ニュース

2016年版観光白書、日本のインバウンドは1974万人、世界16位相当

2016年5月13日 発表

国際観光客受入数の地域別シェアと国際観光客の伸び率

 観光庁は5月13日、2016年(平成28年)版の観光白書(「平成27年度観光の状況」及び「平成28年度観光施策」)を発表した。世界の観光動向から日本の現在のポジションを分析し、2015年の外国人旅行者受入数では世界で16位に相当するとしているほか、日本人の海外旅行者数は減少、国内旅行者数は増加したとしている。

 観光白書は第I部から第IV部までの全4部で構成、第I部では2015年の世界の観光の動向について説明している。国際観光客到着数は2010年からの増加傾向を維持、前年比4.4%増、5100万人増の11億8400万人となった。そのうち欧州は過半数を占めるが、シェアは徐々に減少しているとし、反対にアジア太平洋が2005年から2015年にかけての10年で4.4%増加し「特に著しい成長」と評価している。

 外国人旅行者受入数は国や地域ごとに統計基準があるとしながらも、2014年の世界のランキングの数値に、日本の最新数値である2015年の数値を当てはめた結果も記されている。それによれば2015年の日本の外国人旅行者受入数は1974万人で、それを2014年の世界の数値にあてはめると16位相当になるという。

 また、日本は地理的な条件から外国人の入国は水路または空路に限られる。そのため、条件を同じにするため、世界の空路または水路による外国人旅行者受入数とを比較すると、世界で9位に相当まで順位が上昇するとしている。

外国人旅行者受入数ランキングにおける日本のポジション
訪日外国人旅行者数の推移と内訳

 一方、日本人の海外旅行の状況は、海外旅行者数が1621万人と対前年比4.1%減、これは円安傾向が継続しているなどし、現地の買物も含めた旅行代金がが上昇していると分析。日本人の国内旅行は宿泊旅行が3億1673万人(対前年比6.5%増)となったのは、北陸新幹線開業や9月に大型連休があったからと分析している。

日本人の海外旅行者数の推移と、国内旅行の人数の推移

 第II部は「成長する世界の旅行市場を我が国の活力に」と題して、世界が訪れたくなる日本となるための課題と対応を分析し、各国の取り組みや国内の取り組みを紹介。日本が国の豊富で多様な観光資源を分かりやすく伝えていくことや、快適に旅行ができる環境整備の必要性を説いているほか、旅行中の安全や質の確保のため「ランドオペレーター」と呼ばれる旅行業法の対象外の業者の規制のあり方の検討も必要としている。

 第III部は広域観光周遊ルートの形成や発信など2015年度に講じた施策、第IV部は赤坂迎賓館、京都迎賓館の公開など2016年度に講じようとする施策が説明された。

(編集部:正田拓也)