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「CEATEC JAPAN 2016」で展示された未来の旅を感じるテクノロジ(3)
レノボ・ジャパンやパーツメーカー、そのほかの展示を紹介
2016年10月7日 15:14
- 2016年10月4日~7日 開催
「レノボ・ジャパン」ではインバウンド観光向けの実証実験展示
レノボ・ジャパンのブースは、PCやスマホを活用したさまざまな技術展示。観光関連では、NECレノボ・ジャパングループにて、経済産業省の「おもてなしプラットフォーム(インバウンド消費の拡大に向け、IoTを使った新ビジネス創出と事業者間連携。2020年までに社会実装されることを目標にしている)」の実証実験ブースの出展があった。
実証実験にはビーコンや指紋認証などが使われている。ビーコンは、特定の場所で電波を発して、その位置など情報を知らせる。その電波エリアでのみ受信可能なため、エリアを限定したサービスなどに使われる。指紋認証は、CEATEC JAPAN 2016に出展している「Liquid Pay」の技術を使っている。Liquid Payでは、決済だけではなく、旅程内の保険加入やレンタカー、免税手続きなど、すべて指紋認証に置き換えることを目標にしている。指紋をスキャンするが保管はせずに、特徴点を数値化したうえで暗号化して活用するという。
鉄道向けケーブルを展示した「タイコ・エレクトロニクス・ジャパン」と「日本航空電子工業」
タイコ・エレクトロニクス・ジャパンは、スイスに本社があるTE Connectivityの日本法人。コネクタやセンサ製品などを扱うメーカー。ブース前面の特設ステージで「TE VRハンググライダー」を実演し、注目を集めていた。もちろんハンググライダーのケーブルやセンサなどのパーツには同社の製品が使われている。ブース内では鉄道や航空関連のパーツ展示があった。
コネクタやスイッチを扱う日本航空電子工業ブースにも鉄道向けのケーブルが展示されていた。
多言語翻訳ソリューションを展示する「QR Translator」
QR Translatorは、スマホなどを使ってQRコードからアクセスして多言語翻訳ページを表示させるWebサービス。
パンフレットやポスターに取得したQRコードを印刷しておけば多言語対応できるので、わざわざ複数言語版を用意する費用が省ける。用意した翻訳文を登録できることはもちろん、ケースに応じて機械翻訳も利用でき、そのどちらを表示するかは最適化されている。
非営利団体であればトライアル版を無償で利用でき、もっとも安価なプランなら1コードあたり年間6000円から。QRコードを読み取る無償アプリ「QR Translator」も配布している。
やはりAI、AR、IoTをベースに進化することを予感させる
そのほか、目に付いたブースを紹介する。産業技術総合研究所 人工知能技術コンソーシアムでは、対話型サイネージを使いさまざまなデータを収集するサービス接点対話端末「POSEIDON」や、ビッグデータから見込み客を分析するパッケージソフト「Target Finder」を実演していた。Target Finderは、分析に「PLSA(確率的潜在意味解析)」という手法を使い、「誰が(ID)」「何を(品名)」「どれくらい(数量)」という3要素から、嗜好の異なるユーザーにもお勧めの商品を提案できる。
IoTエリア内に出展したウェアラブルコンピュータ研究開発機構ブースでは、さまざまな用途のスマートグラスを展示していた。そのなかに、日本最古の遊園地「浅草はなやしき」で歴史案内に利用されるグラスが展示されていた。
写真化学のブースでは、スマホのARアプリ用SDK「NAVIMICHAEL」を展示していた。既存の地図系アプリから呼び出してAR(拡張現実)機能を追加できるSDKツール。手軽にARを追加できるので、観光地で使われるさまざまなアプリに利用されるのではないかと思う。