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JAL、名古屋(中部)~ホノルル線で最新フルフラットシート搭載機「JAL SKY SUITE 777」(SS2)の就航式典
中京地区からもWi-Fi、最新シート装備機でホノルル行きが可能に
2017年2月26日 06:30
JAL(日本航空)は2月25日、名古屋(中部国際空港セントレア)~ホノルル線に、同社の最新仕様機材である「JAL SKY SUITE 777」(SS2)を就航した。
SS2は、ボーイング 777-200ER型機をベースに、JALの最新ビジネスクラスシートである「JAL SKY SUITE III(JAL スカイスイートIII)」を42席、プレミアムエコノミークラスシートである「JAL SKY PREMIUM(JAL スカイプレミアム)」を40席、“新・間隔エコノミー”と名付けられたエコノミークラスシート「JAL SKY WIDER(JAL スカイワイダー)」を154席搭載した合計236席仕様になる。
従来の仕様より、ビジネスクラスは14席減、プレミアムエコノミークラスは同数、エコノミークラスは5席増となるが、座席数の変化以上に質的向上が図られた。ビジネスクラスはフルフラット可能になったほか、1-2-1のヘリンボーン配置により、窓側席は個室感覚で、中央の2席は個室感覚でもペアでの利用にも向いたものになっている。また、プレミアムエコノミークラスのシートはフィクスドバック仕様のJAL スカイプレミアムとなることで、後ろの人を気にせずにリクライニングでき、これまでのビジネスクラスに匹敵する快適空間となった。
エコノミークラスは一般的な3-3-3配列ではなく、3-4-2の横9席配列を採用。座席ピッチもこれまでの31インチ(約79cm)から33~34インチ(約84cm~86cm)へと拡大。縦方向の座席ピッチに加え、座席幅も約2cm拡大。全シートにPC電源、USBポート(電源としても使用可)、最新式のタッチパネル式個人モニターを装備し、ビジネス、プレミアムエコノミーと同様のMAGIC-VIによるエンタテイメントシステムを備える。
さらに機内インターネット接続サービスである国際線仕様の「JAL SKY Wi-Fi」を搭載。JALの機内インターネット接続サービスは容量無制限で使用でき使い勝手もよいものだ。利用料は有料となる。
ここで簡単に機内を紹介したが、詳細な機内紹介は関連記事「写真で見る、JAL SKY SUITE 777(SS2)」や、「【インタビュー】羽田~バンコク線に投入する“1クラス上の最高品質”「JAL SKY SUITE 777」(SS2)について聞く」を参照していただきたい。
また、フルフラットシートであるスカイスイートIIIの使い勝手については「食事も豪華!! 新ビジネスクラスシート搭載『JAL SKY SUITE 777(SS2)』でバンコクへ」「空間を上手に活用したJALの新ビジネスクラス用シート『SKY SUITE III』に乗ってタイへ出張してきた」「ウェディング旅行に最適な、JALの新ビジネスクラスシート装備の『JAL SKY SUITE 777』(SS2)でハワイへ」などの記事で取り上げている。
中京地区に投入された最新仕様機
この話題の最新仕様機SS2が2月25日の名古屋(中部国際空港セントレア)~ホノルル線から就航した。ダイヤは下記のとおりで、ホノルルへの到着時刻、ホノルルからの出発時刻的にも使い勝手のよいものとなっている。
セントレア~ホノルル線
JL794便:セントレア(22時00分)発~ホノルル(9時50分[10時20分])着
ホノルル~セントレア線
JL793便:ホノルル(12時05分[12時35分])発~セントレア(翌日16時55分)着
[ ]内は3月1日からの運航時刻
初便の搭乗客は、ビジネスクラス39名、プレミアムエコノミークラス36名、エコノミークラス148名+幼児2名の223名で、ほぼ満席。JALスタッフによると、ビジネスクラスの中央席2席から売れていくとのことで、これはすでに導入されている羽田~ホノルル線、関空~ホノルル線も同様とのこと。JALは国際線ビジネスクラスのフルフラットシート化を進めているが、これまでの「スカイスイート」「スカイスイートII」とも個室感を高める方向性だった。スカイスイートIIIは、1-2-1配置とすることでカップルでの旅行ニーズにも応えられるものとなっており、人気が集中することになっているのだろう。
就航式典は、ホノルルへ向かう便ということで、地元のフラのダンスチームが登場。フラの舞いで式典を盛り上げる。
初便挨拶は日本航空 中部空港支店 支店長 扇山徹氏が登壇。搭乗客にお礼の挨拶を行なったあと、ホノルル線についての思いを語った。
「おかげさまで昨年4月、日本航空 名古屋~ホノルル線は30周年を迎えることができました。そして、本日からこの新しい機材、ホノルル線を運航することができ、とてもうれしく思っております。本日ご搭乗のお客さまから“一つ上のクラス”を感じていただける、そういった新しい空の旅をご体験いただけるものと思っております」。
初便の機長を担当する山越克人氏も挨拶。「ご来場の皆さま、ご搭乗予定の皆さま、今晩は。777が導入されて、早20年が経ちました。何回もの改良がなされまして素晴らしいシートが完成しました。今日、ここで名古屋~ホノルル便で披露できることを非常にうれしく思っております。私も初便の機長として乗務できることを心より光栄に思っております。ここで、本日の乗務員を紹介します」「本日の客室(客室乗務員)のチーフは垣貫(垣貫妙氏)、そのほか9名の客室乗務員で乗務いたします。また、私の相棒の副操縦士は芳山(芳山誠氏)。奇遇にも常滑出身、常滑育ち、常滑在住と今日は駆けつけていただきました。素敵なシートで、快適で素敵な空の旅をお届けすべく乗務員一同頑張ってまいります。どうぞよろしく御願いします」「最後になりましたが、当社破綻いたしまして急速な回復を遂げられましたのも、ひとえに皆さま方のご支援のおかげと思っております。今後ともご愛顧、引き続きのご支援を、どうぞよろしくお願いします」と、初便を担当する喜びと責任ついて静かに語った。
JL794便は定刻どおり22時にブロックアウト。22時15分に離陸し、ホノルルに向かって旅立っていった。
JALは多数のハワイ路線を運用しており、中京地区へ最新フルフラットシート搭載機「JAL SKY SUITE 777」(SS2)を投入したことで、ハワイ路線に関するグレードアップが一段落したことになる。日本人のハワイへの渡航者数は年間150万人ほど。爆発的な伸びはないものの、リピーターが多く、どの航空会社のハワイ路線を選ぶかという目は厳しい。
JALはこれら機材のグレードアップのほか、JAL便利用の個人旅行者向けにはハワイでの無料体験プログラムや特典プログラムのある「JALOALO(ジャロアロ)」カートを提供するなどソフト面もサポート。パッケージ旅行であるジャルパック利用者においても、ワイキキにおける大型ラウンジのオープンなどハワイ旅行の満足度向上を図っている。
さらに、ハワイに行く動機としてイベントなどにも協賛。すでに冬のイベントとして定着した感のある「ホノルルマラソン」はもちろん、春のハーフマラソン「ホノルルハーフマラソン・ハパルア」にも協賛。現在2017年4月9日開催のエントリーを受け付け(3月25日まで)ており「ホノルルハーフマラソン・ハパルア2017ツアー」のWebページで詳細を知ることが可能だ。2016年開催の模様は関連記事「もう一つのホノルルのマラソン『ホノルルハーフマラソン・ハパルア』に行ってきた」で紹介しているので参考にしてほしい。
JALのハワイ路線におけるサービスなどは「Resortful!JAL HAWAII」に集約されているので、気になる人は確認してみるのがよいだろう。