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南予(愛媛県西南部)の観光振興イベント「えひめいやしの南予博2016」
3月26日~11月20日開催。俳優の藤岡弘、さん、ふるさと応援隊長に就任
(2016/1/12 15:32)
- 2016年3月26日~11月20日 開催
えひめいやしの南予博2016実行委員会は1月8日、都内で報道陣向けに観光振興イベント「えひめいやしの南予博2016」の記者発表会を行なった。イベントは、愛媛県西南部「南予(なんよ)」地域の食、自然、歴史文化など様々な魅力を発信するものとし、3月26日~11月20日までの8カ月間開催される。
愛媛県は古来「伊予」と呼ばれていたことから、東予、中予、南予と山で隔てられた3つの地域があり、南予は愛媛県西南部に位置する宇和島市、八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、伊方町、松野町、鬼北町、愛南町を指す。さらに南予に隣接する伊予市を含めた5市5町にてイベントが開催される。
南予の特徴である豊かな自然と歴史文化、食や食文化などを軸とした、200を超えるプログラムが用意される。中核となるコアイベント、地域イベントのほか、地域に住んでいる地元の人が自ら企画したイベントが多いのが特徴。“さとに憩い、ひとに和む。えひめ南予の、いやし旅。”をキャッチフレーズに、年間800万人の観光客数を目標とする。
発表会の会場では、「鯛そうめん」「ふくめん」など南予の“ふるさと料理”が展示され、南予博のPR動画で幕を開けた。このPR動画はドローンを使って撮影され、南予の各市町にある名所や絶景を空撮しており、その映像はポスターやWebサイトにも使用されている。
最初に登壇したのは、愛媛県知事で、えひめいやしの南予博2016実行委員会会長 中村時広氏。中村氏は、「3年前に高速道路が開通し、南予の魅力が広まり始めた。南予のありのままの自然と、そこからはぐくまれる食文化、純朴な人柄が醸し出す温かい人情のもてなし。そうした“いやしを与えてくれる空間”として注目し、魅力を感じて欲しい」と挨拶した。
続いて、えひめいやしの南予博2016実行委員会事務局 愛媛県経済労働部観光交流局長の佐伯登志男氏が登壇。南予地域について、海のレジャーと山のレジャーがまとめて楽しめる場所として、魅力を紹介した。また、「南予はいやし、いやしと言えば南予という観光ブランドを磨き上げていきたい」と語った。
スペシャルゲストとのトークショーとして、再び中村知事と、「えひめいやしの南予博2016ふるさと応援隊長」に就任した愛媛県出身の俳優の藤岡弘、さんが登壇。中村知事から特大名刺を手渡された藤岡さんは、応援隊長として活躍するほか、南予博プログラムの目玉でもある「えひめ南予通信大学」にも特別講師として参加する予定となっている。
久万高原町が出身の藤岡弘、さんは、「愛媛はもてなしの文化が定着し、旅人を手厚くもてなすことが当たり前。今でもその伝統が残っていて、まさに“日本の心、ここにあり”と思う」と話すと、松山市出身の中村知事も「自分の周りも、誰にでも無償で歓迎する」と、愛媛の人柄について盛り上がった。
ここでステージには、愛南町のご当地キャラクター、ニホンカワウソの「な~しくん」が登場。さらに、えひめいやしの南予博2016 カワウソ探検隊サポーターの「愛の葉ガールズ」紙崎聖さん、橋川美紀さんも登壇した。愛の葉ガールズは、農業を通じて愛媛の魅力を発信する“歌って、踊って、耕すアイドル”。えひめ南予通信大学で藤岡さんが特別講師として参加する「ニホンカワウソ」コースの実施研修で、カワウソ探検隊を応援する。
愛媛県の県獣であるニホンカワウソは、昭和50年に宇和島市九島で保護されて以降、目撃情報はあるものの、その後捕獲されていない特別天然記念物。カワウソ探検隊は、ニホンカワウソが生息した地域の自然と環境保全について学ぶもので、ニホンカワウソを探すツアーではないが、中村知事が「最近も情報が寄せられている。もしかしたら見つかるかもしれない」と言うと、藤岡さんは「ロマンがある」と期待感を高めた。
特別ゲストとして、宇和島伊達家第13代当主の伊達宗信さん、映画「海すずめ」監督の大森研―さんが登壇。伊達宗信さんは、昨年、伊達家が宇和島入りして400年となる記念イベント「宇和島伊達400年祭」をきっかけに大森監督と出会ったという。伊達さんは「西の伊達ここにありというのを映画を通して全国に発信していきたい」とし、愛媛出身の大森監督は、編集中の映像を披露した。映画「海すずめ」は、2016年初夏全国公開予定となっている。
えひめいやしの南予博2016実行委員会事務局 愛媛県経済労働部長の神野―仁氏が、いやしの南予博について改めて説明したあと、食のふるさと運動コーディネーターの中村和憲氏が登壇。南予のふるさと料理の試食とメニュー説明となった。提供されたのは、下記の6つ。
麦味噌の味噌汁
日本一の生産量を誇る愛媛の「はだか麦」を主な原料とし、麹の割合が高いため塩分が低く、香りも甘みが強い麦味噌を使った味噌汁。
紅まどんな
愛媛県でしか生産されない愛媛オリジナルの高級柑橘。20年以上かけて開発され、2005年に品種登録された。
紅い雫
愛媛県農林水産研究所が育成したいちご新品種で、「あまおとめ」と「紅ほっぺ」の交配により誕生した。2014年に品種登録出願された。
続いて、南予博の主要なプログラムを、えひめいやしの南予博2016実行委員会事務局の白川淳氏が説明。「アワビと出逢う四国最西端クルージング」「愛南の海で自分だけのサンゴを育てよう」「内子町並み時代巡り」など、地域住民グループが提供する100件以上の体験型プログラムが予定されているほか、“上質な食と旅”をテーマに、地域で採れた新鮮で旬な食材を使い、演出等にこだわった特別な会場で一夜限りのディナーコースを提供する「南予プレミアムダイニング」などを紹介。
ほかにも、清流四万十川の源流などのサイクリングコースを巡る「ツール・ド・なんよ8days」や、極上の食材を味わいながらBBQ通になれる「南予バーベキュー選手権」など、地域の資源を活かしたイベントを続々開催するという。
最後に、いよココロザシ大学 学長・理事長の泉谷昇氏と、ドコモgacco 代表取締役社長の伊能美和子氏が登壇。南予のことをよく理解してもらう新たな取り組みとして、えひめいやしの南予博2016一番の目玉ともいえる「えひめ南予通信大学」について説明があった。
えひめ南予通信大学は、愛育フィッシュ(養殖魚)、真珠、みかん、シルク、ニホンカワウソの5種をテーマとした通信講座で、4月20日からインターネット上に開講する。各テーマは期間中、2回公開される。受講料は無料。
各テーマは、映像を活用した教材で構成されており、講師陣として大学教授、生産者、研究者など、専門的な知識・技術。経験に基づき講座を行なう。各テーマには、インターネット上の講座だけでなく、現場で視察などを行なう現地研修がある。また、受講者同士が意見交換や交流できる仕組みもある。期限内に回答し、一定の成績を収めると修了証が、成績上位者にはさらに特典がもらえる。
えひめ南予通信大学のシステムは、2014年4月からサービスが開始された日本初の大規模公開オンライン講座「gacco」を活用する。gaccoは、現在17万人の登録があるという。
講座開講期間とテーマ
4月20日~、8月24日~ 愛育フィッシュ(養殖魚)
5月11日~、9月7日~ 真珠
5月25日~、9月21日~ シルク
6月8日~、10月5日~ みかん
7月8日~、10月19日~ ニホンカワウソ