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JR北海道、2016年3月に利用者数の少ない気動車普通列車と駅の見直しを実施

安全で安定した輸送を確保するための処置

2015年9月30日 発表

国鉄形気動車「キハ40」。車齢33年~39年の車両が占めており、車両故障の発生件数は、8年前と比較して2倍となっている

 JR北海道(北海道旅客鉄道)は、2016年3月に利用者数の少ない気動車で運行する普通列車や駅に関して見直しを行なうと発表した。

 気動車で運行する普通列車の本数見直しについては、気動車を使用した普通列車の主力である国鉄形気動車「キハ40形」の老朽化が進行しており、運休や遅延などの発生件数が増加しているのが要因。使用に耐えない車両を廃車し、残存の車両で安全で安定した輸送を確保するための処置としている。JR北海道では、同社が発足以来、気動車を使用した普通列車の運転本数をほぼ見直しておらず、利用者数が20人以下と少ない列車は全体の32%にものぼるため、これらのうち15%程度の設定本数を見直すとしている。なお、同社では2017年度より「キハ40形」の後継となる電気駆動気動車の順次導入を予定している。

気動車で運行する普通列車の列車別の乗車人数の割合
普通列車用気動車の車齢
キハ40形気動車の故障発生件数の推移
キハ40形気動車の老朽化の実態

 また、駅の見直し(廃止)に関しては、利用実態がほとんどない駅や、駅周辺に生活上必要としている民家がない駅があり、1日の乗車人数平均が10人以下となっている駅に関しては、全体の36%、161駅にものぼる。利用者数が少ない場合でも、定期的に駅施設の巡回と維持管理は行なわれており、維持費用と冬期の除雪作業の要員の確保が難しくなっている状況。また、施設の老朽化により抜本的な修繕や建て直しが必要な駅もあるという。このため、10駅程度の廃止を予定している。

駅別の乗車人員の割合

 JR北海道は、経営再建と国交省からの事業改善命令・監督命令に対する事業の改善処置が進められており、本施策もその一環として実施される模様。

(編集部:柴田 進)