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「CEATEC JAPAN 2016」で展示された未来の旅を感じるテクノロジ(2)
パナソニック、NEC、富士通、シャープの展示を紹介
2016年10月6日 16:25
- 2016年10月4日~7日 開催
10月4~7日に幕張メッセで「CEATEC JAPAN 2016」が開催されている。前記事に引き続き、CEATEC JAPAN 2016内でのトラベル関連展示をレポートする。
パナソニックは観光地のベストポイントでセルフィー撮影サービス
家電のイメージが強いパナソニックでも、ブースの多くをデバイスやB to B関連の展示に充てていた。なかで目をひいたのが、NTTコミュニケーションズと共同開発した観光地などのフォトスポット向けサービス「カメラシェアリングサービス『PaN』」。これは、観光地やテーマパークなどで設置されたフォトスポットで撮影し、クラウドからダウンロードできるというサービス。
スマホでの自撮りと似ているが、ベストポイントに設置されたカメラでベストアングルのショットを撮影してくれるというのがメリット。また、自動でクラウドに貯まるので、一緒に写った友人とのシェアも簡単にできる。もちろん現場ではスマホやカメラが不要で、あとでクラウドからダウンロードできる。今後、観光地などで見かけることが多くなるかも知れない。
NECグループはAIを使って顔認証や耳認証
NECグループでは、AI技術を活用した展示を行なっていた。東京オリンピックを想定し、スタジアムのイベントなどでスムーズな入場を顔認証で行なう技術の実演と、耳穴の形状を反響音で瞬時に認識し、生体認証で個人を特定する技術を展示していた。
顔認証を使うことで、IDカードの貸し借り、盗難などでのなりすまし、カード偽造を防ぐことができる。耳穴での生体認証は、イヤフォンをしていれば常時個人を特定できるため、観光地などで個人別に異なるサービスを提供する目的でも利用できるだろう。
さまざまなAI技術を多数展示した富士通
富士通のブースでは、富士通研究所開発の相手の顔を検知し、クラウドAIを活用して反応や会話をするロボット「ロボピン」に注目が集まっていたが、「都市・交通×ICT~快適で安心な街を実現する~」コーナーで、AIを基盤にした画像解析技術を使った「スマート都市監視ソリューション」などを展示していた。ほかにも、多言語音声認識によるコミュニケーションができる「LiveTalk」や、スマホを使ったプレイスサービスなど、興味深い技術を数多く展示があった。
「スマート都市監視ソリューション」は、監視カメラなどの画像情報をAIを使って解析し、リアルタイムに解析することが基盤となっている。スパコン「京」開発の技術も使われているそうだ。人物像、クルマの色や車種、荷物などの特徴が、解析によってマーカー表示されたり、録画から検索表示したりできる。
実演では、パーキングアナリシスソリューションを使って、駐車したミニカーを動かして駐車場の空き状態や異常を検知させていた。この場合、監視カメラの解像度さえ足りていれば利用できるので、柔軟な設置ができることや、センサー部分以外の異常にも対応できる。単なる監視にとどまらず、AIを使った解析で今後の混雑状況予測もできるので、駐車場や観光地などの特定日の混雑を予測するという使い方も考えられる。
多言語音声認識によるコミュニケーション「LiveTalk」は、音声を入力すると、リアルタイムで翻訳をして画面表示される技術。その際、同一ネットワーク内に設定したデバイスに多言語での翻訳結果を同時に表示させるというデモを行なっていた。観光地やイベントでのリアルタイム翻訳などに活用できる。
ほかにも、スマホを使い特定の場所でビーコンを感知させ、その場所でのみサービスを受けてもらうプレイスサービスや、手のひら静脈認証を使ったカードレス決済のデモなども行なわれていた。地域のイベント案内や観光ポイントをまわるナビなどの利用法が考えられる。
モバイルロボット「RoBoHoN」で“おもてなし”を提案をするシャープ
シャープのブースでは、5月から販売が始まった、LTE/3Gモバイル通信機能を持つ小型モバイルロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」を中心に展示。10月からは法人導入に向けて「お仕事パック」の導入も開始した。
「お仕事パック」は「受付・接客(案内や質問に回答)」「プレゼン(設定した内容を説明する)」「遠隔(送信メッセージの受信を確認)」の3アプリから構成される。2016年度中にも対応する「お仕事パック」での、英語と中国語の音声認識と発話のデモが行なわれていた。
また、シャープのブースとは別の場所で、「CITY CHARGE」というソーラー充電スタンドを展示していた。屋外の太陽光発電でバッテリに蓄電した電力を使い、スマホなどを充電できるスタンド。蓄電池は満充電からならスマホ60台分の充電ができる。休憩所の横に設置され、試すことができる。