【イベントレポート】ツーリズムEXPOジャパン2015
国内旅行・海外旅行やグルメ情報が集まる「ツーリズムEXPOジャパン2015」開幕
9月24日~27日。24日は主催者による開催会見を実施
(2015/9/24 17:09)
- 2015年9月24日~27日 開催
日本旅行業協会(JATA)と日本観光振興協会(日観振)は9月24日~27日、“世界最大級”の旅イベント「ツーリズムEXPOジャパン2015」を、東京ビッグサイトで開催する。同イベントは今年で2回目。
同イベントは海外旅行や訪日旅行、国内観光旅行振興のため観光業界や交通業界、地方自治体、海外観光局など、全国47都道府県、世界141カ国以上から、1161の団体、企業が出展する。テーマは「動く。感じる。旅になる。」。メイン会場は東京ビッグサイトの東展示棟で、会議棟やレセプションホールでは「国際観光フォーラム」やアジア欧州会合のシンポジウムなどを実施。併せて、日本政府観光局が主催するインバウンド商談会「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート」も9月25日~27日に開催される。
ツーリズムEXPOジャパンの会期中、9月24日は商談日に設定されており、東京ビッグサイトで国内旅行やアウトバウンドの商談会が開かれるほか、東京・丸の内で主催者記者会見および顕彰事業の一環となる「ジャパン・ツーリズム・アワード表彰式」を実施。9月25日は業界日として、東京ビッグサイトにおいて商談会や出展各社/団体のブース展示が始まり、夜には丸の内の行幸通~仲通で「ジャパン・トラベル・ウィーク」のオープニングセレモニーとして「JAPAN NIGHT 2015」を実施する。
一般日は9月26日~27日。開催時間は26日が10時~18時、27日が10時~17時。入場料は当日券が大人1300円、学生700円。前売券は大人1100円、学生600円。保護者同伴の小学生以下および中高生で入場できる。
本稿では、9月24日に開かれた主催者記者会見の模様をお伝えする。
ツーリズムEXPOジャパン組織委員会 委員長を務めた日観振会長の山口範雄氏はまず、「ツールズムEXPOジャパンは、昨年(2014年)に第1回を行なったが、国内観光需要の喚起を目的とした旅フェア日本、海外旅行の需要喚起を目的としたJATA旅博を統合したもので、観光立国実現に向けた、オールジャパン体制の取り組みの典型例といえる。今年は第2階ということで、観光業界、その他産業界、省庁、地域、関係団体の連携で、本日(24日)から27日の日曜日まで4日間開催する」とツーリズムEXPOジャパン2015の概要を説明。
ツーリズムEXPOジャパンの内容については、「展示会」「国際観光フォーラム」「商談会」「顕彰事業」「JAPAN NIGHT」を5つの柱として提示。
展示会については、「世界141カ国・地域、国内全県となる47都道府県が参加し、昨年を大幅に上まわる1161企業・団体に参加いただき、文字通り、世界最大級の旅の祭典の実質を備えてきた」と参加者の規模を紹介。国際観光フォーラムは「国連世界観光機関、UNWTOの元事務局長の基調講演など、ツーリズム&カルチャーなど、多くの方に多様なテーマを聞いていただける内容を、金曜日と土曜日の2日間開催する」と紹介した。
商談会は「本日(24日)からすでにビッグサイトで開催している。国内外から約1000名に参加いただいている」と盛況とのことだ。
顕彰事業は今年から行なわれるもので「ジャパン・ツーリズム・アワード」として、国内、訪日、海外、国際のそれぞれの領域で4つの部門を設け表彰する。部門優秀賞を8点表彰したあと、そのなかから大賞を1点発表する。募集を開始してから2カ月という短期間だったが、国内外から強い関心をいただき、133件の応募があった。それぞれの応募内容は大変に熱のこもった中身で、そういう意味で、審査員それぞれ大変に難しい審査をした。そのなかから、特別賞を含め、26団体を選出した。こうした団体を表彰し、広く周知することで、国民に観光の力に対する理解の促進を図り、国全体の課題である地域創生や企業の取り組みに光を当てたいと考えている」と述べた。
9月25日の夜に行なわれる「JAPAN NIGHT」について、2つのチャレンジを挙げた。「1つは会場を東京・丸の内地区の行幸通りを中心とし、この地に日本の伝統文化、先端文化を体験できるような場作りをしたこと。東京を舞台に日本の魅力をしっかり発信していきたい。2つ目は、プレミアムデスティネーションパートナーという制度で、プレミアムデスティネーションサポーター制度とともに、海外や国内各地で観光関連キャンペーン行ない、ツーリズムEXPOジャパンと連動させながら輪を広げようという考え。今年は青森県がパートナー、JR東日本がサポーターとなり協力を得た。ねぶたや津軽三味線など、青森の地の新しい観光の力を皆様に実感していただこうということ」と取り組みを紹介した。
ツーリズムEXPOジャパンそのものについては「出展社、商談会の参加者、世界の観光関連の方々が一同に介して、国内、海外、訪日についての情報交換、意見交換をできる環境が整う。いわば、観光に関するワンストップサービスという機能が整う。これによって、国内観光関係者はグローバルな視点で観光振興に取り組むチャンスとなるだけでなく、観光業以外の産業界も参画できる場が広くできたということ。音響、自動車部品などの参加もある。従来から言われている裾野の広い産業分野を、ツーリズムEXPOジャパンを通じて整えていきたいという考えだ」とした。
また、「観光産業の担い手となる人材の育成と発掘、質の高い観光地作り、裾野の広い観光事業を充実させていくための1つの条件になると思うが、これもツーリズムEXPOジャパンのなかでシンポジウムなどを通じて、育成の発端にしていきたい。」と将来を見据えていることも紹介し、「こうした積み重ねを今回の4日間を皮切りに皆様とやっていき、名実ともに、ツーリズムEXPOジャパンが世界最大級の旅のイベントになる。今年は来場者数の目標を17万人に設定して取り組む」と動員目標も示した。
ツーリズムEXPOジャパン実行委員会 委員長でJATA会長の田川博己氏は、2016年のツーリズムEXPOジャパン開催概要と、将来の事業について2つの視点から話を展開した。
1つはオリンピックイヤーへのカウントダウンに向けた取り組みの視点。2016年のツーリズムEXPOジャパンについて「来年(2016年)の開催は9月22日(木)から25日(日)まで東京ビッグサイトで行なう予定。ちょうどリオデジャネイロ(ブラジル)で8月5日~21日まで夏季オリンピック、9月7日~18日までパラリンピックが開催。2020年開催都市の東京にオリンピックが渡されることになる。(文部科学省で)来年の10月から文化、スポーツのイベントを準備中とのこと。日本ブランドを高めるイベントが各地で行なわれ、国内ではオリンピックムードの醸成、世界には日本を発信していくことになる。ツーリズムEXPOジャパンもこれと連動して、観光を通じて日本をアピールする重要な役割を期待されていると思っており、“ジャパン・トラベル・ウィーク”をジャパン・トラベル&カルチャー・マンスというような大きな構えにしていく取り組みもあるのではないか」と取り組みの拡大を示唆。
併せて、「2016年からカウントダウンとなるオリンピックに向けた発信の準備をしてきた。2014年の国際観光フォーラムでは、ロンドンやシドニーなどの成功について「メガイベント&ツーリズム」をテーマにした。今年の国際観光フォーラムは、文化をいかにブランド化するかをテーマに、「Tourism and Culture 旅と文化」と題して、WTO元事務局長、シャネル社長、京都市長らが登壇する予定」と、具体的な取り組みも紹介した。
このほか、「東京は多様なライフスタイルそのものが魅力。東京を舞台にさまざまな文化の発信ができるのではないかということで、今年初めて、丸の内の行幸通を中心としたJAPAN NIGHTを行なう。中央文化の象徴ともいうべきねぶたが、東京の表玄関で施行されることは、海外だけでなく、日本の再発見、東京の再発見になるのではないかと考えている」と、今年初開催のJAPAN NIGHTの目的にも言及した。
もう1つの視点はアジアとの交流、共生に関するもので「新しい試みとして、25日にアジア・ツーリズム・リーダーズ・フォーラムを行なう。今年12月のASEAN経済統合後、ますます重要なデスティネーションとなるASEAN加盟各国が参加し、ASEANエコノミックコミュニティの効用を最大にするために何を成すべきかをテーマに議論する。願わくは将来は観光サミットとなる布石となるようにしたい。また、9月25日には、アジア・欧州会合(ASEM)も誘致してシンポジウムを行なう。アジアと欧州の観光におけるベストプラクティスの共有と、さまざまな障害の解決を討議する」と取り組みを紹介。
「アジアとともに生き、ツーリズムを通じて世界に貢献する。さまざまな産業の皆さんと一緒に無限の力を高めていきたい。来年のことは十分詰められていないが、(ホップ・ステップ・ジャンプの)ジャンプのために大きな構えを持ってやっていきたい。今日からの4日間を、次に繋がる4日間のために頑張っていきたい」と意気込んだ。