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ピーチ、2015年3月期決算は2期連続黒字を達成

増収増益の売上高371億41百万円、純利益10億68百万円

2015年6月23日 発表

2015年3月期決算の会見に出席したPeach Aviation 財務・法務統括本部長 岡村 淳也氏(右)と同 総合企画部長 遠藤 哲氏(左)

 ピーチ(Peach Aviation)は6月23日、2015年3月期(2014年度)の決算を発表した。

 発表によると、営業収入は371億41百万円(前年同期305億95百万円、65億46百万円増)、営業利益は28億65百万円(前年同期20億7百万円、8億57百万円増)、当期純利益は10億68百万円(前年同期10億46百万円、21百万円増)となり、2014年3月期決算で黒字を達成して以来、2期連続の単年度黒字となった。

 また、本期における平均搭乗率は有償ベース85.9%(2.2ポイント増)、有償旅客数は約363万人(63万人増)と発表した。

Peach Aviation株式会社 財務・法務統括本部長 岡村 淳也氏

 この発表に対し、Peach Aviation 財務・法務統括本部長 岡村 淳也氏は「Peach Aviationは、会社設立が2011年2月、初便就航は2012年3月ですので、会社設立からは5期目の決算となります。運航開始してからは4期目、3年と1ヶ月が経ちました。2014年夏期には2000便強の計画減便をいたしました。その結果、対象便をご予約頂いた皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしました。計画減便を実施して以降も皆様にご支持を頂いて、なんとか計画を達成でき、計画減便の影響も想定の範囲内となりました。訪日需要に支えられ、旅客収入は堅調に推移しています。なお、2015年3月末での生産規模は、機材数が14機、国内線12路線、国際線7路線、1日平均80便程度を運航しております。また、営業費用に関しては一部の費用、例えば機材賃借費に関しては外貨建てでの支払いのため、円安の影響で計画よりも若干コストアップしています。一方でそれ以外のコストは概ね良好にコントロールできており、結果的に生産規模の増加が採算性の向上に繋がっています。利益面に関しては、なんとか増収増益を確保できました」と述べた。

 また、岡村氏とPeach Aviation 総合企画部長 遠藤 哲氏は報道陣から質問に答えて「夏スケジュールの計画減便の影響は、ラフな試算で30億円の減収、利益ベースでは12億の減益となっています。Peach Aviationの費用構造として燃油費が3分の1を占めており、他のエアラインと同様に燃油のヘッジを行っています。年末ぐらいから原油安が進み、その結果、営業費用ベースでは燃油費が計画比を下回るものの、ヘッジ、デリバティブ取引で含み損を抱えたため、評価損が約9億円発生しており、これが経常利益に影響しています。2016年3月期の見通しとしては、収入として25%増、利益もこれに連動する見込みです。2014年末で累積損出が約7億円となっています。ですので、当初事業設立から目標としていた実質5期目での累積損出の解消、つまり今期で7億円以上利益が出れば消える結果になり、それは視野に入ってきています。

 2013年度決算で単年度黒字決算を達成しました。以後は事業規模を伸ばすにつれて、経営効率が良くなっていく、従って利益が増えていくということを目指していました。2014年度は年度当初に困難があったものの達成できました。関西をはじめ各地の方々にPeach Aviationブランドが着実に浸透を果たせたのが1つの要因だと捉えています。願わくばこれを続けて行くことで、より一層多くの方に気軽に使って頂ける航空サービスを広めていきたいです。

 収入の内訳はで371億円の売上高のうち、308億円が旅客運賃収入で残りが付帯事業収入です。この308億のうち、175億が国内線、133億が国際線の収入です。国際線収入の約6割が海外での売り上げです。2013年度よりも国際線の海外からの収入比率は上がっています。また、国際線の利用者数は、2013年度よりも便数の増加もあり30%増えています。さらに外国人の比率も増えており、2013年度は5割を少し越えるぐらいでしたが、2014年度は6割を超すぐらいまで増えています。日本人の利用者も増えていますが、伸び率は外国人の方が顕著に増加しています。

 機材に関しては、20号機目まではリースの方が8年間 一定金額でリースできるため損益が見やすいという点で採用していましたが、21号機目以降は自社保有も含めて再検討が必要だと考えています」と述べた。

Peach Aviaitonの損益計算書 2015年3月期の業績(2014年4月1日~2015年3月31日)
科目2015年3月期2014年3月期増減
売上高371億41百万円305億95百万円65億46百万円
営業利益28億65百万円20億7百万円8億57百万円
経常利益15億96百万円17億10百万円△1億14百万円
当期純利益10億68百万円10億46百万円21百万円

(編集部:柴田 進)