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つくばエキスポセンター、「飛ぶ」をテーマにした特別展「飛ぶひみつ」を3月25日~6月12日開催

「生物・植物・飛行機・宇宙・未来」さまざまな切り口で展示。関連イベントも

2016年3月25日~6月12日 開催

JALも「飛ぶひみつ」展で協力している

 つくばエキスポセンターは、「飛ぶ」にスポットを当てた特別展「飛ぶひみつ」の3月25日の開催に先駆け、24日にプレス向けの内覧会を行なった。同展は筑波研究学園都市の科学館であるつくばエキスポセンターの特色を活かし、鳥や昆虫など自然における飛行の原理から、航空機、宇宙ロケットなどに関する航空の最新技術までさまざまな展示を行ない、空を飛ぶことについての理解を深められる内容になっている。またJAL(日本航空)の協力のもと、航空機や空の仕事に関する展示も行なわれる。

挨拶を行なう日本航空株式会社の客室乗務員、杉原久乃氏

 内覧会の冒頭では、JALのCA(客室乗務員)である杉原久乃氏が、今回の特別展を「小学校高学年以上のお子さまが主な対象」と説明しつつも、「私も先ほど少し特別展を拝見させていただきましたが、お子さまだけではなく大人の方も大変楽しんでいただける展示だと思いました」と挨拶した。

 その後、つくばエキスポセンター 運営業務部の小田倉碧氏が展示内容について説明。同展の会場は、自然の飛ぶ仕組みをテーマにした「自然が教えてくれること」、航空機やヘリコプター、ドローンについての「大空を自由に飛びたい」、ロケットに関する展示の「宇宙に飛び出す」、そして未来の飛行機や超音速旅客機を扱った「未来へ飛び出そう」の4つのゾーンを順番に回っていく構成であると紹介した。

展示について説明するつくばエキスポセンター 運営業務部の小田倉碧氏
特別展ではさまざまな「飛ぶ」を4つのゾーンに分けて紹介

自然から未来まで幅広い「飛ぶ」を展示

 この「飛ぶひみつ」展では、飛行についての科学を説明しているだけでなく、空の仕事やドローンの活用、ロケットの仕組み、未来の航空機など、飛行全般について多角的に網羅した展示が行なわれている。

 例えば「自然が教えてくれること」ゾーンでは、鳥と人間を比較して鳥が空を飛べる理由を説明しつつ、鳥の羽ばたきを応用した飛行機の実物を紹介。その一方で、イヌワシやアマツバメの翼を研究して作られたファン・製品を展示し、自然界の飛ぶ仕組みから翼と人間の生活との密接な関係まで理解できる構成だ。

「飛ぶひみつ」展の様子
自然の翼を研究して作られた製品を紹介
鳥の羽ばたきを再現して飛ぶことができる世界最大の飛行機

「大空を自由に飛びたい」ゾーンでは、JALの提供によるボーイング 787-9型機の1/50スケールモデルやパイロット訓練生の練習用のコックピット模型を展示。ほかにも三菱重工業のMRJのモデルプレーンと製造過程における映像のコーナーや、ヘリコプターのターボシャフトエンジンのカットモデル、災害時におけるドローンの映像などがあり、現代の「飛ぶ」を集成した内容になっている。

ボーイング 787-9型機のモデルプレーンも展示
ヘリコプターに用いられているターボシャフトエンジンのカットモデル

「宇宙に飛び出す」ゾーンでは、2020年度打ち上げ予定のH3ロケットの模型を、JAXAつくば展示場に先駆けて公開。また、ドラマ「下町ロケット」のコーナーを設けつつ、ドラマの撮影地になった企業フジキンによるバルブやスラスタなどロケット用のパーツを展示。ラストの「未来へ飛び出そう」ゾーンで、JAXAの超音速旅客機「D-SEND#2」のモデルをはじめ未来の旅客機を紹介し、見る者のワクワク感を駆り立てる締めくくりとなっている。

JAXAのロケット模型。右は本邦初公開のH3ロケット模型
ドラマ「下町ロケット」の展示を行なうコーナー
「下町ロケット」の撮影地にもなったフジキンによるロケット用バルブ
JAXAの超音速旅客機「D-SEND#2」のモデルプレーン

見るだけでなく体験型の展示も多数

 また、同展のポイントは見るだけでなく、体験型の展示が多く用意されている点だ。例えば「オリジナルの飛ぶタネを作ろう」では、タンポポをはじめとした空飛ぶ植物のタネを元に、紙やモール、ボールといった工作材料を使って自分で空飛ぶタネを作り、実際に飛ばして実験することが可能。また、風洞を使い、翼に見立てた板の角度を自分で変えることで、実際に飛行機が空を飛ぶ仕組みを体感できる一角も設けられている。

 ユニークなところでは、JALのパイロットやCA、整備士の制服を実際に着用できるコーナーも。制服は大人のサイズはもちろん、パイロットとCA分は子供用のサイズも用意されている。

 そして目玉は、1階エントランスホールに展示された日本大学文理学部中里研究室による人力ヘリコプター体験。実際にヘリからぶら下がる形で乗り、足踏み式のプロペラを回すことで浮き上がるようになっている。こちらは身長120cm、体重60kg未満と搭乗の制限があるものの、自力での浮遊を体感できるのが魅力だ。

自分で工作して作った飛ぶタネを、風が通る筒に入れて飛ぶかどうか実験
飛行機が飛ぶ原理を風洞実験で実際に体験
JALの制服を着てみることが可能なコーナーも用意されている
人力ヘリコプターは身長・体重制限をクリアすれば体験が可能

関連イベントも多数開催

 今回の内覧会では、つくばエキスポセンターの小田倉氏から特別展の実施にともない、関連イベントを開催する旨の説明もあった。今回、発表されたイベントは下記のとおり。小田倉氏は「ゴールデンウィークにも追加でイベントを考えております」と話す。なお、ここで紹介したイベントの大半は参加するために事前応募が必要。応募については、つくばエキスポセンターのサイトの「イベント情報」の各イベントの項に専用フォームが用意されており、そこから行なう形になる。

4月3日:出張! JAL航空教室~パイロットのしごと
4月10日:「工作・実験 紙ヒコーキ教室」中級編
4月23日:JAXA水ロケット工作教室
4月24日:飛ぶタネのひみつ
5月1日:出張! JAL航空教室
5月29日:「工作・実験 紙ヒコーキ教室」上級編

「飛ぶひみつ」展の関連イベント。新イベントも追加の予定
特別展「飛ぶひみつ」

会場:つくばエキスポセンター 2階多目的ホールほか
会期:2016年3月25日~6月12日
休館日:毎週月曜日(3月28日、5月2日は除く)、毎月最終火曜日(3月29日は除く)
料金:無料※入館料は必要で大人410円、子供(4歳~高校生)210円

(丸子かおり)