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アシアナ航空系のLCC「エアソウル」が日本初就航、初便は高松~ソウル・仁川便

静岡、長崎、広島、米子、富山、山口宇部に順次就航

2016年10月7日 就航

高松空港に到着したエアソウルの日本初就航便

 アシアナ航空の完全子会社として設立されたLCCであるエアソウルは10月7日、国際線の運航を開始した。その初便は日本路線で、高松空港~ソウル・仁川空港便。10月4日までアシアナ航空がOZ165便(高松発)、OZ166便(仁川発)として運航していた路線を引き継ぐ形での就航となった。

 エアソウルは2015年に設立されたLCCで韓国・ソウルを拠点とする。日本へは仁川空港とを結ぶ路線を開設し、10月7日の高松~仁川線を皮切りに、静岡空港、長崎空港、広島空港、米子空港、富山空港、山口宇部空港にも順次就航する。多くはアシアナ航空からの引き継ぎ路線だが、一部路線では増便を行なうほか、長崎と山口宇部は新路線となる。

 高松路線についても、当面はアシアナ航空から運航を引き継いでの週3便となるが、10月19日には週5便へと増便する。高松~仁川線の運航スケジュールは下記のとおり。機材は195席仕様のエアバス A321型機を使用する。

高松~仁川(10月7日就航/週3便、10月19日から週5便)

RS701便:高松(09時45分)発~仁川(11時25分)着、月・水曜運航(10月19日運航開始)
RS701便:高松(11時05分)発~仁川(12時45分)着、金曜運航
RS703便:高松(17時25分)発~仁川(19時05分)着、火・日曜運航

RS702便:仁川(07時10分)発~高松(08時45分)着、月・水曜運航(10月19日運航開始)
RS702便:仁川(08時30分)発~高松(10時05分)着、金曜運航
RS704便:仁川(14時50分)発~高松(16時25分)着、火・日曜運航

 片道の運賃は9000円(格安運賃)から3万3000円(通常運賃)。これまでのアシアナ航空便は2万台後半からだったとのことで、半額~1/3以下の運賃になるという。また、LCCではあるが23kgまでの荷物を1個、無料で預け入れ可能。機内持ち込み手荷物は10kgまで1個とフルサービスキャリアに近いサービスが提供されている。

 座席の指定は有料。普通席は500円、足下の広い最前列や非常口座席(1列、10列、22列、23列F席)は1500円で行なえる。また、機内食は事前予約が必要となり、日本路線では「パンプキンクラブサンドイッチ」(900円)または「健康弁当」(1200円)が提供される。

 一方、高松空港サイドの対応として、2016年度に実施している国際線(ソウル、上海、台北、香港の各路線)利用者に対する駐車場無料キャンペーンを、このエアソウル便も対象とする。これは、高松空港近隣の香南パーキングまたは高松空港綾川パーキングに駐車する際、7泊8日を上限に駐車料金を無料とするキャンペーン。各駐車場への入庫時に渡される駐車券や預かり証へ、航空会社でのチェックイン時に確認印を押印してもらい、出庫時に押印済みの駐車券/預かり証を提出することで駐車料金が無料となる。

 10月7日の高松~仁川線は、エアソウルにとっても国際線初就航。初便のRS702便は定刻よりやや遅れた10時14分頃に高松空港の08滑走路に着陸し、6番スポットへ。168名の乗客が到着した。

高松空港のエアソウルチェックインカウンター
10時10分を過ぎた頃に空港の西側に姿を見せ、08滑走路に着陸した
国際線搭乗口で実施された、就航・増便記念セレモニー
高松空港振興期成会 会長、香川県知事 浜田恵造氏

 その後、国際線搭乗口では、香川県、エアソウル、韓国関係者が揃い、高松~ソウル線就航・増便記念セレモニーが開かれた。

 冒頭で挨拶した高松空港振興期成会 会長で香川県知事の浜田恵造氏は、「高松~ソウル線は平成4年(1992年)4月に四国初の国際定期路線としてアシアナ航空が就航し、今年で25周年を迎えた。この路線は、香川県はもとより周辺各県の皆さまにも親しまれており、これまでに83万人を超える方々にご利用いただくなど、四国と韓国、そして世界を結ぶ欠くことのできない重要な社会インフラとして定着している」と同路線について紹介。

 エアソウルへの移管について「今日のこのフライトは、エアソウル社として記念すべき国際線の初就航便となる。また、10月19日からはこの高松~ソウル線は現在の週3便から週5便に増便となる。折しも明日(10月8日)から瀬戸内国際芸術祭2016の秋会期が開幕する」と述べ、この時期の就航と増便について関係者に感謝。香川県としても「これまで以上に重要な国際線として大きく飛躍するよう利用促進に努めていく」とした。

エアソウル株式会社 代表取締役社長 柳光煕(リュウ・グァンヒ)氏

 続いて、エアソウル株式会社 代表取締役社長の柳光煕(リュウ・グァンヒ)氏が挨拶。「エアソウルの始まりをロマンと芸術あふれる美しい都市、香川県と一緒に迎えられてとてもうれしい。今回、エアソウルの就航を通じて、両国間の観光活性化、民間交流がさらに拡大されるよう最善を尽くしていく。加えて当社の就航をきっかけとして、多くの人が香川県を訪問して自然と現代芸術の調和を十分に感じ、香川県民も韓国をより便利に訪問できることを願う」と交流拡大に期待。

 加えて、新会社の就航ということで、「エアソウルは韓国の首都をブランドとして、その企業の名前にふさわしい韓国を代表する航空会社になるという抱負を持って発足した。いつまでもそれを忘れずに、お客さまにとって便利な新しい空路を開くために努力していく。エアソウルの力強い飛翔を温かく見守ってほしい」と呼びかけた。

駐神戸大韓民国総領事館 総領事 朱哲完(チュ・チョルワン)氏

 最後に来賓を代表して、駐神戸大韓民国総領事館 総領事 朱哲完(チュ・チョルワン)氏が、「讃岐うどんはもちろん、直島や瀬戸内芸術祭など芸術の街としても知られており、香川県を訪れる韓国人も継続して増加している。私は韓日・日韓友好関係の基盤となるのは、民間や草の根の交流であると考えている。両国市民がお互いを理解するには、直接相手国を訪問して、文化に触れ、言葉を交わすこと重要だ。航空会社がエアソウルに移管され、週5便に増便されることでさらに便利になり、利用者も増えると思う。これを契機として両国の人的交流を含む幅広い分野で交流が活発になることを祈っている」とし、「毎日運航できるほどに利用客数が増加することを祈念する」との期待を述べて挨拶を結んだ。

 そして、列席した多数の関係者によるくす玉開披が行なわれたあと、搭乗がスタート。搭乗客には高松ゆめ大使の栗原清華さんと森夏美さんから記念品も手渡された。高松発のRS701便の搭乗客数は184名。95%近い搭乗率となっているが、エアソウルの柳社長は「10月の予約は60%程度。最終的には75%の搭乗率を目指す」としている。

 定刻からはかなり遅れ、11時40分過ぎにプッシュバックを開始。滑走路08から韓国・ソウルへ向けて飛び立った。

関係者一同によるくす玉開披
香川県知事 浜田恵造氏(中央左)とエアソウル代表取締役社長の柳光煕氏(中央右)
搭乗口に並ぶ乗客
搭乗口のエアソウルスタッフ
高松ゆめ大使の栗原清華さん(手前)と森夏美さん(奥)による記念品配布
11時40分過ぎにプッシュバック開始
08滑走路へ向けてタキシング
離陸
ソウル・仁川空港へ向けて飛び立つエアソウルのエアバス A321型機

エアソウルが就航予定の日本路線

静岡~仁川(10月8日就航/週3便、10月18日から週5便)

RS711便:静岡(12時40分)発~仁川(14時10分)着、月・木・土曜運航
RS711便:静岡(16時40分)発~仁川(18時45分)着、火・金曜航(10月18日運航開始)

RS712便:仁川(09時40分)発~静岡(11時35分)着、月・木・土曜運航
RS712便:仁川(13時40分)発~静岡(15時35分)着、火・金曜運航(10月18日運航開始)

長崎~仁川(10月18日就航/週4便)

RS721便:長崎(09時45分)発~仁川(11時10分)着、火・水・金・日曜運航
RS722便:仁川(07時25分)発~長崎(08時45分)着、火・水・金・日曜運航

広島~仁川(10月20日就航/週5便)

RS731便:広島(12時40分)発~仁川(14時10分)着、月・火・木・土・日曜運航
RS732便:仁川(10時10分)発~広島(11時40分)着、月・火・木・土・日曜運航

米子~仁川(10月23日就航/週3便)

RS741便:米子(12時00分)発~仁川(13時30分)着、金曜運航
RS741便:米子(15時00分)発~仁川(16時40分)着、火・日曜運航

RS742便:仁川(09時30分)発~米子(11時00分)着、金曜運航
RS742便:仁川(12時30分)発~米子(14時00分)着、火・日曜運航

富山~仁川(10月31日就航/週3便)

RS781便:富山(17時00分)発~仁川(19時10分)着、月・水・土曜運航
RS782便:仁川(14時10分)発~富山(16時00分)着、月・水・土曜運航

山口宇部~仁川(11月28日就航/週3便)

RS783便:山口宇部(17時40分発)~仁川(19時10分)着、月・水・土曜運航
RS784便:仁川(14時05分)発~山口宇部(15時25分)着、月・水・土曜運航