週末駅弁
「祇園」
京都の味が散りばめられた懐石風プレミアム幕の内弁当
2017年3月17日 11:00
新幹線に乗り込む直前に、傘をさす舞妓さんの後ろ姿のイラストに惹かれて購入した駅弁、「祇園」です。いろんなメニューがバランスよく入った、いわゆる幕の内弁当にあたりますが、ちょっとプレミアム感ある幕の内になっています。
フタを開けると、献立と舞妓さんのイラストが書かれた小さな紙が現われます。代表の9品が書かれていますが、これですべてではありません。田の字形に区切られて、彩りよくたくさんのメニューが入っている華やかさと高級感を感じる、懐石を意識したお弁当となっています。
調べてみると、このジェイアール東海パッセンジャーズが提供する「祇園」という駅弁は長く続くシリーズになっていて、少しずつ形を変えながら続いているようです。サブタイトルとして「京の歳時記」とも書かれていることから、季節感を意識しているようですので、季節によって入っているメニューが変わるのかもしれません。外国人にも人気の京都らしく、英語で「Gion」「KYOTO」「BENTO」などと、ところどころに英語表記があります。
4つに区切られたうちの1つは俵型のかやくご飯、ほかの3つは、まんべんなくおかずやデザートの和菓子が入っています。まず煮物系の入った一角に目をやると、海老芋煮や湯葉煮が入っています。煮物の味が付いた湯葉は、軽く炙ってあり香ばしい焦げ目が付いています。がんもどきもしっとり。煮物は甘みはなく薄味の京都おばんざい風の味付けです。
その右隣にはメイン系が並びます。マス柚子味噌焼き、ぶなしめじ天ぷらはしっかり大ぶりで食べ応えがあります。その裏には佃煮も隠れていました。イカと蓮根の天ぷらは、さまざまな野菜も挟まっていて、切り口の色どりも綺麗に並べられています。だし巻き玉子は、本格的な出汁の味がします。冬の縁起物くわい揚げも加えられていて、季節感を感じます。
もう一つの区画は、箸休め的な品々です。小豆がちりばめられているのは、お菓子のように見えますが、魚の練り物のいわゆる“しんじょ”で甘くはありません。京都人が大好きな山椒が入った大根醤油漬け、わかさぎの甘露煮、蓮根酢漬けと京都ならではの品々が楽しめます。目立つ和菓子の花餅は、中にさらし餡というこだわりでした。
ご飯類も、種類が異なって4つ入っているので、味のバリエーションが楽しめます。かやくご飯、しそわかめご飯、きびが入った雑穀入りご飯、そして唯一の白米に乗っているのは牛そぼろです。
どの品も丁寧に作ってあり、とても美味しくいただきました。高めの価格も納得の内容だと感じます。京都駅だけでなく、新大阪駅でも購入できます。関西方面の旅行や出張の途中で、手軽に京都懐石料理の一片を感じることのできるこのお弁当、ぜひ手にとってみてください。
「祇園」
価格:1540円
販売駅:京都駅、新大阪駅
購入場所:ジェイアール東海パッセンジャーズ デリカステーション京都コンコース
購入日:2017年2月24日