【イベントレポート】ツーリズムEXPOジャパン2016

過去最高の出展数となる世界最大級の旅イベント「ツーリズムEXPOジャパン2016」本日開幕

開会式を控えて主催者が記者会見

2016年9月22日~25日 開催

 JATA(日本旅行業協会)と日観振(日本観光振興協会)が共催する世界最大級の旅イベント「ツーリズムEXPOジャパン2016」が9月22日に開幕する。会場は東京ビッグサイトおよび東京・日本橋エリア。

 9月22日の日本橋周辺のイベント「JAPAN NIGHT」では、19県のアンテナショップや日本橋のお店が軒を並べて名産品などを販売する「日本橋賑わい広場」を、江戸桜通りで13時~19時に実施。

 13時30分~18時には、東京日本橋タワーで日本文化の体験プログラム「伝統芸能広場」が行なわれる。あいにくの雨で一部プログラムの中止が発表されたが、鹿沼秋まつりの「鹿沼彫刻屋台」や、「秋田竿燈」が作られる様子を見学できる。

 また、江戸桜通り周辺では、13時~21時(調整中)まで日本文化体験プログラム、日本橋老舗・アンテナショップ特設ブースを設置、老舗やアンテナショップの出店による賑わいを楽しめる。

 夜の19時~21時には、中央通りで「Japan“Smile”Bridge」を実施。こちらも雨のために江戸火消しの纏(まとい)振りと梯(はしご)乗りが中止されることが発表されているが、そのほかの催しは開催される見込みだ。

 東京ビッグサイトの展示会は9月23日~25日で、23日は業界日。一般公開日は24日~25日。一般公開日の展示会入場料は当日が大人1300円、学生700円、前売り券(7月25日発売)が大人1100円、学生600円。保護者同伴の小学生以下と中高校生は無料となっている。

過去最高となる1181企業・団体が出展

一般社団法人日本旅行業協会 会長 田川博己氏

 開幕を目前にした22日の午前中、主催者による記者会見が開かれ、JATA会長の田川博己氏と日観振理事長の久保成人氏が出席した。

 JATA会長の田川氏は「8月21日にリオデジャネイロのオリンピック、9月18日にパラリンピックが終わった。これから2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたスタートの時期になるが、その最初のイベントがこのツーリズムEXPOジャパン2016」とイベントの意義に触れ、「出展者数は1662小間になった。140カ国、47都道府県の出展」と紹介。

 主催者発表によると、国内519、海外662の1181企業・団体が出展で、2015年の1161企業・団体を上回り過去最高。出展小間数も2015年の1557小間を上回る1662小間となる。出展国・地域は141カ国・地域(2015年は140)となった。

 田川氏は「フランスが6年ぶりに出展するし、インドネシアも20小間(昨年10小間)へ増えている。韓国からは済州島(チェジュ島)が単独で出展。韓国や中国は政治課題はあるが、一般の皆さまには民間交流の大切を感じてもらいたい」と呼びかけた。

 また、「今後のツーリズムを紹介するゾーンとして、テクノロジー、スノースポーツ&リゾート、パラスポーツなど、いままでと違った内容で東6ホールで土曜、日曜に開催する。違う形でのツーリズムEXPOジャパンを見てもらいたい」と紹介。「4年後のオリンピック、パラリンピックに向けた最初のイベントなので主催者側としてもしっかり対応していきたい」と挨拶を締めた。

公益財団法人日本観光振興協会 理事長 久保成人氏

 日観振の久保氏は、国内観光振興の立場で挨拶。「今年は3年目。ホップ・ステップ・ジャンプのジャンプイヤーにふさわしいテーマ『旅は変える。人生を。世界を。』。旅が持つ奥深さを表わしているのではないかと私は思う。展示会は1662小間で昨年を大きく上まわる。昨年同様に最大の出展者は50コマの沖縄県。国内では“広域連携で地域を見せる”といったさまざまな工夫がなされていると思う」と紹介。

 イベントのトピックスとしては九州支援を挙げ、「熊本を中心とした九州地域支援の主催者企画として、9月23日に展示棟のBステージで九州観光復興応援ステージを開催する。鉄道や道路の状況、観光関連施設の最新の正確な復興状況をそこで見せる。当地での最新イベント情報も提供する。くまモンにも来ていただく予定。また『レゴブロックで応援 熊本城』を9月23日~25日に実施する」と紹介した。

 フォーラムは、さまざまな視点でこれまで以上に質を高めたフォーラムを開催するとしたほか、「9月23日の国内観光シンポジウムのなかで、食そのものを主目的とするガストロノミーツーリズムをテーマとしてシンポジウムを行なう」という新しい取り組みが行なわれることを説明した。

 最後に久保氏は、「3年目を迎える今回、関係者一同最善を尽くして、観光立国から観光大国へのファーストステージとするべく、官民連携を一層強化して計画を進めてきたので、観光関係団体が今まで以上に一丸となって頑張りたい」とコメントした。

2017年以降はJNTOとの三位一体のイベントへ。2019年と2020年は地方開催を検討

 会見では田川氏が、「ホップ・ステップ・ジャンプということで、2014年に日観振とJATAで一緒になって3年が過ぎた。ここから次のステージが始まる」として、2017年以降のツーリズムEXPOジャパンについても、現在進めている取り組みを明らかにした。

 現在、ツーリズムEXPOジャパンはJATAと日観振、同時開催としてJNTO(日本政府観光局)による「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート(VJTM)」と分かれて実施しているが、「国内、海外、訪日の、JNTO(日本政府観光局)、日本観光振興協会、JATAの3者での真の三位一体型のイベントとして、発展する方向で協議をしている」と明らかにし、来年度以降はツーリズムEXPOとVJTMが統合する可能性を示した。

 また、「現在、英文名はJATA Tourism Expo Japanとなっているが、JATAを外して世界にアピールしていく。海外旅行中心の旅博をJATAがやっていたので、JATA EXPOと略される方が多かったが、ツーリズムEXPOジャパンという名前で新たにブランディングして、世界で位置付けを高めていきたい」とした。

 さらに、会場について、「2017年と2018年は従来どおり東京で開催予定だが、2019年と2020年はオリンピックやラグビーワールドカップの関係でビッグサイトが使えないので、東京以外の開催を準備、検討している」と地方開催に言及。

 地方開催に向けては、国内自治体頭などの展示におけるDMOの役割が高まっていることを受けて、「イベントを訪日商談を意識したものに進化させ、三位一体のビジネスモデルを作り上げたい。2017年と2018年はB to Cだけでなく、B to Bについてもしっかり話ができるように。世界のイベントはB to Bの部分が大きく、期待されているので、それらも意識しながらモデルを作り上げ、それを持って地方へ行きたいと考えている」とし、「ツーリズムEXPOジャパンをアジアトップレベルのイベントとして確立して、日本での先進的な事例を作っていく必要があると思っている。政府が観光大国の先に観光先進国というビジョンを掲げた。一翼を担うイベントにしていきたい」との意欲で取り組む意向を示した。