【イベントレポート】

【パリ航空ショー2017】オープンローターエンジン用ギヤボックスなどを参考展示した川崎重工ブース

2017年6月19日~25日(現地時間) 開催

川崎重工のブース。ヘリコプターのメインギヤボックスや開発中のオープンローターエンジン用ギヤボックスを展示

 フランス・パリ郊外のル・ブルジェ空港で6月19日~25日(現地時間)に開催されたパリ航空ショー。このパリ航空ショーで、海上自衛隊が展示し話題となっていたのが新型哨戒機「P-1」。フランスのマクロン大統領も表敬訪問するなど(関連記事:マクロン フランス大統領が、海上自衛隊の哨戒機「P-1」を表敬訪問)注目を集めていた。

 その新型哨戒機を製造するのが川崎重工業になる。ホール6の川崎重工展示ブースでは、新型哨戒機「P-1」の模型のほか、同社製造の航空自衛隊 新型輸送機「C-2」の模型が飾られていた。P-1の展示に関して話をうかがったところ、P-1展示は海上自衛隊が行なっているため川崎重工としてはお話しできないとのことだった。

実機も展示された哨戒機P-2の模型(右)と、輸送機C-2の模型(左)

 これらの模型のほか、実機部品としてはオープンローターエンジン用ギヤを展示。オープンローターエンジン(プロップファンエンジンとも呼ばれる)は、YS-11などに用いられていたターボプロップエンジンの発展形となるもので、後退角の付いたプロペラなどでプロペラ先端が音速域に入るのを抑制。現在のターボファンエンジンよりも速度は遅いが効率よく飛べるようになるというものだ。川崎重工はヘリコプターの部品開発で培った技術を元に作り上げたオープンローターエンジンのギヤを展示していた。このギヤは遊星歯車となっており、軸出力を減速して外輪(カウル)に伝える。カウルにはプロペラが取り付けられており、軸出力が減速して伝えられることになる。この機構によってもプロペラ先端が音速域に入るのを抑制できるようになっている。

オープンローターエンジン用ギヤボックス
ヘリコプター用メインギヤボックス。下方からの軸出力を減速して、プロペラとプロペラ軸を回転させる