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モデルの田中里奈さんが女子ならではの台湾の楽しみ方を語った

日本旅行業協会と日台観光促進協会がセミナーを開催

2016年7月8日 開催

 JATA(日本旅行業協会)と日台観光促進協会は7月8日、日台観光促進協会会員向けに「日台観光促進セミナー」を開催した。旅行業界が台湾の魅力をどう消費者に伝えるべきか、特に女性に向けてどう発信していくべきかを共有することが目的だ。

 モデルの田中里奈氏を講師に招いて行なわれたセミナーのテーマは「みんなで台湾に連れて行かなくちゃ」。台湾の魅力をさらに伝えていこう、とくにパスポートを所持していないような若い世代の背中を台湾に向けて押してあげようというもの。

 田中里奈氏は、若い女性に人気のファッション雑誌のモデルとして活躍するかたわら、2冊の台湾ガイド本を出版するなど日夜、台湾愛を若い世代に発信している台湾通。ファッションリーダーである彼女の感性豊かな視点で語られる台湾の魅力や楽しみ方に、出席者一同、新鮮な驚きと共感をもって聞き入った。

もっと台湾への観光客を増やしたい

一般社団法人日本旅行業協会 理事長の志村格(ただし)氏

 冒頭、挨拶を行なったJATA理事長の志村格(ただし)氏は、「日台の旅行マーケットはとってもよいマーケットで、日本からは年間160万人くらいが訪台し、台湾からは360万人くらい来日していただいている。海外旅行のマーケットでは特殊なくらいお互いの関係がよい」と語ったうえ、「台湾の方は、だいたい7人に1人が日本に来ていることになるのに対し、人口が多いとはいえ、日本の方は出国者の10人に1人しか台湾に行っていない」とバランス的には不均衡であることを説明。旅行マーケットにおける日台の関係をよりよくするためには、日本からの訪台客をもっと増やす必要があると思っていると、本セミナーの意義を説いた。

テーマ1「田中里奈って何者」

台湾への熱い思いを語る田中里奈氏

 田中里奈氏の講演は、「1.田中里奈って何者」「2.台湾と私」「3.田中的台湾の魅力」「4.田中式台湾旅行の楽しみ方」「5.終わりに」という5つのテーマで行なわれた。

 テーマ1の「田中里奈って何者」では、自身が「mini」や「SEDA」などのファッション雑誌の読者モデルであることを紹介。モデルの仕事にに加え、より消費者に近い立場で企業とコラボして商品を企画したり、自身がよいと思った情報を書籍などで同世代に届ける仕事をしていることを説明。

 旅行については、「仕事柄、海外や国内での移動がものすごく多いのですが、それでも、土日に加え月曜日に休みがとれた場合は、プライベートでオーストラリアのメルボルンに弾丸ツアーで行ってみるとか飛び回ってまして、今年に入っては、台湾が3回、そのほか、ロサンゼルス、ベトナムとシンガポールと、バリに行きました」と大好きな趣味であることを語った。

テーマ2「台湾と私」

台湾との出会いについて語る田中里奈氏

 テーマ2の「台湾と私」では、自身が台湾にハマるきっかけとなったいきさつを紹介。2013年に出版された自著の「田中式旅の教科書 台湾」が自身と台湾の本格的な出会いであったことを説明。「初めて行く台湾」をテーマとして作成したこの本の制作過程において、素敵なカフェや洋服屋があるエリアがあることを発見。「九份(キュウフン)の赤ちょうちんや、夜市、小籠包などの食べ物」といった、多くの日本人がイメージする台湾とはまた違う一面があることに驚き、新旧の魅力が織り交ざった奥深い台湾という国にすっかり魅了されたことを振り返った。

「田中式旅の教科書 台湾」出版後は、台湾のイベントに出席したり、台湾の雑誌の撮影に参加したり、日本の台湾向けイベントに出演したりと、仕事における関わりが増え、その流れのなか、台湾通の人が自然と周りに増え、情報交換を行なったりしているうちに、どんどんと台湾に詳しくなっていったと話した。

テーマ3「田中的台湾の魅力」

 テーマ3の「田中的台湾の魅力」では自身の考える台湾の魅力を紹介。10回目の訪台で初めて食べて、「私はなんでこれに早く出会わなかったんだろう」と思ったほどに衝撃を受けたという台湾のおにぎりを例に、何度行っても新しい驚きと出会える奥深い点が魅力であると語った。

 そして、思わず写真を撮りたくなるような場所や物がすごく多い、フォトジェニックな点も魅力であると語った。また、若い女性目線では、いま、台湾で「古い建物のリノベーションが流行っており、おしゃれな店が増えている」ことに注目していると語り、そういうおしゃれなカフェや洋服屋が立ち並ぶエリアには日本人の若い女の子はまだ少ないので、どんどんとその魅力を発信していきたいと語った。

田中氏2冊目の台湾本となる「田中里奈の週末台湾」。気軽に楽しむをテーマに、小籠包を食べるのであれば「鼎泰豐(ディンタイホン)」、台湾に行った気分になる場所なら「九份 (キュウフン)」など、初歩の初歩のはじめまして台湾みたいな方でも楽しめる内容から、何度も行っている人も楽しめるような穴場スポットまで、最新の台湾情報が満載されている

テーマ4「田中式台湾旅行の楽しみ方」

旅先で役立つ情報収集ツールとして、写真共有アプリ「Instagram(インスタグラム)」を紹介。ハッシュタグ検索機能などを駆使して訪ねた地域の情報を深堀りできると語った

 テーマ4の「田中式台湾旅行の楽しみ方」では自身の旅行の楽しみ方を披露。旅の楽しみ方のコツとしては、旅行は「自分が楽しむ気持ちがないと楽しめない」ので「心の下ごしらえをちゃんとしていくこと」が重要。自身は訪問する国について書かれたエッセイなどを読んで予習をするとともに気持ちを高めていくと語った。

 また、台湾以外でも活用できると前置きしたうえで、旅先で役立つ情報収集ツールとして、スマートフォンで使える写真共有アプリ「Instagram(インスタグラム)」を紹介。Instagramにはハッシュタグ検索機能があり、「#台湾旅行」で検索すると「台湾旅行」というハッシュタグが付いた写真を一覧できるが、その機能を使って、例えば、台湾でおしゃれなカフェを見つけた場合、「#お店の名前」で検索、一覧表示された写真のなかから同世代のかわいい女の子が写りこんでいたり、撮っているなと思われる写真をクリックしたりして、その子のページを表示。例えば、その子が台北に住んでいる女の子だったとしたら、普段、どんなカフェに行って、そんなお店で買い物をしてというのを芋づる式に見ることができる。自分と感性が近いと思われる子が気に入った場所や物が手軽に探せるので便利と説明、旅を楽しむ方法の一つとしてぜひ活用してもらえればと語った。

テーマ5「終わりに」

 テーマ5の「終わりに」では、まず、自身が旅行好きで海外にもよく行くので、日本人のパスポート所有率がおおよそ4人に1人と聞いて、すごく少ないことに驚いた話を披露。「旅は心を耕してくれて人生をすごく豊かにしてくれるものだと思うので、いろんな人に行ってもらいたい」という思いが強いと語り、そのためには、もっといろんな人に「旅行のよさだったり、台湾の魅力みたいなもの」を伝えていきたいと語った。

台湾の魅力をもっと多くの人に伝え、若い人の背中をどんどん押していきたいと語る田中里奈氏
田中里奈氏から読者へのメッセージ