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【詳報】ピーチ、片道7680円からの羽田~台北(桃園)線を8月8日就航

往復1万2000円の弾丸スペシャル運賃の発売も予告

2015年6月25日 発表

ピーチが羽田~桃園(台北)線を開設。Peach Aviation 代表取締役CEO 井上慎一氏とピーチ客室乗務員

 ピーチ(Peach Aviation)は6月25日、国内LCC初となる羽田空港に就航し、8月8日より羽田~桃園(台北)線を開設することを発表した。週6便で運航される。航空券は近日発売予定。

 発表に先立って、Peach Aviation 代表取締役CEO 井上慎一氏から、業績などの報告があった。2年連続で増収増益を達成。2013年就航の成田~関空線就航後25カ月で営業黒字を達成するなど、業績が好調なことを報告。

「コスト高の日本ではLCCというビジネスモデルは成り立たないと言われたが、条件さえ整えば成立するということが実証できたことは、大きな喜び。昨年(2014年)には日本の航空会社のなかで最も高い就航率となる98.89%を記録。平均搭乗率は85.9%。おかげさまで、ピーチには閑散期がなく1年中ハイシーズン。特にピーチのみが就航している仙台~関空線は、2年連続で日本のあらゆる路線のなかで最も搭乗率が高く、昨年度(2014年度)は87.4%とたいへんありがたく、我々も驚く状況。他社と異なり、国内/国際線を問わず20~30代の女性がメインユーザーとなっていて、飛行機を日常に取り入れた新しいライフスタイルが創出されている。『ピーチが飛ぶとライフスタイルが変わる』というムーブメントが広がっている。安い運賃を365日提供することで、交流する人口が増え、到着地にての消費活動も活発にできる。地方の活性化にも繋がっている」と、他社とは異なる新たな飛行機の乗り方の創出と、経営基盤が構築できたことに自信を見せた。

 また、ピーチが新たに就航した目的地では、他社も含めて乗客が増えている例を見せ、新たな需要を掘り起こし、航空総需要の拡大に寄与し、国際路線では外国人によるインバウンド比率が平均60%を超えるなど、アジアでも人気が高まっていると説明。既存ガイドブックに頼らず、自身で旅をアレンジするスタイルで日本旅行を楽しむ外国人が増えつつあると分析していた。

Peach Aviation株式会社 代表取締役CEO 井上慎一氏
ピーチは2年連続で増収増益を達成した
ピーチが就航することによって目的地にて乗客が伸びた例のデータ

 続けて、羽田~桃園(台北)線開設の発表があった。8月8日~10月24日の夏ダイヤにて、深夜早朝枠を使って運航される。運賃は片道7680円~4万2380円(ハッピーピーチ)。燃油サーチャージはなし。近日発売される。

 スケジュールは、往路のMM1029便が羽田(5時55分発)~桃園(8時30分着)、復路のMM1028便が桃園(0時30分発)~羽田(4時45分着)。火曜日を除く週6便で運航する。毎週火曜以外には10月17日と10月24日が運休。MM1029の木曜日と日曜日は9時桃園着になる。「日本からもっとも早く台北に到着できる」とアピールする。

 早朝の出発になるが、現在社会実験として、YCAT(横浜)と川崎、品川、渋谷から早朝バスが運行されている。これを使うことで、4時30分頃には羽田空港国際線ターミナルに到着して、MM1029便に搭乗できるので、気軽な台北旅行ができる。首都圏の潜在顧客層を掘り起こし、航空需要拡大を目指す。

 ピーチの運賃は、予約時の空席状況によって運賃が変動する。「ハッピーピーチ」は、機内持ち込み手荷物(10kgまで)が無料で、受託手荷物や事前座席指定などのオプションサービスは有料で追加する、価格を重視したもっともリーズナブルな運賃設定。10kgまでの手荷物の機内持ち込みに加え、受託手荷物1個と座席指定(スタンダードシート、プレジャーシート)、フライト変更が無料の「ハッピーピーチプラス」にすると、1万1980円~5万3580円になる。

 ちなみに同社は2015年夏スケジュールから成田空港を第3の拠点空港とすべく成田~福岡線、成田~新千歳(札幌)路線を開設。2013年就航の成田~関空(関西国際空港)線と合わせて3路線に増強していた。一方、同社の台北路線は、関空(関西国際空港)線、那覇(沖縄)線に次いで3空港目となる。今回の路線開設により、国際線9路線、国内線13路線の計22路線になった。8月7日からは、関空~桃園線を週20便に増便する。

 また日帰り旅行も視野に入れ、往復1万2000円の弾丸スペシャル運賃発売も発表された。こちらももちろん燃油サーチャージはなし。対象は8月8日~10月24日の水曜日と木曜日、木曜日と金曜日、日曜日と月曜日のパターンで、往路MM1029便~復路MM1028便となる。弾丸スペシャルの受付は、モバイルサイトとコンタクトセンター(電話受付センター)のみ。近日販売を開始する。

 ほかに、「チャレンジ! 弾丸トリップキャンペーン」と称して、弾丸スペシャル運賃を活用した、ユニークな台湾旅行プランを募集し、応募のなかから羽田~桃園間往復チケットをプレゼントする。こちらも詳細は近日公開予定。

ピーチの業績を解説、羽田~桃園(台北)線開設発表をする井上CEO
LCC初となる羽田~桃園(台北)線開設発表。深夜早朝枠を使い8月8日より
フライトスケジュールの詳細
往復1万2000円の弾丸スペシャル運賃発売
「チャレンジ! 弾丸トリップキャンペーン」も募集

 発表の最後に、司会を務めたピーチ客室乗務員でラジオパーソナリティの谷山香さんと井上CEOが会話をしながら、ピーチ路線の今までにない使われ方を紹介する場面もあった。若者を中心にライフスタイルを変える動きが顕著になりつつあるとしながら、韓国日帰りで新入社員歓迎会をした旅行例や、日本の高い美容技術を求めて台湾の若い女性が沖縄に定期的に来日する例などを紹介。今回の羽田便の開設で、こういった動きが首都圏に広がることを期待したいとしていた。

ピーチ客室乗務員でラジオパーソナリティ 谷山香さんと井上CEOで会話しながら、いくつかの例を挙げつつ解説
ピーチ客室乗務員でラジオパーソナリティ 谷山香さん
質疑応答をする井上CEO

 質疑応答も活発に行なわれた。国際線を羽田空港からにした理由や、今後の展開などについては、「国内と国際は分けて考えず、1つの片道路線を4時間以内とし、そのエリアはすべてターゲットとしていきたい。現在日本のみならず、アジアの空港はとても混雑している状況。一番条件が整ったのが、今回の台北就航となった。羽田の昼は物理的に余裕はない。チャンスがあればぜひ追求していきたい。成田は昼、羽田は早朝深夜と組み合わせて首都圏の対応を考えている。コードシェアはコストがかかるのでやる予定はない」と答えた。

 就航率や、定時性が低いことの指摘については、「LCCでは就航率と定時性を良くすること、バゲッジ事故率を下げることが命題で目標。コスト削減にも繋がる。がんばります!」と運航品質を上げることを最重要視していると力強く答えていたのが印象的だった。

ピーチ客室乗務員

(村上俊一)