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韓国・ソウルの仁川国際空港、乗り継ぎを楽しくする8つの方法を紹介
第2ターミナルは2017年12月稼働予定
2017年4月21日 00:00
- 2017年4月20日 開催
仁川国際空港(韓国・ソウル)は、「新発見! 仁川空港乗り継ぎを楽しくする8つの秘密」と題した説明会を4月20日に開催した。また、同空港をハブとする大韓航空から同社の強みについても説明が行なわれた。
まず主催者挨拶に立った仁川国際空港の崔民娥氏は、「仁川国際空港は2001年に開港して以来、約16年で年間5800万人が利用する世界第7位の空港に成長しました。その背景には、仁川で乗り継ぎをする日本人客の存在も大きい」として、日本語ガイドの付く乗り継ぎツアーなどのサービスを拡充したいと話した。
続いて大韓航空 東京旅客支店長 高常淳氏は「仁川国際空港は、ACI(国際空港協議会)によって2005年から12年連続で世界一の空港と評価されている。今年新しく完成する第2ターミナルは大韓航空とスカイチームの航空会社専用で、ますます乗り継ぎが楽になると期待している」と挨拶。また、トリップアドバイザーによる世界のエアラインの評価で第6位、東アジア地域では第1位に選ばれたことについて、会場に集まった業界関係者に感謝を述べた。
第2ターミナルの稼働で年間利用者は7200万人に
そのあと登壇した仁川国際空港の林勳氏は、「なぜ仁川国際空港がDelight(楽しさ)に力を入れているかを説明したい」と切り出し、「価格で航空機を選ぶと、仁川国際空港を経由する線が一番の候補に挙がる時期は過ぎた。そこで空港としては、航空会社や旅行会社が提供できないサービスを提供したい。機内は航空会社、滞在先などは旅行会社がサービスを行なうが、その間にある空港はどちらの領分でもない」と話す。
今年12月に完成する第2ターミナルが稼働すると、現在年間5800万人の利用者数は、年間7200万人に増大すると見込まれている。第2ターミナルは6月に工事がほぼ終わって、半年の試運転を経て12月にサービスを開始するという。また、空港からクルマで3分のところにホテルやカジノ、コンベンションセンター、ショッピングモールなどを集約した複合リゾート「パラダイスシティ」が一部完成し、この4月20日にオープンしている(残りは2018年完成)。
こうした状況の変化を踏まえて、「仁川での乗り継ぎの楽しみ方は、大きく分けて『食と休息』『韓国を体験』『買い物』の3つがある」とマトリクス状のスライドを提示。
「食と休息」「韓国を体験」「買い物」という縦軸に対して、空港滞在時間を「2時間以下」「2~5時間」「5時間以上」と区切って、楽しみ方を解説した。
空港滞在時間「2時間以下」「2~5時間」「5時間以上」で異なる過ごし方を提案
「食と休息」の「2時間以下」では、「さまざまな世界の料理を味わう」として、世界各国のレストランが揃っていると強調。さらに第2ターミナルでは、それまで各地に本店しかなかった著名店を韓国中から集めて、空港内で有名グルメの支店を一度に楽しめるという。
「食と休息」の「2~5時間」では「無料の乗り継ぎ施設」をお勧めしたいとして、第2ターミナルには仮眠できるエリアやシャワールーム、キッズスペース、マッサージ、トレーニングジムなどが完備されていることを紹介した。「ジムで汗を流してシャワーを浴びたら、長距離便でぐっすり眠れますよね」とのこと。
「食と休息」の「5時間以上」では、ラウンジとトランジットホテルの利用が最適だとした。ラウンジは現在「Sky Hub Lounge」と「Matina Lounge」があり、第2ターミナルにも広々としたラウンジが用意されるが、特に「グループラウンジ」に注目してほしいという。
グループラウンジは会議室程度の個室になっており、空港利用者に提供するのはもちろん、旅行会社の添乗員が利用者を待つ場所としても使える。例えば、日本各地からの便に乗って仁川国際空港に集まるときに、グループラウンジを集合場所とする使い方などを想定しているとのこと。
「韓国を体験」の「2時間以下」は、「韓国の文化を楽しむ」として、2016年2月にリニューアルした「Korean Culture Experience Center」の存在を挙げた。空港のほぼ中央にあり、伝統工芸のワークショップに参加したり(作ったものは土産にできる)、韓国の歴史に触れたりできる。
「韓国を体験」の「2~5時間」なら、1時間から5時間までの所要時間別で「無料のトランジットツアー」が用意されている。例えば1時間なら空港の隣にある「龍宮寺(Yonggungsa Temple)の見学」、5時間なら「景福宮(Gyeongbok Palace)~Insadong Streetの見学」といった具合に、8種類のツアーが組まれている。これまでは英語の案内のみだったが、2018年からは日本語と中国語にも対応するという。
「韓国を体験」の「5時間以上」で時間に余裕があるなら、ソウルから6つの路線を持つKトラベルバスの空港出発便を使って「韓国各地を訪問」してほしいとのこと。
仁川国際空港は2016年の免税店売り上げが世界1位であり、4万3500m2の売り場面積に非常に多くのテナントが入っている。そのため、「買い物」なら空港滞在時間の長さにかかわらず楽しんでもらえるはず、という。
なお、ここまでの「楽しみ方」の説明は7つだったが、8つ目は「45分以下という乗り換えにかかる時間の短さ」も楽しみの1つとして挙げたいとした。
羽田~ソウル線の時間変更で乗り継ぎがぐっと便利に
最後に登壇した大韓航空 武田啓誠氏は、同社の新しい機材や新就航便、乗り継ぎについて説明した。
現在、1日最大21便が日本から仁川国際空港に乗り入れており、乗り継ぎで46カ国/129都市へ向かうことができる。日本中ほとんどの地域で仁川行きの便があるはずなので、東京を経由しなくても、仁川から世界中にフライトできることが強みであるという。
ただ、これほどのネットワークを持ちながらも、これまではアトランタやヒューストンは同日に乗り継ぎできず、ホーチミン、ハノイ、バンコク、マニラは乗り継げても夕方便しかなかった。中国では武漢、合肥、西安などがつながらなかったが、この3月から羽田~ソウル線(KE720便)が深夜2時発~4時30分着に変更されており(従来は6時20分発~9時00分着)、より早く仁川に到着することから、上記すべてに同日乗り継ぎができるようになっている。アジア地域なら午前中~昼過ぎに現地へ到着するため、1日を有効に使えるという。
そのほか、4月28日からソウル~バルセロナ線が就航すること、ボーイング 787-9型機の運用を開始したことなどを述べて、説明会は終了した。