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沖縄観光コンベンションビューロー、観光学習教材を教育委員会へ贈呈

将来の観光立県を支える子供たちへ配布

2017年9月11日 開催

沖縄県 教育委員会 委員長 平敷昭人氏(左)と沖縄観光コンベンションビューロー 会長 平良朝敬氏(右)

 沖縄県とOCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)が2006年度から制作している小学生向けの教材「沖縄県観光学習教材」の最新版(第11版)が完成した。9月11日には、県内の児童たちへのさらなる活用を進めてもらおうと、沖縄県 教育委員会への贈呈式が執り行なわれた。

 式には、沖縄県 教育委員会 委員長の平敷昭人氏をはじめ、教育管理統括監、義務教育課長、義務教育課 学力向上推進室長らが出席。制作側からはOCVB会長の平良朝敬氏のほか、沖縄県 観光振興課からも出席者があり、将来の観光産業をになう子供たちへの期待の大きさを感じさせた。

沖縄県庁内にある沖縄県教育庁にて贈呈式が行なわれた。終始、和やかな雰囲気であった

 同教材が制作されたきっかけは、2003年度から2005年度にかけて実施した沖縄県観光産業人材育成事業において、人材の育成には学校教育の段階から沖縄の歴史・文化・自然などの理解を深める必要があるとの方向性が示されたことに始まる。2006年度から2016年度まで、合計約23万4500冊を県内の全小学4年生に配布した(初年度は小学4年~6年の3学年に配布)。2017年度も県内小学4年生を対象に、全1万7500冊が配布される。

 贈呈にあたり、平良会長は「当学習本は昨年のツーリズムEXPOで優秀賞を獲得し、国からも認知されるようになった。しかしながら現場ではなかなか活用が行き届いていないのではないかという声もある。今年度版は、これまでのB5サイズからA4サイズに、また54ページから64ページになった。観光が順調であるなか、ボリュームアップしている。ぜひ大いに活用していただきたい」と言葉を添えた。

 平敷委員長は、「グローバルな人材育成のためには、沖縄の歴史や文化、自然などをよく知ることが大事。観光客から尋ねられて説明できないのは恥ずかしいこと。現場での活用については、自由研究などに取り入れ、この貴重な教材を多いに活用していきたい」と述べた。

 活用法としては、小学4年では地域の先人や産業について学び、小学5年で沖縄県全体の産業を学び、小学6年で琉球の歴史を学び、修学旅行や職場見学の事前研修に活かしてもらうことを想定。オールカラーで写真やイラストをふんだんに使い、楽しみながら学べる内容となっている。

教材を手に、さらなる活用を進めていきたいと語る平敷委員長(中央)。右は平良会長

 贈呈式終了後には、平良会長から平敷委員長へ修学旅行などの教育旅行団体についての依頼書の進呈があった。沖縄県は修学旅行先として全国的に人気の高い地域であるが、ここ数年は横ばいであることから、海外からの教育旅行団体の誘致を図っていきたいとの意向である。実際に問い合わせもあるが、言語の問題、時間的な問題で受け入れ側が消極的であるのが課題となっている。そこで、海外からの教育旅行団体と県内の子供たちが交流できるよう、理解と協力を求めるという内容であった。「子供時代に海外の人と触れ合うのはグローバルな人材育成に役に立つ」と平良会長が提案した。

海外教育旅行団体との交流について理解と協力を依頼する平良会長(右)