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デルタ航空、同社が運航するリゾート路線を紹介するセミナー&ワークショップ開催
旅行会社向けにハワイ、グアム、サイパン、パラオの最新情報
2016年7月3日 00:11
- 2016年6月30日 開催
デルタ航空は6月30日、都内で「リゾート路線セミナー&ワークショップ」を開催した。このセミナーの目的は、デルタ航空が運航しているハワイ、グアム、サイパン、パラオの各観光局の代表がプレゼンを行ない、旅行会社を対象にリゾートとしての魅力や最新情報を届けるというものだ。
会の冒頭でデルタ航空 東日本地区代理店 営業部 統括部長の海貝哲生氏は、「ハワイ、グアム、サイパン、パラオにおける2015年度の渡航者数がトータルで239万人。2015年の日本人の渡航者数が1620万人ですので約15%の割合です。最近、非常にセーフティで安定しており、我々にとって非常に重要なマーケット。ここを今年の下期、2017年と人数を増やし、マーケットシェアを増やすことが、旅行業界にとって必ずよい形になると思っております」と挨拶をし、今回のセミナーを販売につなげてほしいと語った。
その後は、ディスティネーションによるプレゼンテーションが行なわれた。
グアム:復活したESTAレーンの維持が課題
グアム政府観光局 日本オフィス 営業部長 金子宗司氏は来訪者数について紹介。2015年度の日本からの来訪者数は約77万人で、来訪者数の全体のシェアで60%とのこと。グアムでは国別来訪者数における割合は日本が10年以上連続でトップだと金子氏。また、日本からの観光客の多くが旅行代理店を利用して訪れたユーザーで、そのうち企業からのインセンティブ、社員旅行、修学旅行を含む学生たちといった団体の割合は約17%だという。
また、グアムに関する大きなトピックとして紹介されたのがESTAレーンの復活だ。「入国に時間がかかりすぎる」という日本からの声を受け、CBP(米国税関国境警備局)に働きかけた結果、4月4日から施行された。ただし、これは現時点においては永続的なものではなく、ESTAの有効性をモニタリングする段階であるという。今後もグアムにおいてESTAレーンを維持するためには、ESTAによる入国率を過去最高の16%から50%に引き上げる必要がある。また、自動入国審査端末の導入にも着手し、8月を目処に6台から8台の設置を予定。こちらもESTAホルダーが利用できることから、金子氏は「ぜひ、お客さまにESTAの取得をお願いいたします」と呼びかけた。
続いて施設面における最新情報が紹介された。2015年度に「デュシタニ グアム リゾート」内に2000人に対応可能なグアム初の大型コンベンションセンターがオープンし、今後はMICE団体、社員旅行など団体の受け入れ態勢を充実させていくという。
また今年6月にはハガニア地区に「グアム博物館」もオープン。敷地内には野外ステージ、野外シアター、館内には190席の室内シアターが完備されており、金子氏によると建物2階の渡り廊下の部分を団体用のパーティーやウェディングのレセプションとして利用が可能とのこと。
2015年12月に着工したハイエンド向けの新しいホテルについても説明が行なわれた。場所は「ホテル・ニッコー・グアム」と「ロッテホテル グアム」の間で、現在はまだホテルの正式名称は決定しておらず、「TSUBAKI TOWER」という仮称が使われている。26階建てで客室数は340室を予定しており、スタンダードルームで42m2、加えてバルコニーが14m2という広い面積の部屋が予定されている。
マリアナ:旅の時間を有効活用できるのが魅力
続いて登壇したのは、マリアナ政府観光局 日本事務所 旅行業界担当ディレクターの中村滋氏。サイパン島やテニアン島、ロタ島などから構成されるマリアナだが、同氏は「島が小さいというのがアピールポイント」と話す。
デルタ航空から朝に運航されている直行便に乗れば、3時にはサイパンに到着。どのホテルも空港からバスで30分以内のため、行ったその日の夕方からアトラクションやアクティビティが楽しめるという。「3泊4日のご旅行を『中2日ですね』と表現される方がいらっしゃいますが、決して中2日ではないと思います。ご出発日もお昼過ぎまでご滞在ができるので、4日間フルにお楽しみいただけます」と日本から比較的近く、なおかつコンパクトな島としてのサイパンの強みを語った。
宿泊施設についてはホテルごとにバラエティに富んでおり、レストランやスパ施設が充実しているため、ホテルでの滞在だけでも楽しめるのがサイパンの特徴だという。ほとんどがオン・ザ・ビーチに立地しているので、敷地内からそのままビーチに出られるホテルが多い。場所によって砂浜が広く取られている遠浅のビーチから、サンゴ礁に囲まれておりそのままシュノーケリングが楽しめるビーチとさまざまで、ホテルごとに特徴あるビーチでの海遊びが楽しめるという。
新しいホテルについては、これまで「パームズリゾート」として営業を続けていたホテルが一新し、「ケンジントンホテル サイパン」として7月下旬にソフトオープンすること、また、「フィエスタ リゾート&スパ サイパン」の隣にカジノを備えたホテルである「グランド マリアナ」が建設中で、2017年オープン予定であることが紹介された。中村氏はサイパンのホテルについて、立地や予算だけでなく若い女性やご家族連れなどの属性に見合ったホテルがあると説明したうえで、「お客さまの需要にかなうベストフィットのホテルを選んでいただくことが非常に大切だと思います。需要にマッチしたときにお客さまの満足度が上がり、リピーターにつながります」と話した。
続いて紹介されたのがサイパンのアクティビティとスポット。豊富なマリンアクティビティに加え、山好きの人にも楽しめるスポットが揃っているという。中村氏はシュノーケリングが楽しめるスポットとして、一番人気のマニャガハ島やサイパン版「青の洞窟」であるグロットを挙げつつも、保護区である「禁断の島」では洞窟の探検ができるという点で山が好きな若い女性に人気があると話す。ほかにも360度のどこを見ても海が見えるというマウントタポチョや、第2次世界大戦の野戦病院があった場所で最近はパワースポットとしても人気がある「聖母マリアの祠」など、海だけではない人気スポットを紹介した。
パラオ:美しい世界遺産の国
プレゼンテーションでパラオの海の魅力について述べたのが、パラオ政府観光局 日本事務所 代表 芝村剛氏だ。同氏は日本における過去30年間の観光客数をグラフで紹介し、30年前は来訪者が3000人ほどだったのに対し、現在は3~4万人と順調にマーケットが伸長していると説明。その理由として、かつてはダイバーの聖地ということでダイビング目的の来訪者のみだったのに対し、近年はノンダイバーが美しい海を求めて訪れることが多くなった、と客層の広がりを指摘した。また、2010年に就航した直行便を使えば4時間で行くことができ、なおかつ時差がないので家族連れや高齢者にも優しいディスティネーションになっていると語る。
パラオは2012年にミクロネシアでは初めて世界遺産に登録。世界遺産には文化遺産と自然遺産、そしてとの両方が合わさった複合遺産の3種類があるが、パラオの「ロックアイランド群と南ラグーン」は1031件中32件しかない複合遺産に登録されている。
世界遺産に登録された理由の一つとして芝村氏が挙げたのがほかに例を見ない豊かなサンゴ礁。同氏によると、同じミクロネシアにあるキリバスのフェニックス諸島のサンゴ礁では、サンゴが200種類で魚が500種類であるのに対して、パラオではサンゴが385種類、魚が1300種類、と約2~2.5倍の種類が生息しているという。またジュゴンもおり、世界で初めてサメの保護区が設けられるなど、常にユニークな生態系を誇り、「多くの種類が東京都の半分ほどの小さな地域にいるということで『海の中の水族館』とも言われています」と話す。
パラオは島の数が586あるなか、人が住む島はわずか9つで、世界遺産に登録された島が445あるという。芝村氏はその中でもコロール島とペリリュー島の間にあるロックアイランドについて紹介。サンゴ礁が分解されてできた乳白色の泥が堆積しているミルキーウェイや、毒や針のないクラゲと泳げるジェリーフィッシュレイク、パラオを象徴する自然保護区の島である70アイランドなど、多彩なポイントとその魅力について説明した。「いろんな姿の海がパラオにあるということで、ダイビング客はもちろん、ダイビングをしない方でも安全かつ安心してパラオの海の醍醐味を味わっていただけます」と、改めてパラオの海が幅広い層の旅行客に訴求することをアピール。
また、パラオでは現在、新ブランド「Pristine Paradise Palau」を掲げている。芝村氏は「本来の自然のある場所ということで皆さまに伝えていこう、ということで展開しております」とブランドのコンセプトについて語った。
最後に同氏は、パラオで10月1日より導入予定の新しい税制について言及。「現在、税制について議論されているため、導入は10月1日ではなくおそらく2017年度以降になり、金額も当初より控えめになると思います」と話し、プレゼンテーションを締めくくった。
ハワイ:ホノルル高速鉄道が開業予定
ハワイのプレゼンテーションでは、ハワイ州観光局 セールスマネージャー 山口直人氏が日本からのハワイへの渡航者数とユーザーの傾向について紹介した。2015年度に日本からハワイに渡航したのは149万9167人で、前年比0.8%減という結果であり、2016年度4月までの最終統計はトータルで46万2035人、前年比2.6%増と説明。特徴的なのはリピーター率だといい、山口氏は「だいたいハワイに行く人の6割程度がリピーターという結果が出ております」と話す。
また、島別の渡航者数についてはオアフ島が44万人で、ハワイに渡航する日本人の90%以上がオアフ島に行くという結果を示しつつも山口氏は「最近の傾向としてはリピーターのなかにはオアフ島に行かない方、ネイバーランドと呼ばれる離島にのみに行かれる方が少しずつ増えております」と話し、渡航者に新たな傾向が生まれていると明かした。
また、プレゼンテーションではハワイの最新情報を3点紹介。1つ目は、グアムの説明でも出ていた自動入国審査端末だ。ホノルル空港では3月末から導入され、4月現在で32台設置されているという。パスポート読み取りや指紋認証、顔写真撮影、税関申告書の回答がすべて1台でできるようになっている。ただし、利用できる対象が2008年以降にアメリカに渡航したことがある人のみと制限がある。
2点目が2014年の12月に閉店しリニューアルが行なわれている「インターナショナルマーケットプレイス」が、8月25日に再オープンするというニュース。75店舗のショップ、9店舗のレストランが入り、高級百貨店である「サックス・フィフス・アベニュー」やビバリーヒルズ発のブランド「Robin's Jean」など人気店や話題店も入るとのこと。山口氏は「オープン直後は混雑すると思いますが、今後、話題のスポットになるかと思います」と話した。
そして3点目がホノルル高速鉄道の存在だ。新興住宅地であるカポレイからアラモアナ間をつなぎ、全21駅、32kmの路線になる。2018年末にまず先行でカポレイからアロハスタジアムまでの8駅で開業、アラモアナまで全線開業するのは2022年の予定。なお、この鉄道は空港もとおり、空港から「アラモアナセンター」まで約15分で到着する予定だという。
山口氏はプレゼンテーションで、ハワイ州観光局の2016年のプロモーション「有休ハワイキャンペーン」や、ハワイをもっと深く正しく知るための「アロハプログラム」を紹介。また、ハワイ州観光局公式ポータルサイト「Hawaii TV」が7月16日にドメイン名を「allhawaii.jp」に変えてリニューアルする予定だと説明した。
デルタ航空:ハワイとミクロネシア直行便の案内
セミナーの最後はデルタ航空 東日本代理店 営業部 セールスアカウントエグゼクティブの酒井昭仁氏が、デルタ航空のハワイ直行便および、グアム、サイパン、パラオのミクロネシア直行便のサービス内容について紹介をした。
ハワイへの直行便は成田・中部/名古屋・関空/大阪・福岡からホノルル空港へ運航。サービスとしては、ビジネスクラスに当たる「デルタ・ワン」とエコノミークラスにあたる「メインキャビン」、そして「メインキャビン」から追加料金で利用できる「デルタ・コンフォートプラス」の3種類を用意。
「デルタ・ワン」ではチェックインから搭乗まで優先サービスが受けられる「スカイプライオリティ」のほか、180度水平になるフラットベッドシートや全座席通路へのダイレクトアクセス、シェフ監修の洋食・和食が用意される。また全クラス共通で、機内オンデマンドサービス「デルタ・スタジオ」とWi-Fiが利用可能とのこと。
また、グアム、サイパン、パラオのミクロネシア直行便については、成田からグアムへは1日2本運航、成田からサイパンは1日1便、成田からパラオへは往路は火曜と土曜、復路が水曜と日曜の週2日運航されている。
サービス内容については「ファーストクラス」と「メインキャビン」、「デルタ・コンフォートプラス」の3種類が用意され、短距離路線のため個人モニターは用意されていないものの、Wi-Fiサービスを使い自分の端末で「デルタ・スタジオ」が無料で楽しめるようになっている。
冒頭で挨拶したデルタ航空の海貝氏は今回のセミナーについて初めての試みと話していたが、参加者にとってもリゾート路線のアップデートされた情報に触れる機会となったイベントになった。また会場では各観光局とデルタ航空によるワークショップも開催。各観光局のプレゼンテーションを見たセミナーの参加者が会の休憩時や終了後、ブースに立ち寄っていた。