若林直樹のトラベルフォトギャラリー

日昇る二見興玉神社と伊勢神宮(三重県)

 2021年の初詣は新型コロナウイルス感染防止のため、多くの寺社が分散参拝を呼びかけている。私自身、時期を見てゆっくり参拝したいと考えている。

 今回紹介するのは、一昨年訪れた伊勢神宮と二見興玉神社だ。伊勢市から北東方面の伊勢湾に面した位置にある二見興玉神社は、日の出ごろにお参りするのがベストだ。前夜に近くの旅館に宿泊し、日が昇るころ参拝するのがよいようだ。

 ここには日の出遥拝所があり、小さな鳥居の向こうの海には夫婦岩がある。その向こうの水平線のかなたから昇る日の出は、神々しく辺りを照らしてくる。遠くに富士山が見えることもあるという。まさにインスタ映えするスポットである。

 境内で多く見られる蛙の石像は、「皇大神を御日の神と崇めた時代に、日の神に谷蟆々(タニググ=ヒキガエル)を献じた」などと伝わっており、現在では「無事かえる」などの意味で縁起物とされ、観光客の目を楽しませている。

 日の出ごろに二見興玉神社を参拝したら宿で朝食を取り、電車で2駅の伊勢市に移動。まず伊勢神社外宮を参拝してから内宮を参拝するのがよいとされている。ご存じのように伊勢神宮は正式名を「神宮」といい、2つの宮、天照大御神を祀る皇大神宮「内宮」と豊受大御神を祀る豊受大神宮「外宮」がある。

 敷地内にはこれら2つの宮を中心に125もの宮と社がある。その2つの宮を合わせれば5500ヘクタールの広さで東京ドーム1200個分になるという(神宮林含む)。すべてを見て歩くのには広大過ぎるが、主要な場所ならば1日かけて歩くことができる。森の中を散歩しながらの神社巡りでとても心地よいし、今回は早咲の桜にメジロが迎えてくれた。

 点在する宮と社は、歴史が古く当時の様式のままの建築物が多く、それを見るのも楽しい。数が多いので観光ガイドに案内し解説してもらうのもよいだろう。ここでは「観光ガイドの会」があり、交通費と昼食以外は無料で案内してくれる。年末年始はお休みだが、せっかくならばガイドしてもらいながら参拝すれば勉強にもなる。一度はお願いしてみるのもよいだろう。

 二見興玉神社へはJR参宮線「二見浦駅」から徒歩で約15分。伊勢神宮には名古屋や京都方面からJRと近鉄線で「伊勢市駅」に行ける。駐車場があるので、ハイシーズンでなければクルマでも大丈夫だ。

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若林直樹(STUDIO海童)

雑誌、広告等の仕事の傍ら、ライフワークとして自然や癒される空間を求めて国内外を旅している。撮影対象はICチップからアフリカ象まで幅広い。デジタルカメラは1995年からコンパクトからプロ機までテストレビューに携わる。自宅ではフェレットをこよなく愛し、現在2匹と暮らしている。いつかフェレットの写真集を出そうと企み中。HPはhttp://kaido.sub.jp/