地元誌編集長の「ハワイ現地発」

【ハワイ現地発】予約も料金も不要。頂上までまっすぐ一本道の絶景ハイク! ココヘッドトレイルに挑戦

 オアフ島南東部、シュノーケリングで有名なハナウマ湾の向かいにそびえるココヘッド。ダイヤモンドヘッドと同じく火山活動でできたクレーターの山で、その頂上を目指す「ココ・クレーター・レイルウェイ・トレイル」は、島内屈指の人気トレイルとなっている。

山頂までまっすぐ続く登山道
線路の跡地の枕木に沿って登る

 このトレイル最大の特徴は、頂上へ向かって一直線に伸びる急勾配の一本道! 第二次世界大戦中、監視所へ物資を運ぶためのトロッコ線路として使われた名残で、古い枕木がそのまま階段のように続いている。段数はなんと1000以上。

 距離は往復で約1.6マイル(2.6kmほど)、標高は1200フィート(約368m)。個人差はあるが頂上まで30分から1時間ほど。ちょっとハードだけど、頂上から見る360度の絶景を臨むために挑戦する価値は大いにある。

登り終えたときのご褒美はこの景色!

 午後は気温が高くなるので、今回は太陽が昇り切る前の午前中に登ってきた。ワイキキからのアクセスはクルマやバスが便利。ハワイカイ方面へ向かい、クルマの場合はココヘッド・ディストリクト・パークの一番奥の駐車場に停めよう。

広いココヘッド・ディストリクト・パークをひたすら奥へ進んで駐車しよう

 駐車場から山の方へ歩いていくと登り口につながる道が見える。そこには注意を促すサインがある。

駐車場の奥に登り口がある
登山に関する注意事項のサイン

 注意事項として、登山道は整備されておらず、危険であること(実際に事故も起きている)、シューズ、日焼け止め、水分補給を促している。日陰もないので帽子も忘れずに。両手をふさがないようにショルダーバッグやリュックを用意していこう。

登山口まで舗装された道を進む

 山の麓に立ち、頂上までまっすぐに伸びる登山道を見上げ、意を決したらいざスタート!

本当に一本道!

 368mと聞くと「あまり高くない」と思うかもしれないが、実感としてはこれがなかなかの高さ。最初は比較的なだらかな傾斜が続く。そして徐々に角度が上がっていく……。

急勾配となっていく登山道

 線路の幅とあって一部はすれ違うのもやっとというほど狭く、登る人と降りる人が譲り合うことになる。ゆっくり休憩しながら、自分のペースで上を目指そう。

途中で振り返ると、こんな景色が
頂上までカウントダウンしながら登る

 まもなくすると、枕木の下が空洞になっているスリリングなポイントに出くわす。足を踏み外すと枕木の間から落ちる可能性もあり「非常に危険!」というサインが。バイパスの案内の方へ進むと迂回できるのでくれぐれもムリのないように。

このまままっすぐ進むと50段ほどは「橋」状態の危険な登山となる
バイパスを利用すると一般的な登山道の迂回路に進むことができる

 ここら辺で振り返ってみると……。アメリカ人なら「ワォ」と思わず叫ぶような雄大な景色が広がっていた。

眼下に広がる景色と急な傾斜を実感

 上を見上げると……。まだ先は長い。こまめに休憩して水を飲んで、もうひと頑張り。まわりもそれぞれで、途中で休んでいる人もいるし、トレーニングとしてピョンピョンと登っていく超人もいる。

上りもきついけれど、すれ違う人を見ると下りもきつそうな予感

 一歩ずつ、一歩ずつ、登っていくと、ついに頂上が見えてきた! 頂上から下って来た人たちから「Almost there!(もうすぐだよ!)」と温かく声を掛けられ、励まされる。

頂上が見えた!
まもなく山頂へ!
PU`U MAIは「この丘へようこそ」というような意味らしい
ハワイカイの街、遠くにダイヤモンドヘッドも見下ろせる

 と、ここでさらに先に階段があることに気付いた。その瞬間、休んでいたおじさまに「まだここは半分地点だよ!」と言われ、思わず顔が引きつる私に「冗談だよ!」と。ホッ。

ほんの少しだけ進むと山頂へ

 気を取り直してさらに上に行ってみることに。すると小さな展望台が現われた。ここからまさに360度のパノラマビューが広がっていた。

左にあるのが山頂の展望台

 ハワイカイ、ハナウマ湾、ダイヤモンドヘッドからサンディビーチまでつながる海岸線、地上からは決して見ることができない山の尾根に並ぶ住宅街など島の自然と人々の暮らしも含め、オアフ島の南岸一帯を見渡せた。日の出、日の入り、冬はクジラも見られるだろう。

サンディビーチからマカプウにかけてのショアライン
ワイマナロ方面の山の尾根と住宅街

 山頂で絶景を堪能したら下山へ。目指すは「次の目的地」。

分かってはいたけれど下りも急だった!

 途中には再びスリリングな枕木地帯があるので、右の“スケルトン枕木”か、左の迂回路か、自分の体力と相談しながら安全に下ろう。

下り道も注意を促すサインがある

 無事に下山。Good Job!!と自分を労ったら、「次の目的地」へ! すぐそばにある「ココマリーナ・ショッピングセンター」。ここは数々の飲食店やショップが集まる住民の憩いの場となっている。

 プランAは、「コナ・ブリューイング・カンパニー」で乾杯! 山頂から見ていたマリーナを目の前に、喉の乾きを潤す冷えたドラフトビールは最高のご褒美になる。

地上は落ち着く~と思いながら乾杯
空腹だったのでガッツリ系をオーダー

 プランBは、「ジャンバジュース」でビタミンチャージ。トロピカルフルーツを中心にフレッシュな果物や野菜でジュースやスムージーを作ってくれる。

中に入れる食材をチェックして注文を
元気がチャージされていくのが分かる美味しさ!

 プランCは両方。ビールのあと、デザート感覚でジャンバジュースという贅沢なチョイスもありだろう。いずれにしても、朝に出かければ、トレイルしてひと休みしても、まだお昼過ぎ。1日が充実すること間違いなし。

 現時点ではココ・クレーター・トレイルは無料で、事前予約も不要。公園の駐車料金もかからない。天気を見てから出掛けることができる絶景スポット。次のハワイで挑戦してみてはいかが?

山頂の展望台から
大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。