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アムステルダム空港の新ラウンジを体験! KLMオランダ航空で快適&環境に優しい欧州の旅へ
- 提供:
- オランダ政府観光局
2019年12月25日 06:00
オランダの航空会社であるKLMオランダ航空は2019年10月7日に創立100周年を迎えた。
それを記念して同社とオランダ政府観光局が共同で実施したプレスツアーに参加してきた。前編ではオランダの観光スポットを紹介したが、後編ではKLMオランダ航空が継続的な成長を続けるための今後に向けた施策と、11月28日にアムステルダム・スキポール空港に新装オープンした「クラウンラウンジ」についてお伝えする。
KLMオランダ航空で行くアムステルダム・ロッテルダム
ヨーロッパ第3位のスキポール空港
KLMが拠点にしているスキポール空港はオランダの玄関口とも言うべき大規模ハブ空港であり、2018年の空港利用者数は7100万人、世界の空港で11番目に位置する(羽田は8690万人で5位)。ヨーロッパでは、ロンドン ヒースロー空港、パリ シャルル・ド・ゴール空港に続く、3番目に利用者数が多い空港だ。
運用する滑走路は6本あり、日本やアメリカなどの大陸や大洋をまたいだ長距離国際線のほか、近隣のヨーロッパ各地の空港とを結ぶ数多くの路線が就航している。特にシェンゲン協定を結んでいる国に行く場合は原則として再度国境検査なしで入国できるため、乗り継ぎに便利な空港としても知られている。空港の真下には鉄道が通っており、迷わず乗ることができる。アムステルダム中央駅までは約15分、ロッテルダム中央駅までは約25分ほどで着く。
KLMの新ラウンジは使いやすくて斬新なデザイン
11月28日に新しくなったKLMのラウンジは、正式名称が「非シェンゲンエリア クラウンラウンジ」。スキポール空港のEゲートとFゲートの間に位置している。エスカレーターで上がっていく際に約5000個のデルフトブルーのKLMオリジナルのミニチュアハウスが飾られ、ライトアップしたガラスの壁が目に飛び込んでくる。このミニチュアハウスはKLMワールドビジネスクラスを利用するとプレゼントされるもので、コレクションしている人も多いそうだ。ちなみに、コレクションを管理するためのAndroid/iOS用のアプリも用意している。
クラウンラウンジの面積は6800m 2 あり、約1000席を用意している。これは以前の2倍で、今後の搭乗客の増加を予想して席数を増やしたそうだ。ラウンジの2階には「Blue by KLM」エリアがあり、有料の「Blue Bar」と「Restaurant Blue」を併設している。こちらは約200席を用意する。ラウンジの特徴は5つのオランダの風景をイメージしてエリアが分かれているところで、それぞれコンセプトが決まっており、仕事、リラックス、リフレッシュ、食事、飲み物、娯楽、美食を楽しむなど、利用客のニーズに合わせた作りになっている。
ポルダーエリア
オランダの牧草地を思わせる、さまざまなグリーンの濃淡で構成されているモザイク模様のカーペットが敷かれたエリア。リラックスした雰囲気のなかで仕事ができるようになっている。110mのLEDライトウォールはオランダの空をイメージ。時間帯によって照明が変化し、日の出から美しい日没までを表現している。
シティエリア
活気があふれる街の風景をイメージしたエリア。調理したての料理が楽しめるほか、ハイネケンが特別にデザインしたハイネケンバー、バリスタ付きのコーヒーバーを楽しむことができる。新鮮な季節の食材や飲み物のコンセプトは、KLMのケータリング会社、Vermaat(フェルマート)が提案するもので、ラウンジでの食品のムダを減らすことにも注力している。
海エリア
旅行客が心身を充電するためのエリア。エリア内には大きめのソファやボックス型チェアが置かれており、ゆっくりと過ごせる。奥には無料のシャワールームが20室あり、休養を取りたい利用客には有料のスリーピングキャビンも用意されている。スリーピングキャビンの3時間の使用料金は、1万2400マイル(フライングブルーマイル)または49.50ユーロ(約5940円、1ユーロ=120円換算)。5時間の場合は1万8800マイルまたは75ユーロ(約9000円)となっている。将来的にはシャワーとスリーピングキャビンにQRコードを使用した予約システムを導入する予定だ。
ダッチマウンテンエリア
フロアをまたいで階段状にシートやテーブルを配置した、デザインが印象的なエリア。テレビルームから特別なイベントのDJスタンドまで、さまざまなワーキングスタイルや娯楽のオプションを利用者に提供する。オランダのデザインや、KLMの歴史的な資料も展示されている。階段状の下の部分には喫煙室が設けられている。
スカイエリア
2階に位置する特別なエリアで、レストラン「Restaurant Blue by KLM」、バー「Blue Bar」を用意している。さらに利用客のニーズに応えて設置したテラスがあり、目の前にはKLMの機体が並ぶ壮観な景色を楽しむことができる。レストランのメニューは、アムステルダム国立美術館のミシュラン星付きレストランである「RIJKS」のシェフ、Joris Bijdendijk氏が監修している。いくつかの料理を試食させてもらったが、どれも見た目が美しく、美味しくいただけた。
環境に優しい航空会社を目指すKLM
2019年10月7日に創立100周年を迎えたKLMは、今後も航空業界が発展していくために、地球環境や社会に優しい企業を目指している。1990年代より熱心に取り組んでおり、環境マネジメントを実施するための規格であるISO14001を航空会社として初めて取得している。
国際社会共通の目標として掲げられているSDGs(持続可能な開発目標)では、2015年から2030年までの長期的な開発の指針として17の目標が設定されている。KLMでも「7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「8 働きがいも 経済成長も」「9 産業と技術革新の基盤を作ろう」「12 つくる責任 つかう責任」「13 気候変動に具体的な対策を」の項目を重視して課題の解決に取り組んでいる。
具体的には、新型機材導入による使用燃料の削減、バイオ燃料の導入、グランドオペレーションの改善などにより炭素ガスの排出量を減らすというもの。例えば、航空機は重量が増えれば飛行時の燃料消費量も増えるので、積み込む荷物は極力減らすようにする。使用する水の量を路線に合わせて搭載し、荷物を積み込むトレイを軽量なものに変更するなどの施策がとられている。ペーパーレス化も重要な項目だ。
運航や整備面では、滑走路から移動する際に使用するエンジンを1基減らす、最適化した航路を飛ぶ、エンジンの洗浄などを行なう。化石燃料に代わるバイオ燃料の導入も積極的に行なっており、2009年のデモ飛行を皮切りに、年々着実にフライト数を増加させている。現在はアムステルダム~ロサンゼルス間を毎日、バイオ燃料を使って運航している。また、廃棄物とされたプラスチック、紙、ガラス、金属、カーペット、ユニフォームも積極的にリサイクル/再利用している。
こうした、すでに始めている取り組みから、実現を目指してプロジェクトを進めている電動飛行機の導入などまで、今後も2030年に向けて環境に配慮した企業活動を続けていくとのことだ。
帰りは創設者の名前が付いた機体に搭乗!
プレスツアーの日程はあっという間に終わりに近づき、オランダを去る時間が刻々と近づいてきた。スキポール空港から成田空港まではKL861便を利用する。
機材は往路と同じくボーイング 777-200型機だが、撮影していると機体の前方横に名前が記されているのに気付いた。調べてみると、777-200型機にはそれぞれ世界遺産の名前が付けられているそうだ。驚いたのはそのなかで唯一の例外である「Albert Plesman(アルバート・プレスマン)」の名前になっていたこと。
Albert PlesmanはKLMの創設者であり、KLMが最初に導入した777型機ということでこの名前が付けられた。創立100周年に創設者の名前が付いた機体に乗るというのも感慨深い。ちなみにボーイング 787型機には花の名前が付けられている。もちろん、導入初号機は「ひまわり」。
帰りの便の座席はエコノミークラスより広めのエコノミー・コンフォート席を利用した。こちらはエコノミークラスの前方に40席用意されており、足元が10cmほど広くなっている。しかしこの10cmで足元のゆとりははっきり違いがあり、とても快適に過ごせた。
今回の旅では、オランダのアイコンとも言える風車から、国民にもこよなく愛されているゴッホが鑑賞できる美術館、先進的なデザイナーが集まるアイントホーフェン、近代的な港湾都市であるロッテルダムにおけるさまざまな取り組み、KLMのサステナビリティに触れることができた。スキポール空港の利便性が高さも印象的で、次にヨーロッパを訪れる際も再びKLMを利用したいと感じた。