【イベントレポート】

【パリ航空ショー2017】電気で駆動するカーボンディスクブレーキなどを展示したKYB

航空機の電動化ソリューションを提案

2017年6月19日~25日(現地時間) 開催

エレクトリックメカニカルブレーキ

 フランス・パリ郊外のル・ブルジェ空港で6月19日~25日(現地時間)に開催されたパリ航空ショー。ホール6のSJAC(日本航空宇宙工業会)エリアには、自動車のサスペンション部品製造で知られるKYBもブースを出展。航空機の電動化ソリューションを展示していた。

開発・研究中の3製品

 KYBブースでは、エレクトリックハイドロリックアクチュエータ、ダイレクトリニアEMA(エレクトロメカニカルアクチュエータ)は、エレクトリックメカニカルブレーキなどを展示。一般的に航空機では各種機械部分の制御に油圧系統を多重化して用いており、信頼性を確保するとともに力の制御を行ないやすくしている。この油圧制御の部分を電気制御にすることで、制御の自由度を高めるとともに、油圧系統を電気配線に置き換えることで軽量化を図れるという。

エレクトリックメカニカルブレーキ本体
ピストンを押し出して、カーボンディスクの摩擦でブレーキを行なう。カーボンディスクは接触面積を稼ぎつつホイールの中に収まるよう多重化されている
ダイレクトリニアEMA。駆動部分にはリニアモーターを使っている
エレクトリックハイドロリックアクチュエータ。電動モーターで油圧を作り出して駆動する。このような機構を用いることにより、機内の油圧配管を減らすことができる
エレクトリックハイドロリックアクチュエータ

 ただ、機内に張り巡らされた油圧制御ラインには、これまで航空機業界で蓄積したノウハウや信頼性などがあり、普及はこれからとのこと。KYBも参考出品という形で展示を行なっており、将来の需要を見据えたものになっていた。