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JAL、くまモンも飛び入り参加した男性だけで運航する「こいのぼりフライト」

2015年5月5日 実施

 JAL(日本航空)は5月5日、端午の節句(こどもの日)にちなんで、運航に関わる業務すべてを男性が行なうイベント「こいのぼりフライト」を実施した。

 このイベントは社内の有志による発案で、「端午の節句をお客様に感じて楽しんでいただきたい」との気持ちから企画されたもの。2009年から毎年5月5日に実施しており今年で7回目を迎える。

 同社の場合、客室乗務員(CA)は海外を含め約6000名が在籍しているが、そのうち男性はわずかに70名ほど。つまり、男性CAは1%あまりしか居ないことになるため、通常は1便すべてが男性になることはない。それだけにこのイベントは年に1度の特別なものと言えるわけだ。

 昨年(2014年)は羽田空港と出雲空港を結ぶJAL1665/1666便が対象となっていたが、今年は羽田空港と熊本空港を結ぶJAL627/628便が対象となった。ただし、熊本空港のグランドスタッフ(地上職員)を男性で揃えることができないため、628便の受付を行なうゲートには女性スタッフが加わるという。

 イベントはまず、627便のCA 8名が羽田空港9番ゲート前に整列。出発前の挨拶を、というところで「くまモン」が登場するサプライズ。フライトの目的地が熊本なのはもちろん、くまモンも男性(!?)とのことから応援に駆けつけたとのこと。

 次いで機内食ケータリング、地上旅客、保安検査を行なう「にしけい」(保安業務を担う会社の名称からこう呼ばれる)、ラウンジ、グランドハンドリング、整備士、客室乗務員、運行乗務員、オペレーション、給油を行なう各スタッフが登場。各スタッフの担当業務等が紹介されたのち、搭乗する乗客のお見送りを実施した。

JAL627便の客室乗務員は全員男性が担当。このほかパイロット2名ももちろん男性
こいのぼりフライトの対象となった627便の出発ゲート
ゲートまわりにはこいのぼりなどの飾り付けも行なわれていた
イベントにはくまモンも登場
くまモンを見つけた子供達も集まって記念撮影
運航をサポートする地上職の男性とともに記念撮影
ゲートのアナウンスも男性、という絵を撮っていたらフレームに入ってきたくまモン
くまモンはその後、ゲート横のキッズスペースでこの状況に
乗り込んで記念撮影を行なえる「つもレーター(つもりシミュレーター)」も登場。ジェットエンジン音が再生されたり、主翼に「NO STEP」の文字があったりと芸の細かい仕上がり
代表取締役副社長 佐藤信博氏

 乗務員とともにお見送りに参加した代表取締役副社長 佐藤信博氏は、こいのぼりフライトについて「(先行して開始されたひな祭りフライトの)反省会の中で、男性だけでやったらお客様からどういうご評価をいただけるのかということで、次の年にやらせていただきました。こちらもとても好評で、数少ない男性客室乗務員ではありますが、非常にモチベーションが高く自分たちの職域をしっかりとご説明できるということで続けてきております」とコメント。

 また、男性スタッフのみとなる点については「安心感をお客様にお伝えすることができると思いますし、我々としても客室乗務員は女性だけの職場じゃないですよ、ということをお客様にアピールしたい」とした。来年については「しっかりした男性客室乗務員ばかりですので、事前の告知を早めにさせていただいて、たくさんのお客様に私どもの男性客室乗務員を次回も見ていただきたい。今回は熊本でございますが、次はまだこいのぼりフライトを就航していない場所にぜひ飛ばし、地元の皆様にも私どもの男性客室乗務員を紹介していきたい」と、来年の5月5日に向けて意欲を語った。

 幼児3名を含む78名の乗客を乗せたJAL627便は10時04分にスポットアウト。10時20分にD滑走路から熊本空港に向け飛び立っていった。

サービスカーの側面にもこいのぼり
乗客にはスタッフによる手書きメッセージが書かれたサンクスカードなどが配られた
ボーディングブリッジ前ではスタッフによるお見送りを実施
お見送りには代表取締役副社長 佐藤信博氏も参加
こいのぼりフライトに使用されたボーイング767-300型機(JA8986)。広い客席やWi-Fiサービスを提供する「SKY NEXT」機だ
飛行機の横でもスタッフによるお見送りが行なわれた
出発を前にプッシュバックされていくJAL627便
サービスカーもこいのぼりが見える位置にセッティング
D滑走路に向けタキシングしていく627便を見送る

安田 剛