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JAL、広島空港の国内線サクララウンジを全面リニューアル、広島らしい“赤”基調の雰囲気に

JAL/JAS統合以来のリニューアルで面積・席数は約1.5倍に拡大

2017年3月28日 リニューアルオープン

JALは広島空港の国内線サクララウンジをリニューアル。3月28日にオープンする

 JAL(日本航空)は3月23日、広島空港の国内線サクララウンジを3月28日にリニューアルオープンすることを発表した。1月14日に一時閉鎖して工事を行なってきたもの。2003年のJALとJAS(日本エアシステム)の統合時に両社ラウンジを統合して以来の改装で、デザインやラウンジ内のレイアウトなどを含めて全面的にリニューアルする。オープンに先立ち、工事完了間近の同ラウンジを取材した。

 JALでは2016年度(2016年4月~2017年3月)、国内線だけでも、2016年6月に新千歳空港のダイヤモンド・プレミアラウンジ新設、2016年10月に伊丹空港のダイヤモンド・プレミアラウンジ新設、2017年2月に那覇空港のサクララウンジリニューアルと、次々にラウンジの新設やリニューアルを進めている。国際線でもセントレア(中部国際空港)とバンコク・スワンナプーム国際空港のサクララウンジをリニューアルしている。

 そして、2016年度の最終月となる3月には、28日に広島空港の国内線サクララウンジがリニューアル、30日に福岡空港が国内線ダイヤモンド・プレミアラウンジ新設と国内線サクララウンジリニューアルを実施してオープンする。

 本稿で紹介する広島空港の国内線サクララウンジは、2階出発フロアのB/C搭乗口付近にあり、保安検査場がオープンする6時30分から最終便出発までオープンしている。

 JALとJASが統合したのを機に隣接した両社ラウンジの間の壁を取り払うことを目的とした改装を2003年に実施。それ以来、14年振りのリニューアルとなる。その際に壁紙や床材は統一していたものの、両社それぞれのラウンジの名残もあった。今回のリニューアルでは、先述したラウンジリニューアルでも順次取り入れられてきた「日本のたたずまい」のコンセプトを取り入れ、赤みのある木材など“和”の素材を基調とした空間に統一した。

 さらに、広島をイメージして“赤”や“鯉”をテーマにした装飾品がラウンジを彩っている。実物は写真をご覧いただきたいが、ソファの後ろには広島城の別名「鯉城」を想起させるニシキゴイが泳ぐイメージを描いたアートが飾れていたり、ビバレッジカウンターの上部には、「宮島しゃもじ」や、広島出身アーティストによる赤色が印象的な鯉の染め物やガラス細工などが並んでいたりする。“赤”は広島東洋カープの“赤ヘル”のイメージと、JALのコーポレートカラーの赤とも連想させている。

 加えて、以前はラウンジの壁の向こう側にあった同社の会議室をなくし、そのスペースもラウンジに組み込んで利用。敷地面積は約1.5倍に広がり、従来約40席だった席数についても1.5倍近い増席となっている。

 ラウンジの座席スペースは大きく2つの空間に分かれている。まずラウンジから入ってすぐのところにあるのが、カウンターテーブルを中心に、ベンチシートやハイチェアを用いた座席を用意。

 カウンターは竹ひごを使った照明を用いて、対面の人と目が合わないようにしている。またデスクの奥行きを長めにすることで、PCやスマートフォンとドリンクを一緒に置いても余裕あるワークスペースとなるよう配慮している。

 電源は各座席にAC電源×2とUSB電源(5V/1A)を備える。基本的には全座席にこの電源を備えるが、唯一、ベンチシートの最も奥のテーブルの席のみ備えていない。

カウンターテーブルは竹ひごを用いた照明が天井から吊るされている。この照明が仕切りとなって対面の利用者目が合わないようにもしている
カウンターテーブルは8人掛けが2基。それらを仕切る部分は赤い花器が印象的
奥行きが広めでPCを広げてもスペースに余裕がある(写真のノートPCは12.5型液晶の製品)
電源はAC電源×2とUSB電源(5V/1A)を各席に備える
使用している椅子
壁側にベンチシートを備えた席。ここでも竹ひごを使った和テイストな照明を使用している。電源はベンチシートに備わっているが、最奥部の1テーブル(写真右下)のみは電源がないので要注意
バーのようなハイチェアの座席も用意

 もう一方のエリアは、やや照明もおとなしめで、よりくつろいで過ごせるエリア。各座席にあるサイドテーブルの空間は機内持ち込み対応サイズのキャリーケースに対応した収納スペースを備え、荷物で通路が狭くなることがないようにしている。加えて背もたれが長く、体が包み込まれるような雰囲気のソファを5席用意。こちらは全座席にAC電源×2とUSB電源を備えている。

背の低い椅子でくつろいで過ごせるスペース
各椅子のサードテーブルの下に、機内持ち込み対応サイズのキャリーケースなどを収納できる
各席にAC電源×2とUSB電源
背もたれが長く包み込まれるような姿勢で過ごせるソファ
ソファの下部にAC電源×2とUSB電源
後ろのアートは、ニシキゴイが泳いでいるイメージを描いたもの

 ビバレッジカウンターもスペースを拡張。コーヒー、緑茶、紅茶、ソフトドリンクといったノンアルコールドリンクのほか、アルコールドリンクとしてウィスキーや生ビールを用意。特に生ビールの充実がポイントで、以前は生ビール1種類のほかに缶ビールを用意していたそうだが、リニューアルに伴って「アサヒ・スーパードライ」「サッポロ・黒ラベル」「サントリー・モルツ」「キリン・一番搾り」の4種類を用意した。

少し広くなったビバレッジカウンター。赤い鯉の染め物や宮島しゃもじなど、広島にちなむものや、広島城の“鯉”、カープの“赤”、JALの“赤”のイメージで演出している
コーヒーメーカー
おつまみ
緑茶と紅茶のティーバッグ
ソフトドリンクのベンダー
ウィスキー
生ビールを充実させ4種類から選べるようにした

 入り口からすぐ左方向は旧JASラウンジエリアとなるが、ここにトイレ、テンキーロックロッカー、電話ブースを設置した。いずれも新設したもので、トイレは車椅子対応の広いユニバーサルトイレを1ブース設置している。

 ロッカーは以前はオープンな収納ボックスが用意されていたが、リニューアルに伴い、鍵を紛失する心配のない高セキュリティのロッカーとして、テンキーロック式ロッカーを6個設置した。

新設されたユニバーサルトイレ。1ブースを設け、男女の区別はなく、車椅子に対応
TOTOのウォシュレット
洗面台まわり
おむつ交換台
扉の開閉スイッチ
電話ブースも1カ所用意。従来はラウンジの外に出て電話する人の姿もあったという
取材時はまだロックが取り付けられていなかったがテンキーロック式のロッカー
入り口の左、受付の向かい側にこれらの設備が集まっている