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瀬戸内のアートと島を巡る「瀬戸内国際芸術祭 2016」開幕

アジアで注目のイベントに

2016年3月20日 開催

3月20日に開幕した「瀬戸内国際芸術祭 2016」。開会式には多くのアーティストも参加した

 3月20日、高松港近くのサンポート高松(香川県高松市)で、瀬戸内のアートと島を巡る「瀬戸内国際芸術祭 2016」の開会式が開催された。瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内の島々を舞台に3年ごとに開催され、今年は3回目の開催となる。

瀬戸内国際芸術祭 2016のシンボルグラフィックス。島を巡るイベントであることが一目で分かる

 開会式には、香川県知事 浜田恵造氏や、瀬戸内の島々が現代アートで注目されるきっかけを作った福武總一郞氏が、それぞれ瀬戸内国際芸術祭実行委員会会長、瀬戸内国際芸術祭総合プロデューサーとして主催者を代表して挨拶。香川県議会議長 辻村修氏、地元衆議院議員 平井たくや氏が、それぞれ開催県代表、来賓代表として挨拶を行なった。

 主催者代表挨拶前には、音楽演奏ほか地元の獅子舞が演じられるなど、アートと地元文化を強調。瀬戸内国際芸術祭実行委員会会長であり香川県知事である浜田恵造氏が挨拶を行なった。

開会式は、式場を取り囲むように配置された楽団員の演奏で始まった
地元の獅子舞。さまざまな獅子舞が伝えられている

「瀬戸内海の島々と海を舞台に繰り広げられる現代アートの祭典」

瀬戸内国際芸術祭実行委員会会長 浜田恵造氏

 「瀬戸内国際芸術祭はアートを道標に島々を巡りながら、その島々で育まれた文化・暮らしに出会う現代アートの祭典です。これまで2回の芸術祭に内外から大勢の方に来場していただき、アート作品はもとより、文化、そして美しい瀬戸内の風景を堪能していただくとともに、それぞれの地域に暮らす人々との新たな出会いが始まり、地域の誇りや元気につながりました。芸術祭で若い方々が芽吹き、着実に成長しているように思えます。」

 「3回目となる今回も、瀬戸内の12の島々と2つの港を舞台に、季節によって違った表情を見せる瀬戸内の魅力に触れながら、ゆっくりと作品を楽しんでいただくために、春、夏、秋の3会期に分けて開催いたします。“あるものを活かし、新しいもの生み出す”という方針をもとに、34の国と地域から240組の世界トップレベルのアーティストの作品展示、イベントをしていただくのに加え、新たに海でつながるアジア・世界との交流、瀬戸内の食を味わう『食プロジェクト』、そしてただいま見ていただきました獅子舞など地域の文化の独自性発信、こういった3大プロジェクトに取り組んでまいります。」

 「瀬戸内国際芸術祭の母体となる島々では、参加するアーティストのみなさんがそこに暮らす人たちと交流を深め、共同して作品を創作しました。」

 「瀬戸内海の島々と海を舞台に繰り広げられる現代アートの祭典に、来場されるすべての方々にご満足いただけるよう全力で取り組んでいきます。」

 と挨拶。瀬戸内国際芸術祭に参加したアーティスト、島に住む人々、サポートを行なった企業、ボランティアの人々へお礼を述べた。

瀬戸内国際芸術祭総合プロデューサー 福武總一郞氏

 続いて挨拶に立った瀬戸内国際芸術祭総合プロデューサー 福武總一郞氏は、福武財団の理事長でもあり、ベネッセホールディングスの最高顧問でもあるほか、瀬戸内の島々をアートの島へ変えるきっかけを作ったことでも知られている。また、電気自動車普及協議会名誉会長でもあり、走行時に排気ガスを出さないEV(電気自動車)を島へ普及させるためのサポートも行なっている。

 福武氏は、瀬戸内国際芸術祭の意義を語るとともに、アートと並ぶテーマとして“食”をアピール。「地方には海の幸、山の幸といわれる素晴らしい魅力があります。その素晴らしい魅力は多くの場合、大都会に流れてしまっている現状があります。そこで、その魅力をもっともっと地域に止め、地域の魅力を高めていきたいということで、総合プロデューサーの北川さん自らディレクションし、地元の食材を使った新しい食をどんどん学んでいただいています」と、浜田県知事が語った「食プロジェクト」の背景に触れた。

 開会式の最後に浜田県知事が、開会を宣言。春(3月20日~4月17日)、夏(7月18日~9月4日)、秋(10月8日~11月6日)と3つの季節に渡って行なわれる瀬戸内国際芸術祭 2016が始まった。

浜田県知事が開会を宣言。瀬戸内国際芸術祭 2016が始まった
開会式会場近くにあったアート作品
EVのBMW i3も展示されていた
開会式後、島へ渡る人を見送るための獅子舞が複数箇所で行なわれた。写真は讃岐獅子舞保存会
島の足となるのはカーフェリー。テレビ局も取材のためにカーフェリーに乗り込む
高松港から島へ向かうため桟橋を離れていった

(編集部:谷川 潔)