【イベントレポート】ツーリズムEXPOジャパン2016

空旅の楽しさと注意点が分かる羽田空港ブース&農林水産省ブース

2016年9月22日~25日 開催

3年連続5つ星に認定される羽田空港の魅力をアピール

 東京国際空港ターミナル、京急電鉄(京浜急行電鉄)、日本空港ビルデング、東京モノレールの4社合同のブースでは、羽田空港を紹介する展示を行なっている。見どころはVRゴーグルを使った仮想旅行。羽田空港から行ける国内外の旅を疑似体験できる。

 さらにVR体験したあとにブース内に設置されているディスプレイを使って簡単なクイズにも参加すると、ブース出口で関連各社のオリジナルグッズをもらえる。ブース内に入らない場合でも、ブースの柱に羽田空港を紹介するボードが展示されているので、そこで最新の情報を見ることができる。

 なお、羽田空港は航空業界の格付け会社SKYTRAX(スカイトラックス)社から3年連続で5つ星と認定されている。その記念の盾もブース入り口に展示されていた。

VRゴーグルを使ったアトラクション。羽田空港から行ける国内外の旅をバーチャルで体験できる。ゴーグルは複数台用意されているので、人気ブースながら順番待ちの時間が短縮されている
VRゴーグルの体験のあと、ブースの柱に設置されているディスプレイで、空港に関する簡単なクイズに答えると、出口で関連各社のオリジナルグッズのいずれか1品がもらえる。モバイルバッテリ、東京モノレールのHKT48クリアファイルなどが用意されていた
VRゴーグル体験をしない場合でももちろんブース見学は可能。ゲートをイメージした柱には羽田空港の特徴や取り組みなどを説明するボードが展示されている

日本を守る!? 農林水産省ブース

 農林水産省は動物検疫所と植物防疫所のPRを行なうブースを出展していた。これは海外旅行先からお土産として持ち込まれる肉類の食品や野菜、果物について検疫が必要になるものが多いことを知ってもらうことを目的としている。

 動物検疫というと犬や猫、小動物、は虫類などを想像するが、動物検疫所では食用の肉や肉を使った加工食材についても取り締まりを行なっている。生肉の持ち込みは禁止だろうな、というあたりは想像ができるが、例えばベーコンやソーセージ、ビーフジャーキー、饅頭などの加工品でも、ほとんどの場合、海外から日本へ持ち込めないとのこと。とくに現在は中国、韓国、ロシア。モンゴル、台湾において動物の悪性伝染病である口蹄疫や鳥インフルエンザが発生しているので、これらのウイルスが日本へ入ってくるのを防ぐためでもある。

 こういったものをうっかり持って帰ってしまった場合は、空港で届け出ることが必要。また、空港には検疫探知犬もいて、荷物のなかから肉類の臭いをかぎ分ける対策もしている。この探知犬は全国で22頭いるが、すべて米国で訓練されている。そのためペアを組む担当者も米国に渡って一緒に訓練しているそうだ。

 植物、果物に関しても海外からの持ち込みは厳しく制限されている。これをうるさく思う人もいるようだが、例えば梅で有名な東京の青梅で、海外からの持ち込みと思われる病原菌を原因とする病気が梅の木に発生した。こういった菌に対しては有効な薬がないので、病気の木はもちろん、周辺の木も伐採するという方法しか被害拡大を抑える術がない。動物の病気も同様で、悪性のものだと殺処分となってしまうこともある。とにかく梅の木が観光資源だった地区で梅の木を伐採せざるを得ない状況は、観光収入だけでなく、そこに住む人の気持ちにも大きな影響を与える。検疫の仕事の重要さが分かるブースだ。

こんなものもダメだったのか? ということが分かる展示を行なっている。ただ、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド産であれば、食肉製品に政府機関が発行する日本向け検査証明書があり、これが添付されていれば持ち込みはOKだ
クイズ式のパネルも用意。持ち込み不可となった食品は菌が残らない方法で処分されるが、それにかかる費用は税金なので、ムダな使い道にならないよう、このような知識を覚えておきたい
検疫検査犬はベストを着せると仕事と認識するという。日本では教育するところがないので米国で訓練された犬を起用する。指示はすべて英語。海外から日本へ来た人が母国へ日本の農産物を持ち帰る際に、空港ターミナルの検疫カウンターで輸出検査申請、検査、検疫証明書の発行ができるようなっている