SIMフリースマホで海外SIMを使おう!

マカオ「CTM」

自動販売機でお手軽入手、最速70Mbpsを超える快適な通信環境

マカオの世界遺産、聖ポール天主堂跡。大勢の観光客で常にごった返している

 マカオ(中華人民共和国 マカオ特別行政区)では、4社の通信事業者が携帯電話サービスを提供しているが、今回はマカオ最大の通信事業者「CTM」が提供するプリペイドSIMを取り上げる。

 マカオでは、香港からのフェリーが到着するフェリーターミナルやマカオ国際空港などにプリペイドSIMを販売する自動販売機が設置されており、旅行客が簡単に購入できるようになっている。CTMのプリペイドSIMもそうした自動販売機で入手できる。今回は香港から到着したフェリーターミナルに設置されている自動販売機で購入した。

 自動販売機で販売されているCTMのプリペイドSIMには、

  • 有効期限3日間でデータ通信容量無制限(高速通信は1GBまで、通話は残高22MOP分で55分)
  • 有効期限7日間でデータ通信容量無制限(高速通信は3GBまで、通話は残高12MOP分で30分)
  • 有効期限30日で480MBまでのデータ通信(通話は480分)

の3種類があった。

 3製品とも高速LTE通信に対応しているが、有効期限3日間の製品は高速データ通信は1GBまで、有効期限7日間の製品は高速データ通信は2GBまでとされている。販売価格は、有効期限3日間の製品と、有効期限30日間で容量480MBの製品が100MOP(マカオパタカ、約1450円、1MOP=約14.5円)、有効期限7日間の製品が200マカオパタカ(約2900円)。今回は、3泊4日の日程だったため、余裕をもって有効期限7日間の製品を購入した。

マカオフェリーターミナルにあるプリペイドSIMの自動販売機。通信事業者ごとに異なる自動販売機が設置されている
こちらがCTMのプリペイドSIM自動販売機。CTMのロゴを目印に探せばいい
有効期限3日間と7日間のデータ通信無制限プランの製品と、有効期限30日間で容量480MBの製品が販売されていた
3泊4日の日程だったため、念のため有効期限7日間のデータ通信無制限プランの製品を購入。購入価格は200マカオパタカ(約2900円)

 利用時には、SIMカードをスマートフォンに装着したあとに、利用したいプランのコマンドを入力することで初期設定が完了する。対応する形状は、1パッケージでSIM、microSIM、nanoSIMのすべてに対応しているため、利用するスマートフォンを問わないのはうれしい。

 実は、自動販売機で販売されているCTMの容量無制限プリペイドSIMは、購入時にはプランが選択されておらず、購入時の金額がチャージされた状態となっているだけなのだ。そして、有効期限3日間のデータ通信無制限プランの料金は78MOP、有効期限7日間のデータ通信無制限プランの料金は188MOPに設定されており、選択したプランのコマンドを入力すると、チャージされている購入金額からプラン料金が差し引かれて利用可能となるわけだ。有効期限7日間の製品でも、3日間プランを選択できてしまうので、そこは注意したい。

 有効期限7日間プランを利用する場合には、ダイヤルを起動して「#163*7#」と入力して発信すればいい。しばらくすると、プランが有効になったことを知らせるSMSが届き、データ通信が可能となる。

 APNは「ctmprepaid」と設定すればよいが、今回利用したSIMフリースマートフォンの「HUAWEI P9」では自動的にAPNが登録され、メニューから選択するだけでよいので簡単だった。IDやパスワードなどの設定は不要だ。

SIMカードの形状は、SIM、microSIM、nanoSIMすべてに対応している
利用時には、まずSIMカードをスマートフォンに装着
SIMカードを装着したスマートフォンから、利用したいプランのコマンドを入力することで利用可能となる
今回は7日間プランを利用するため、ダイヤルで「#163*7#」と入力して発信した
発信後しばらくすると、選択したプランが有効化されたというメッセージが届き、データ通信が利用可能となる
APNは「ctmprepaid」に設定。HUAWEI P9では自動的にAPNが設定され、メニューから選択するだけだった

 CTMが提供しているLTEサービスの周波数帯域は、1800MHz(Band3)と2300MHz(Band40)の2種類。このうちBand3は日本で販売されているSIMフリースマートフォンならほぼ間違いなく対応しているので、問題なくLTEでデータ通信が行なえるはずだ。なお、今回利用したHUAWEI P9は、Band3、Band40どちらも対応しているので、CTMのLTEサービスをフルに活用できる。

 LTE接続時のデータ通信速度は、大型リゾートホテル室内の奥まった場所などでは、上り/下りともに5Mbps前後に落ちる場面もあったが、おおむね10Mbps前後の速度が発揮されており、快適なデータ通信を行なえた。Googleマップの閲覧や、SNSへの写真の投稿、Webでのマカオ観光情報のチェックなどに活用したが、通信速度が遅くイライラする場面は皆無だった。

 マカオ中心地の屋外では、下り70Mbps、上り26Mbpsと非常に高速な速度が発揮される場面もあり、LTE通信品質は十分に優れると感じた。マカオは面積が29.5km2と狭く、データ通信を妨げるようなものは建物ぐらいで、中心部やIR(統合型リゾート)など一般的な観光客の行動範囲内でデータ通信が行なえない場所はほぼないと思われる。実際、今回の滞在期間中にデータ通信が行なえずに困る場面はなかった。自動販売機で手軽に購入できるという点も合わせ、マカオを訪れる際のデータ通信手段としてお勧めしたい。

 なお、フェリーターミナルにある自動販売機での購入は現金のみとなっている。通貨はMOP(マカオパタカ)だけでなく、香港ドルも利用可能。香港ドル利用時のレートは、1香港ドルが1マカオパタカとなるので、100マカオパタカの製品は100香港ドル、200マカオパタカの製品は200香港ドルで購入可能だ。

ポルトガル人が初めて足を踏み入れた場所と言われている「媽閣廟(マーコーミュウ)」。見通しのよい場所で、高速な通信速度が発揮された
媽閣廟で計測した通信速度の結果。下り70Mbps、上り26Mbpsと非常に高速で、WebアクセスやSNSの利用も非常に快適だった
このように、高層ビルが林立するマカオ中心部でも、問題なく高速なLTE通信が行なえた
今回使用したプリペイドSIMの情報

キャリア名:CTM
購入価格:200マカオパタカ(約2900円)
カードの種類:SIM、microSIM、nanoSIM
対応周波数帯域:LTE:1800MHz(Band3)/2300MHz(Band40)、3G:900MHz/2100MHz
APN:ctmprepaid
滞在時期:2016年11月上旬
使用デバイス:ファーウェイ「HUAWEI P9」

(平澤寿康)