地域連携を深めていきたい」と述べている。
技術研修所 所長の赤坂俊幸氏は、NEXCO中日本グループが掲げる安全性向上への「5つの取り組み方針」を紹介し、そのなかで、「安全を支える人材の育成」を役割として説明した。研修カテゴリとしては、「安全研修」「土木研修」「施設研修」の3つに大別される。そしてこれら3つのカテゴリについて、施設・設備を見学することができた。
所内には、トンネル模型や橋梁模型など、大型の模型が多数設置されており、検査手順を学んだり、訓練に活用したりしていることが実技とともに紹介された。トンネル模型は、壁面サンプルに設けられた消火装備や照明などの検査、訓練だけでなく、裏面には現在用いられている代表的なトンネル工法であるNATM(ナトム)工法と矢板工法という2つの工法の違いが学習できる構造となっていて興味深い。
また、橋梁構造物では、鋼鉄桁橋が置かれ、内部の点検技術を習得できるほか、撤去材の断面サンプルでは内部構造をより深く学ぶとともに、中性化、塩害などコンクリートの劣化の特徴も学ぶことができる。
一方で高速道路の橋梁や法面などに用いられる支承や伸縮装置、グランドアンカーなど実際の製品サンプルも置かれ、こちらではその構造から点検箇所、点検方法を学んでいく。こうした土木研修のほかにも、非破壊検査で用いられる計器類の展示や、さまざまな施設の状況を確認・管理するためのIP伝送装置の研修を行なうための機器、ケーブル配線を行なう研修設備など幅広い。
さらには、路面性状測定車「ロードタイガー」や、橋脚の下部などを確認するためのドローンなどの研修も技術研修所で行われる。
なお、同様の施設は、グループ内の中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋にも2カ所開設されている。技術研修所の開設により、中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京、中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋双方に研修施設が揃うこととなる。