【イベントレポート】パリ航空ショー2015

カタール航空の新鋭機、「エアバス A350」「エアバス A380」「ボーイング 787」機内ギャラリー

2015年6月15日~6月21日(現地時間) 開催

 別記事でもお伝えしているとおり、フランス パリ郊外のル・ブルジェ空港で開催された「パリ航空ショー2015」で、航空会社としては例外的なほど意欲的な展示を行なったカタール航空(Qatar Airways)。

 同社の最新鋭機材は、ローンチカスタマーにもなった「エアバス A350 XWB(A350-900)」型機で、2015年1月からドーハ(カタール)~フランクフルト(ドイツ)線で運航している。同社は2012年に「ボーイング787-8」、2014年には総2階建ての「エアバス A380」型機と、次々に新機材を導入。日本へも羽田線をボーイング787-8型機で運航している。なお、日本へはこのほかに、「ボーイング 777-200LR」型機で成田、「エアバス A330-200」型機で関空へ運航中だ。

 今回のパリ航空ショーでは、「エアバス A350 XWB」「エアバス A380-800」「ボーイング 787-8」の3機が展示されており、機内見学が可能だった。

「エアバス A350 XWB」&「ボーイング 787-8」

 エアバス A350 XWB型機とボーイング 787-8型機はいずれもビジネスクラス、エコノミークラスの2クラス編成。席数は、A350型機はビジネスクラス36席、エコノミークラス247席で、計283席。ボーイング 787-8型機はビジネスクラス22席、エコノミークラス232席の計254席。特にボーイング787-8型機は、ビジネス:エコノミー比率がおおよそ1:10.55と、エコノミークラスの席数を重視した構成になっているのが印象的だ。

 シートそのものは両機種とも同等で、ビジネスクラスは全席通路側スタイルで、フルフラット化が可能なほか、収納スペースが多いことが特徴となっている。また、ボーイング787-8型機には、通路を挟んで2席だけ独立したシートがあり、カップルや幼児連れの乗客に向いているという。

 エコノミークラスは3-3-3の9アブレスト。タッチ対応の機内エンターテインメント用ディスプレイや、同じくタッチ対応のコントローラを搭載。シートピッチも31inchと一般的な広さとなっている。

 ちょっと気になったのは電源ポートで、3席それぞれの間に2個搭載されている点だ。つまり全席で利用は可能だが、3席中2席までしか同時利用はできないことになる。

 写真は主にボーイング 787-8型機の機内を中心に、エアバス A350 XWB型機のものとの相違点に触れながら紹介する。

ビジネスクラス

ボーイング 787-8型機のビジネスクラス。写真は機内を紹介してくれた日本人CA(客室乗務員)のSAYAKAさん。同社には200名程度の日本人CAが在籍しているという
エアバス A350 XWB型機のビジネスクラス
ボーイング 787-8型機のビジネスクラス後方からの眺め
ビジネスクラスのシート
シートはフルフラット化が可能。図を使った分かりやすい操作パネルを備える
アメニティは「GIORGIO ARMANI」
機内エンターテインメント用に17型のディスプレイを備える
各席の脇に電源ポート
USBやiPodなどを接続するポート。機内エンターテインメントシステムのコントローラもタッチ対応
就寝用にパジャマや靴下なども提供
座席まわりはあちこちに収納スペースが用意されており、靴や手回り品などを収めておける
エアバス A350 XWBはビジネスクラスの中央部分に通路がありミニバーカウンターが設置されている
ビジネスクラスの座席数の少ないボーイング787-8は、ドアの目の前がビジネスとエコノミーの境界線かと思いきや、2席だけ独立してビジネスクラスシートが用意されているユニークな座席配置となっていた

エコノミークラス

エコノミークラスは3-3-3の9アブレストで、シートピッチは31インチ
エコノミークラス後部からの眺め
機内エンターテインメント用ディスプレイは9型。コントローラもタッチパネル式
シートピッチは31インチ。エアバス A350 XWBもボーイング787-8も同じ
ディスプレイの脇にUSBやiPodなどを接続するポートを備える
電源ポートは3席につき2個ずつを、座席の間に備えている
テーブルは2つ折りできるタイプ
ここまではボーイング787-8型機の機内の写真だが、エアバス A350 XWBもレイアウトやシート素材などに多少違いはあるものの、基本的には同じ設計となっている
カタール航空の「ボーイング 787-8」型機とコックピット
カタール航空の「エアバス A350 XWB」型機とコックピット

エアバス A380-800型機

カタール航空の「エアバス A380-800」型機

 総2階建て旅客機の「エアバス A380-800」はカタール航空では2014年より導入しており、エアバス A350 XWBに次いで2番目に新しく導入した機材となる。

 特徴は、ファーストクラスを備える点で、ビジネスクラス、エコノミークラスとの3クラス編成。席数は、ファーストクラス8席、ビジネスクラス48席、エコノミークラス461席の517席となっている。

 デッキ(階)ごとの割り当ては、ファーストクラス、ビジネスクラスはすべて2階席に設置され、2階席の後方一部と1階席すべてがエコノミークラスとなる。

ファーストクラス

ファーストクラスは1-2-1の4アブレスト。ビジネスクラスに比べて1席あたりの広さがかなり違う
ファーストクラスのシート。ビジネスクラスに比べると特に前後方向に長く、フットレスト部分まで開放感のある空間となっている
機内エンターテインメント用ディスプレイの脇に電源ポートを備える
シート脇にはタッチ対応のコントローラや雑誌収納スペースなど
「Missoni」ブランドのパジャマなどを提供
食器やティーカップなどもすべて陶器や磁器
1階と2階を結ぶ階段
ファーストクラスのラバトリー。広々としているだけでなく、ソファも置かれるなど豪華な内装

ビジネスクラス

ビジネスクラスも1-2-1の4アブレストで全席通路側のスタイル
ビジネスクラス後方からの眺め
シートはA350 XWBなどとほぼ同じ
リクライニングの操作パネル
電源ポートやUSBなど
ビジネスクラスで使用される食器
読書灯
アメニティはやはり「GIORGIO ARMANI」
ビジネスクラスのラバトリー
ファーストクラスとビジネスクラスの乗客が利用できる「プレミアムラウンジ」。アルコールを含む飲み物や軽食などが提供される。ソファも広々としており、電源ポートも備えている

エコノミークラス

エコノミークラスは、1階席は3-4-3の10アブレストが基本
2階席後方は幅が狭いため2-4-2の8アブレストとなる
エコノミークラス(1階席)の後方からの眺め
前方は機体形状に沿って座席を配置するため、通路幅が変わっている
テーブルは2つ折りのタイプ
シートピッチは32inch
電源ポートは各座席の間に備える
エコノミークラスのラバトリー
2階席最後部のギャレー
1階後方寄りに1カ所だけ席のないスペースがあり、非常用脱出口が設けられている
カタール航空の「エアバス A380-800」型機とコックピット

編集部:多和田新也