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ANA、初となる成田~プノンペンの定期直行便

カンボジアへ1日1往復。9月1日の就航セレモニーは小渕優子氏らも出席

2016年9月1日 就航

 ANA(全日本空輸)は9月1日、成田~プノンペン線を就航し、初便を記念した就航セレモニーを成田国際空港第1ターミナル、51番搭乗ゲートで開催した。ANAとしてはASEAN(東南アジア諸国連合)8カ国目への就航となり、日本とカンボジアを結ぶ唯一の定期直行便となる。

就航セレモニーが開催された成田国際空港第1ターミナル51番搭乗ゲート

 プノンペンはカンボジア王国の首都で、時差はマイナス2時間。カンボジアは近年、毎年7%を超える経済成長を続けており、ビジネス面で世界から注目されている。2013年12月には、日本とカンボジア間で二国間関係を「戦略的パートナーシップ」として合意しており、経済的・政治的な結び付きを強化。日系企業の進出が増加することを見据え、路線開設を決定したという。

 使用機材はボーイング 787-8型機で、ビジネスクラス42席、エコノミークラス198席の合計240席。予定飛行距離は4473kmで、1日1往復運航する。

成田~プノンペン線

NH817便:成田(10時50分)発~プノンペン(15時10分)着 ※10月30日~2017年3月25日は15時40分着
NH818便:プノンペン(22時50分)発~成田(翌日06時45分)着 ※10月30日~2017年3月25日は06時40分着

全日本空輸株式会社 代表取締役副社長 内薗幸一氏が「世界41都市、61路線のネットワークとなった」と挨拶

 就航セレモニーでは、ANAの代表取締役副社長である内薗幸一氏が登壇し、「ANAの定期国際線就航30周年という年に、新たな路線の就航を迎えることができた。これで世界41都市、61路線となった」と拡大するネットワークについて語った。また、「日本とカンボジアの友好条約が発効して60周年を迎える。両国を結ぶ初めての定期便で、ますます友好関係が強化され、交流人口の拡大につながることに貢献したい」と述べた。

衆議院議員、日本・カンボジア友好議員連盟 事務局長 小渕優子氏

 続いて、衆議院議員で日本・カンボジア友好議員連盟 事務局長も務める小渕優子氏が登壇。「この直行便は、乗り換えの手間やいろいろな負担が省け、時間的に大きく短縮されるだけではなく、日本とカンボジアの人の距離、心の距離がなによりも縮まるのではないかと思います」と挨拶した。また、「両国の往来は、5年で約7万人増加。日本から進出する企業も3倍になった。この直行便を利用する方がますます増え、両国の友好や協力がより深まってほしい」と期待を寄せた。

「カンボジアと日本は、ますます友好の絆を深めていく」と、駐日カンボジア王国大使 チア・キムター閣下

 駐日カンボジア王国大使 チア・キムター閣下は、「直行便が就航することは、2国間の戦略的パートナーシップの証となる。カンボジアと日本は、ますます友好の絆を深めていくことでしょう」と感謝の言葉を述べた。さらに、3つの利点がもたらされるという。まずは、カンボジアを訪れる日本人観光客の増加。カンボジアは2020年までに年間外国人観光客数750万人を目標とし、うち30万人を日本人観光客としている。この直行便は、それを実現するものだという。次に、より多くの日本人投資家、日系企業に関心を示してもらう機会となり、両国の経済的、国家間の関係の発展と促進につながるという。直行便は両国間の文化的、人的交流が積極的に促され、両国民の相互理解が深まると思っていると挨拶した。

 主催者、来賓の挨拶のあと、成田市のマスコットキャラクター「うなりくん」とANAグランドスタッフによるチアリーディングチーム「SUPER FLYERS」が登場。テーマソング「うなりくん なう!」が流れて、ダンスパフォーマンスが始まった。うなりくんは、ウナギと飛行機がモチーフ。観光PRキャラクターとして誕生し、2010年に「特別住民票」が交付されて特別観光大使に任命された。

成田市のマスコットキャラクター「うなりくん」とANAチアリーディングチーム「SUPER FLYERS」

 次に、カンボジアのマスコットキャラクター「アンコール・ワッティー」くんとANAスタッフが、カンボジアの民族舞踊「ココナッツダンス」を披露。このアンコール・ワッティーくんは現在、JICA(国際協力機構)とカンボジア教育省の協力のもと、アニメーションが国営放送で毎朝放送されている。曲の最後には、うなりくんとSUPER FLYERSも合流し、決めポーズで締めくくった。

カンボジアのマスコットキャラクター「アンコール・ワッティー」くんが「ココナッツダンス」を披露
パフォーマンスのラストは全員揃って決めポーズ

 テープカットは、内薗幸一氏、小渕優子氏、チア・キムター閣下のほか、衆議院議員/国土交通省 副大臣 西村明宏氏、国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 木村茂夫氏、成田市長 小泉一成氏、成田国際空港株式会社 代表取締役社長 夏目誠氏が列席した。

テープカット参列者。左から、成田国際空港株式会社 代表取締役社長 夏目誠氏、国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 木村茂夫氏、駐日カンボジア王国大使 チア・キムター閣下、全日本空輸株式会社 代表取締役副社長 内薗幸一氏、衆議院議員/日本・カンボジア友好議員連盟 事務局長 小渕優子氏、衆議院議員/国土交通省副大臣 西村明宏氏、成田市長 小泉一成氏

 搭乗セレモニー終了後、ゲートがオープンして搭乗を開始。ゲートでは初便の搭乗客への記念品として「ダブルポケットオーガナイザー」がスタッフより手渡された。ダブルポケットオーガナイザーには、「NARITA」「PHNOM PENH」「2016.9.1」などがプリントされており、この初便限定のもの。

 223名が乗ったNH817便は、11時ちょうどにブロックアウト。プノンペンへ旅立った。プノンペンには15時11分に到着した。

ゲートがオープンし、搭乗手続きが開始される
旅客への記念品がスタッフから手渡される
オリジナルプリントが施された記念品の「ダブルポケットオーガナイザー」
手を振って搭乗を見送るANAスタッフ
ブロックアウトし、プッシュバックが始まる
ターミナルからもスタッフが手を振って見送る
乗客223名は、ボーイング787-8型機でプノンペン国際空港へと旅立った