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JAL、3年連続4回目の高知県PR活動、「新・JAPAN PROJECT 高知」を10月に展開
高知県はJAL大西会長を「観光特使」に委嘱
2016年10月1日 11:14
- 2016年9月30日 発表
- 2016年10月 実施
JAL(日本航空)と高知県は9月30日、地域活性化に貢献することを目的とした「JAL 新・JAPAN PROJECT」において、10月1日から「JAL 新・JAPAN PROJECT 高知」としてJAL機内などでプロモーション活動を行なうことを発表した。
JALのJAPAN PROJECTで高知県が取り上げられるのは、旧来のJAPAN PROJECTを含めて、 2011年6月、2014年6月、2015年10月に続いて4回目。3年連続で取り上げることになる。この4回目という数字は、北海道の6回、沖縄県の5回に次ぐ回数になる。また、JALと高知県の間では高知ブランドのPRのほか、農水産品の6次産業化、人材誘致、災害時支援に関しての「包括連携協定」を8月22日に締結し、連携を強化していた。
この10月のプロモーション活動実施にあたり、9月30日に高知県知事 尾﨑正直氏
とJAL 取締役会長 大西賢氏が出席しての共同記者会見を実施した。会場となったのは、高知県土佐市にある「ヴィラ サントリーニ」(所在地:高知県土佐市宇佐町竜599-6)。“サントリーニ”の名で分かるとおり、ギリシャのサントリーニ島に建つホテルをイメージしてデザインされたというリゾートホテルで、詳しくは後述するが、同ホテルのシェフが監修した機内食を国内線ファーストクラスで提供するのも今回の取り組みの一つとなる。
会見の冒頭で挨拶した高知県知事の尾﨑氏は、「高知県、なんと4回も採用いただくことになった。ご案内のように、4回目ということは、実は北海道、沖縄を除けば全国で1番。しかも3年連続で高知県を取り上げていただいていることになる」と紹介。
今回の取り組みの内容について、「私たちにとって知己を得た、心のこもった企画。機内誌で幕末の坂本龍馬の活躍をはじめとした高知の歴史や自然。機内ビデオでは高知の素晴らしい物部川エリアを取り上げたビデオを流していただける。来年2017年は大政奉還150年、再来年2018年は明治維新150年。これを一つのきっかけとして、私どもは幕末維新博を展開していこうとしているところで、さまざまな発信をしていかなければならない。そのなかでJALグループの力で強力な発信ができることは、心からありがたく、うれしく思っている」とし、さらにこれまでのプロジェクトも含めて「私たちが発信したいものを、発信したい時期に、的確に取り上げていただいている」と感謝の言葉を述べた。
そして尾﨑知事は、感謝の気持ちとともに、さらなる応援を求めるべく、JAL会長の大西氏を「高知県観光特使」に委嘱。委嘱状とともに、大使の名刺、高知県の振興キャンペーン「高知家」のピンバッチなどを贈呈した。
大西氏はさっそくピンバッジを襟に付け、「本当に我々の取り組みに対して、過分なお言葉をいただいた。知事のために、県庁の皆さんのために、高知県民皆さんのために、観光特使として精一杯の努力をさせていただきたい」とコメント。
続けて、包括連携協定や新・JAPAN PROJECTについて説明を行なった。包括連携協定については、「包括連携協定を締結したときに、これからはいついかなるときでも、我々は進捗を報告できる状態に持ち込む、ずっとモニターでき、PDCAがまわる取り組みをしていくと話した。早速、その取り組みの進捗がある。12月にJAL本社がある天王洲ビル(野村不動産天王洲ビル)で、高知県の物産展をやらせてもらう。これによってJALグループの社員が、四国の物産、モノに対して近しい知識を持って、全員が高知県のPRができる体制に持ち込みたいと思っている。また、災害時の緊急物資の輸送訓練についても、実施に向けて実際の訓練を行なう話を開始した」と最新の情報を紹介。
新・JAPAN PROJECTではプロモーションが中心になるため、高知県との取り組みでは包括連携協定に軸足を置くとし、紹介のあった12月に行なわれる天王洲ビルでの物産展についても「社員が高知にはこういうものがあると発信していけるようしたい。高知県の人口が80万人弱、JALグループの社員は3万2000人。人口の4%の高知県ファンが増えるチャンスがあるというのは有益なことだと思うので、全社員が参加できるような仕掛けを考えたい」との意気込みを示した。
また、災害時の緊急物資輸送訓練の実現に向けては、「JAPAN PROJECTで災害対策の話にはならない。航空行政や観光を担当されている方とお付き合いはあっても、防災課の方とは話をすることはなかった」と、包括連携協定ならではの取り組みであると強調。災害時の支援人員輸送などJALが実施しているにも関わらず知られていないことの周知、災害発生時の連絡先の確認など、「いまあるリソースを想定して訓練してみると(結果的には些細なことでも)分からないことがたくさん発生する。実際の訓練が極めて大切」と早期実現に向けて取り組むことを強調。「モデルケースとして、自治体とどのように協定を結んでいけるか考えていきたい」とした。
新・JAPAN PROJECTについて3年連続4回目の採用になることについて、「非常に奥の深い素材を持っているのが高知県だと思っている。JAPAN PROJECTは月に1回なので12枠。北海道と沖縄は国を挙げて推しているので年に1回はやろうと両道県は枠を使っている。JALとしては東北も応援したい。3枠はそういう形で決まっていると考えると、残り9枠のなかで、高知県が毎年取るのはすごいこと」と説明。
一方で、高知にはまだ発信されていないものがたくさんあるとし、「優れた素材がたくさんあって、それを隠している(笑)。各地元の方に、この景色が素晴らしい、この食べ物は美味しいと話をしても、大半の方は毎日見ている景色、飽きるほど食べているので素晴らしいと思わない。でも外様にとっては素晴らしい。また、タビエビというのが美味しいと聞いたので、会食で尋ねてみたら半分ぐらいの方が食べたことがないという。理由を聞いたら、美味しいので漁師さんが陸に上がる前に食べちゃうんだそうで、高知の人々は隠してるんじゃないかと疑っている。それを無理矢理掘り起こそうと思っているのが事実かもしれない(笑)。そうして出てくる素材が魅力的で、世の中に発信したいと思うものが多い」と、やや冗談交じりの表現で、高知県の奥深さと、それを発信したいという気持ちを語った。
塩にまでこだわった高知県産食材を使った機内食を国内線ファーストクラスの夕食で提供
10月の新・JAPAN PROJECT 高知での具体的な取り組みとして、機内食の説明が行なわれた。コラボレーションメニューは、羽田と新千歳、伊丹、福岡、那覇を結ぶ路線で提供している国内線ファーストクラスの夕食として出されるもので、羽田~新千歳/伊丹/福岡線は17時以降の出発便、羽田~那覇線は18時以降の到着便が対象となる。
監修は、会見の会場であるヴィラ サントリーニのシェフである井原尚徳氏によるもの。メインディッシュの食材以外にも、久保農場の「アスリートトマト」や、川添牧場のヤギミルクを使った「ヤギミルクのプリン」、土居さんのパレルモ(パプリカのような野菜)を使ったピクルスなど、地元ならではの食材がふんだんに使われている。
また、塩も井原シェフ自らが、ヴィラ サントリーニの前にある五色の浜から海水を汲み上げて精製したものにハーブを加えた特製のもの。井原シェフは「地元でとれた魚には、地元の塩が一番合うのではないか」と、特製ハーブソルトを作っている理由を説明した。
メニューは上旬(1日~10日)、中旬(11日~20日)、下旬(21日~31日)の期間で分けられる。このなかから下旬のメニューを試食した尾﨑知事は、何度も「ほんとに美味しい」と繰り返し、「本当に美味しかった。飛行機のなかで出てきたら、『機内食でこんなに美味しいの食べられるんだ』と皆さん感じると思いますよ……(JALに気を遣って)いや、みんな美味しいんですけど(笑)、特にビックリして、大喜びして、『今日はラッキーだな』と思われるのでは。井原さん素晴らしい」と絶賛した。
大西会長は、会見では知事の感想を聞く立場となったが、「川添ヤギ牧場は先日行かせていただいた。このプリンは楽しみ。私も食べたい」と気になる様子。自給飼料のみで、オスとメスを離して飼育することでヤギミルク特有の臭みがなく、口当たりが滑らかなプリン。上にはアーモンドのクリームとクルミが乗る。アレルギーフリーで、乳製品がだめな人も食べられるという。このヤギミルクのプリンは1カ月を通じての提供となる。
10月上旬(10月1日~10日)提供
アペタイザー
・土佐はちきん地鶏レバームースのプチシュー
・四万十鶏むね肉のコンフィ マンゴーゼリーとともに
・ウツボのテリーヌ 青さ海苔と四万十ぶしゅかんの香り
・久保農園のアスリートトマト
メインディッシュ
・四万十ポークのグリル ドライトマトのヴィネグレット
・里芋のロースト コリアンダー風味
・土居さんのパレルモのピクルス
10月中旬(10月11日~20日)提供
アペタイザー
・土佐はちきん地鶏レバームースのプチシュー
・四万十鶏むね肉のコンフィ マンゴーゼリーとともに
・四万十鱧(ハモ)のポッシェ 土佐酢のジュレ
メインディッシュ
・四万十ポークのトマト煮込み パルミジャーノチーズ
・里芋のロースト コリアンダー風味 茸のソテー
10月下旬(10月21日~31日)提供
アペタイザー
・土佐はちきん地鶏レバームースのプチシュー
・四万十鶏むね肉のコンフィ マンゴーゼリーとともに
・キビナゴのエスカベッシュ ベルガモットの香り
メインディッシュ
・土佐あかうしのタリアータ
ヴィラ サントリーニ特製ハーブソルトを添えて
・里芋のロースト コリアンダー風味
・久保農園の高濃度トマトのマリネ フランボワーズの香り
機内誌や機内エンタテイメント、Webサイトで高知県の魅力を紹介
国内線と国際線の機内誌「SKYWARD」で、「龍馬を生んだ志の国」と題し、土佐の歴史の魅力を、坂本龍馬ゆかりの土地を巡って紹介する。2017年は大政奉還、2018年は明治維新から150年目を迎えるのを控え、機内誌によって幕末維新を発信していく。
また、SKYWARDの国際線版に掲載される日本の伝統工芸品や味覚をお土産として紹介する「Souvenir」で、無塗装のヒノキを使って高知県の海に生息する生き物をモチーフにした山のくじら舎のまな板や、土佐の柑橘類である文旦の上品な苦み、小夏の酸味、ゆずのさわやかな香り、ショウガの辛みなど、それぞれの素材の味を活かしつつ、てんさい糖で甘味を加えた、岡林農園の希釈シロップを紹介。
JALカード会員誌「AGORA」の特集記事「愛しき町の、ローカルフード」では、四万十町の栗の渋皮煮を紹介。さらに、旅の提案サイト「JAL旅プラスなび」では、高知県出身CA(客室乗務員)2名が、肉料理と魚料理のどちらがよいかを、旅をしながら紹介する「Beef or Fish ? 高知編」を掲載。11月30日まで、肉料理と魚料理のどちらがよいか投票した人から抽選で3名にJAL旅行券が当たるキャンペーンも実施する。
このほか、お笑いコンビのパックンマックンが、土地の達人「旅タツ」の推奨するスポットを巡る機内ビデオでは、高知空港から1時間以内で行け、大人から子供まで幅広い年齢層が楽しめるという「物部川エリア」を取り上げる。高知の旅タツ、高知県観光コンベンション協会の秋山真里奈さんの案内により、「龍河洞」「アンパンマンミュージアム」「やなせたかし朴ノ木公園」「イングリッシュガーデンハウス」を紹介する。同ビデオは12月から6カ月間、国際線機内ビデオとして日英のバイリンガル版が放映される。
JALダイナミックパッケージで高知県のオプショナルツアーや宿泊プランを提供
今回の新・JAPAN PROJECT 高知にはジャルパックも協力し、ダイナミックパッケージで高知のアクティビティを楽しめるオプショナルツアーや、宿泊付きプランなどを設定。下記のようなツアーやプランが用意される。
オプショナルツアーの例
・四万十川の屋形船
・かつおの藁焼き体験
・観光タクシー
宿泊プランの例
・ヴィラ サントリーニ
・雲の上のホテル