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京成電鉄で成田山新勝寺へ初詣に行こう
大晦日~三が日は臨時ダイヤで運行。特典付き往復乗車券「成田開運きっぷ」でお得に小旅行
2016年12月24日 00:00
千葉県成田市にある、真言宗智山派の大本山「成田山新勝寺」。平和、家内安全、厄除け、交通安全などを祈祷する「成田のお不動さま」として、国内有数の参詣人を集める成田山新勝寺は、939年(天慶2年)、寛朝大僧正によって開山された。
本尊は不動明王で、炎に護摩木を投入して願いごとの成就を祈願する「御護摩祈祷」が特に有名だ。また、初詣に大勢が参詣するお寺としても広く知られており、毎年300万人を超える初詣客が訪れるほどだ。
その成田山新勝寺へ、東京方面から初詣に向かう場合の足として便利なのが京成電鉄だ。東京都心の京成上野駅や、JRとの乗り換え駅である日暮里駅から、成田山新勝寺の最寄り駅となる京成成田駅まで乗り換えなくアクセスできるのはもちろん、京浜急行、都営浅草線からの直通電車でも京成成田駅までアクセスできる。
また、快速特急を利用すれば京成上野駅から最速62分、日暮里駅からは最速58分と短時間で到達できる点や、運賃も京成上野駅から京成成田駅まで片道840円(交通系ICカード支払いで833円)と、懐に優しい点もうれしい。
隈取を模したヘッドマークを掲出する臨時シティライナー「成田山開運号」を運行
京成電鉄は、大晦日の2016年12月31日夜から2017年1月の正月三が日、そして2017年1月中の土曜・休日ダイヤ実施日に、シティライナーの臨時列車を、いかにも正月らしい特別な仕様で運行する。
この臨時シティライナーは「シティライナー(成田山開運号)」と銘打ち、京成上野駅から京成成田駅の間(京成本線経由)で、スカイライナーと同じAE型車両を使って運行される。AE型車両は、ゆったり座れるリクライニングシートを備えているので、快適に京成成田駅まで移動できる。車内にドリンクの自動販売機やトイレがある点もうれしい。
さらに、スカイライナー同様に全席指定となるため、確実に座って移動できる点も大きな魅力。初詣期間中は、臨時ダイヤで普通列車が京成成田駅まで延長運行となるなど、通常よりも多くの本数の列車が運行される。しかし、それでも普通列車や通常の特急などでは混雑が予想される。そのため、ゆったりと成田山新勝寺へ初詣に出掛けたいなら、シティライナー(成田山開運号)を使わない手はないだろう。
そして、もう一つの大きな特徴が、先頭車両に隈取を模したヘッドマークが掲出されるという点だ。隈取といえば歌舞伎でおなじみの独特の化粧だが、なぜ隈取を模したヘッドマークなのか。それは、成田山新勝寺と歌舞伎につながりがあるからだ。
隈取は、歌舞伎役者の初代市川團十郎が考え出して始めたものだという。そして、初代團十郎は、成田山の薬師堂で子授けを祈願し長男を授かったことや、不動明王をテーマにした舞台が大当たりしたことなどから、成田山に大神鏡を奉納。それ以降、市川家は屋号を「成田屋」にするとともに、現代に至るまで市川家と成田山新勝寺は深い絆が続いている。そういった背景や、おめでたい正月の臨時運行ということもあり、ヘッドマークとして隈取が選ばれたわけだ。
この先頭車両前面のヘッドマークは、12月31日に取り付けられることになっているため、記事執筆時では、まだこのヘッドマークの実際の勇姿は確認できていないが、勇ましい雰囲気になるのは間違いないので、乗車時には記念撮影も忘れないようにしたい。
シティライナー(成田山開運号)の停車駅は、日暮里駅、青砥駅、京成船橋駅の3駅のみだ。乗車には、運賃のほかに特急券が必要となり、特急券の料金は京成上野駅~京成成田駅間が950円、船橋駅~京成成田駅間が510円。
運行スケジュールは、大晦日の終夜運行時に運行されるシティライナー(成田山開運号)が、京成上野駅22時40分発、京成成田駅23時34分着の95号と、京成成田駅2時58分発、京成上野駅3時52分着の96号の2本を運行。
また、1月1日~3日と、それ以外の1月中の土曜・休日ダイヤ実施日には、京成上野駅09時02分発、京成成田駅10時00分着の81号と、京成成田駅15時16分発、京成上野駅16時14分着の82号の2本が運行される予定だ。
ところで、成田山新勝寺といえば、御護摩を焚く「御護摩祈祷」が有名だが、2017年1月1日から1月28日までの期間、毎日午前11時から「新春特別大祈祷会」という特別な御護摩祈祷が行われることになっている。そして、シティライナー(成田山開運号)を利用すれば、新春特別大祈祷会にも十分に間に合うので、初詣だけでなく新春特別大祈祷会に出掛ける場合にもお勧めだ。
なお、シティライナー(成田山開運号)の特急券は、京成電鉄の駅窓口や、インターネット予約サービス、またチケットレスサービスなどで乗車日の1カ月前から予約、購入できる。つまり、大晦日や正月三が日に運行されるシティライナー(成田山開運号)の特急券はすでに予約可能。乗車当日に駅窓口やライナー券売機で購入できるが、事前に満席になる可能性もある。もし、大晦日から正月三が日にかけて成田山新勝寺へ初詣を予定しているなら、今すぐの予約をお勧めする。
大晦日は終夜運行を実施するなど、年末年始は臨時ダイヤで運行
京成電鉄では、年末年始に臨時のシティライナー(成田山開運号)を運行するだけでなく、2016年の大晦日(12月31日)から2017年1月3日にかけて、臨時ダイヤでの運行を予定している。
まず、大晦日の夜から元日の朝にかけて、一部区間を除いて終夜運行を実施。運行区間は、京成上野駅から京成成田駅の間で上下線それぞれ9本ずつの普通列車を、約20~50分間隔で運行する。
また、都営浅草線から直通で、押上駅経由京成高砂駅までの普通列車も、上下線それぞれ10本ずつ、約20~40分間隔で運行。そのため、大晦日の夜から元日の朝にかけて、東京都心方面から成田山新勝寺に初詣に行く場合でも、問題なくアクセスできる。
元日から1月3日までの正月三が日には、通常京成上野駅から京成臼井駅間で運行されている普通列車、上下線それぞれ15本を、京成成田駅発着に延長する。この延長運行は、10時00分頃から12時00分頃、また13時30分頃から17時00分頃の間で定期列車と合わせて約10分間隔で運行されることになる。
特典付きの往復乗車券「成田開運きっぷ」でお得に初詣
京成電鉄は、東京方面から京成電鉄で成田山新勝寺へ参詣する場合にお得な切符を販売している。それは「成田開運きっぷ」というものだ。京成線の各駅から京成成田駅への往復切符で、通常の運賃よりもお得に往復できる。
お得となる額は乗車駅によって変わってくるが、例えば京成上野駅から乗車する場合、通常運賃の往復料金は1680円となるが、成田開運きっぷなら1450円と230円お得となる。それだけでなく、成田開運きっぷを提示することで、京成成田駅周辺や成田山新勝寺への参道などの約90の対象施設や店舗で、割り引きや粗品進呈といった特典が受けられる。対象となる施設や店舗はWebサイトにPDFで掲載されている。
そして、成田開運きっぷは年末年始もそのほかの期間同様に販売され、利用可能となっている。特急券を別途購入すれば、シティライナー(成田山開運号)も利用可能となるので、お得に成田山新勝寺へ初詣に行きたいなら、成田開運きっぷを忘れず利用したい。
成田開運きっぷは、京成成田駅と、成田スカイアクセス線の4駅を除く京成電鉄各駅の自動券売機で販売しており、購入当日のみの有効となっている。ただし、大晦日の12月31日に終夜運行の列車で出発して日が変わった1月1日の列車で帰ってくる、という場合には、1月1日の朝5時までであれば有人改札を利用することで通過可能だ。大晦日から元旦にかけて成田山新勝寺に初詣しようという人は覚えておくといいだろう。
1月7日以降の参詣には、お得なツアーもお勧め
お正月に成田山新勝寺へ初詣に行きたいと思っていても、仕事などで三が日はお参りに行けないという人もいるだろう。そういう人にお勧めしたいのが、京成グループが12月20日より販売している日帰りツアー商品「京成線・新京成線・北総線で行く 早春の日帰りツアー」だ。
この日帰りツアーは、千葉県への観光客誘致を目的とした、千葉県の地方創生加速化交付金事業の一環として実施されるもの。9月に販売された、「秋の日帰りツアー」と題した同様の日帰りツアーが好評だったことを受けて、第2弾として販売される。ツアーの催行期間は、2017年1月7日から3月12日(2月3日は除く)までとなる。
今回の早春の日帰りツアーは、いちご狩りや、佐倉のひなまつりイベントなども盛り込んだ、季節感あふれる10コースを用意。そのなかの1つとして用意されるのが「成田山新勝寺参拝と写経・精進料理体験」コースだ。
このコースは、京成上野駅、日暮里駅、押上駅、京成船橋駅の各駅を発着として、京成成田駅までの往復乗車券と、成田山新勝寺での写経体験、精進料理体験を組み合わせた日帰りツアーとなっている。
料金は、京成上野駅発着のコースで大人4100円、子供3130円で、これに成田山参道の指定うなぎ店や土産物店約20店舗で利用できる2000円分のクーポン券が付属する。
京成上野駅から成田開運きっぷを使い、京成成田駅まで往復した場合の運賃は合計2900円(大人)。また、成田山新勝寺での写経体験には初穂料が必要となるし、精進料理体験は写経大会に参加するなど、特別なタイミングでしか体験できない。そう考えると、写経体験や精進料理体験に、2000円分のクーポン券が付属して4100円なのだから、このツアーがどれだけお得か、よく分かってもらえるだろう。
なお、このツアーでは出発駅から京成成田駅までの往復乗車券のみが付属するが、別途特急券を購入すれば、シティライナー(成田山開運号)も利用可能なので、合わせての利用もお勧めだ。このほかにも全10種類のツアーが用意されているので、参詣だけでなく千葉方面への日帰り旅行にとてもお勧めだ。
京成成田駅からは、参道を散策しながら成田山新勝寺へ
京成成田駅に到着したら、徒歩で成田山新勝寺へと向かうのがお勧めだ。京成成田駅から成田山新勝寺までは、距離が1km少々、ゆっくり歩いて15~20分ほどの距離だ。バスも運行しているが、大晦日から正月三が日にかけては参道付近が交通規制され、多くの時間で参道周辺が車両通行止めとなる。大晦日の夜から正月3が日は初詣に訪れる大勢の参詣人でごった返すための措置だが、交通規制がかからないタイミングで参詣する場合でも、古くて味のある参道の街並みを楽しみながら、ゆっくり歩いて移動することをお勧めしたい。
参道のお土産物店や飲食店は、大晦日の夜や正月三が日も多くが営業している。初詣の行き帰りなどに、千葉名産の落花生や、落花生を活かしたお菓子、成田発祥のお漬け物「鉄砲漬け」などの特産品をお土産として買うのもいいだろう。
そして、成田で外せないのが、なんといってもうなぎだ。成田山新勝寺の参道には成田名物のうなぎを提供する店が多数あり、蒲焼きの香ばしい香りに満ちている。うなぎは秋から冬にかけてが旬で、この時期は脂の乗った美味しいうなぎを味わえるので、成田山新勝寺での初詣に合わせて、ぜひいただきたいところだ。
成田山新勝寺は大本堂まで途中階段があるが、別途スロープとエレベータでもアクセスできるようになっている。お年寄りや車椅子の利用でも、安心して参詣できるよう配慮されているのもありがたい。境内はとても広く、大本堂だけでなく「出世稲荷」や「光明堂」などさまざまな見どころ、お参りスポットがある。
併設されている成田山公園は、梅や桜、紅葉の名所としても知られているが、冬の木々が枯れ落ちた風情もまた味がある。初詣で訪れたなら、公園散策も合わせて楽しむと、より充実した時間が過ごせるはずだ。
隈取を施した「シティライナー(成田山開運号)」や、「成田開運きっぷ」「京成線・新京成線・北総線で行く早春の日帰りツアー」を利用して、便利でお得な成田山への小旅行を楽しんでみてはいかがだろうか。
(協力:京成電鉄株式会社)