トラベルアプリレビュー
徒歩や車でのナビ機能も利用可能、オフラインで使える地図アプリ
「MAPS.ME」
(2015/9/21 00:00)
- アプリ名:
- MAPS.ME
- 開発者:
- My.com
- 価格:
- 無料(2015年9月20日時点)
- 対応OS:
- iOS 7.0以降/Android 4.0以降
「MAPS.ME」は、オフラインでも使える日本語対応の地図アプリだ。利用したいエリアを中心とした地図データをあらかじめローカルにダウンロードしておくことで、電波が届かないエリアや、機内モードに設定した状態でも地図が利用できることが特徴。今回はAndroid版を紹介するが、iOS版も用意されている。原稿執筆時点での最新バージョンは「5.0.3」。
地図アプリとしての基本的な使い方は、Googleマップなどと大きくは変わらない。すなわち、地名を入力して当該のエリアを表示したり、拡大して詳細な情報を得ることができる。GPSがオンの状態であれば、ワンタップで現在地周辺の地図を表示したり、移動するたびに地図上での現在地を追従することも可能だ。このほか、お気に入りの地点を登録できるマイロケーション機能や、徒歩もしくは車でのルートを乗り換えするナビ機能も備える。
本アプリの最大の特徴は、これらがオフラインで動作することだ。アプリを導入した時点で利用できる地図は一定の倍率までで、詳細な表示のためには当該エリアの詳細データを個別にダウンロードする必要があるが、電波状況がわるいエリアでの利用のほか、航空機内で機内モードをオンにした状態でも参照できるのが強みだ。タブレットのWi-Fiモデルなどモバイル通信機能がないデバイスにダウンロードして屋外で利用するといった用途にも使えるし、外出先で通信量(通信費用)を抑えたいというニーズにも合致するだろう。
無料で入手できるオフライン地図アプリの多くは日本語表示に対応しないが、本アプリは日本国内はもちろん、海外でも地域によっては日本語で表示される。オープンソースの地図データを使用しているため、施設名などの充実度はGoogleマップなどに比べると劣るが、それでも駐車場やガソリンスタンド、レストランなど、手がかりとなるアイコンはしっかりと表示されており、十分に実用的なレベルに達している。
機能や使い勝手は無料のオフライン地図アプリの中でも際だって優れており旅行中にも重宝するが、Googleマップなどと比べて不足する機能もある。
例えば住所検索ができないこと。都道府県や市、区までは検索の対象となるが、それよりも詳細な住所は表示されない。市や区まで表示させたあとはドラッグして探すか、あるいは最寄りのランドマークや通りの名称、駅名やバス停名などで検索するといった工夫が必要になる。その際、当該エリアの追加データをインストールしておかなければ検索できないことにも注意が必要だ。ナビ機能が徒歩と車にしか対応せず、電車移動には使えない点も気をつけた方がよいだろう。
またオフライン地図の宿命として、ストレージの容量を消費するのも注意する必要がある。本アプリの地図データはエリアごとに細分化されているため、一括ダウンロードが必要な同種アプリに比べると容量は少なくて済むが、それでも数百MB単位で容量が必要になる。Androidの場合、設定画面にデータをメモリカードに移動できるメニューもあるので、なるべく容量に余裕があるストレージ領域を使用するとよいだろう。