地元誌編集長の「ハワイ現地発」
【ハワイ現地発】ノスタルジックな街カイムキへ。小さな名店が集う“地元愛”エリアを歩く
年一度のイベントも開催
2025年11月29日 08:00
東京には、銀座、渋谷、青山、代官山、大久保……と、挙げればキリがないほど個性のまったく違う街が無数にある。一方ハワイは、ワイキキ、アラモアナ、ワード&カカアコをはじめ、各居住地にあるショッピングセンターを中心に街が栄えている。
そんななかで、大型ショッピングセンターを持たず、小さな店が密集し、活気あふれるスモールタウンがある。ワイキキからクルマで約15分のカイムキだ。この地域で生まれ育った人や、縁のあった人たちが店を構え、住民が日常的に通うという深い地元愛の絆で街が成り立っている。今回は、そんなカイムキを歩いてみよう。
ちなみに、毎年ホリデーシーズンに街を上げてイベント「キープ・イット・カイムキ・サタデー」が開催され、今年はこの週末11月29日(現地時間)に行なわれる。30軒以上の参加店で当日限定セールや特別プロモーションが実施され、ライブエンタテイメントや無料トロリー運行などもあり、街全体がお祭りモードになる。
街歩きの基本となるのが、メインストリートのワイアラエ・アベニュー。緩やかな坂道に沿って、小さなショップが建ち並ぶ。カフェ、各国料理のダイニング、クラフトビールバー、ベーカリー、マラサダ店、B級グルメやベントー店、雑貨屋、アパレル、ヨガスタジオ、スリフトショップ……。小径に入ると、さらに店がぎゅっと集まっている。
まずは、ワイアラエ・アベニュー沿いに10月移転オープンしたばかりの「ザ・ピッグ・アンド・ザ・レディ」。チャイナタウンの超人気ベトナム料理店で、オーナーシェフのアンドリュー・レイ氏が、かつて父親の店があった思い出の地・カイムキに戻ってきた。フレンチの技法にハワイ食材を取り入れたモダンベトナム料理を、カジュアルに楽しめる。
次に立ち寄ったのは、坂を下って右手にあるジュエリーショップ「ホノルル・ピアシング・カンパニー」。インパクトと愛敬のある店主が迎えてくれた。繊細で多様なデザインのピアスがショーケースに並び、価格帯は「65ドルから6000ドルまであるわよ!」とのこと。ピアスホールの施術も行なっている。
そのまま坂を下ると、コーヒー専門店「ビーンアバウトタウン」が見えてくる。ワイキキのDFSにも店があるが、ここカイムキが本店。来年には拡張予定だという。ルーツをたどると、実は2005年ロンドン発祥の店で、7店舗まで展開したあと、オーナーのオリヴィエさんがコーヒーへの情熱を携えて奥さんの地元ハワイへ移住。2018年にカイムキで店を開いた。「豆からカップまで」を掲げ、コーヒー生豆を調達して焙煎する新鮮なコーヒーとヨーロッパの感性を添えたフードを提供する。筒状の紙ボックス入りコーヒー豆、ロゴ入りのTシャツ、エコバッグなどはお土産にも喜ばれる定番アイテム。
そこから少し歩いて、こぢんまりした入口の「アイランドボーイ」へ。「毎日の暮らしをもっと楽しくするアイテムを厳選して販売する」をコンセプトに、ラグジュアリーな革製品や上質なアパレル、コスメ、ジュエリー、食器、文房具など雑貨の販売のほか、レイのオーダーやワークショップも実施するダイバーシティショップだ。
かなり坂道を下ったのでこの辺で横断歩道を渡り、反対側へ。今度は坂を上がりながら、右手のカフェ「プラントエム」でひと休み。個人的に、このカフェの南国植物に囲まれた癒し空間を目当てにカイムキへ来ることも多い。
一歩入ると、まずジャングルがお出迎え。これらの植物の販売、ワークショップなども行なう植物と寄り添う店で、その奥に進むとカフェが出現する。
カプチーノ(5ドル)、ラテ(5.50ドル)、ハニー抹茶ラテや香ばしいほうじ茶メープルラテ(各6.50ドル)など、どれもうれしいカイムキ価格。ゆっくり過ごすならハーバルティーポット(9ドル)もお勧め。
お茶したあと、もう少し坂道を上がると右手に見えてくるのが、ピザ専門店「ブリック・ファイヤー・タバーン」。もともとはダウンタウンにあったが、数年前にカイムキへ移転。ニューヨーク出身のオーナー、マシューさんがナポリのピザに魅了され修業を経て、現地からピザ窯を取り寄せた本格派だ。この日通りかかると、マシューさんが客と並んでカウンターに座っていた。その雰囲気はすっかりカイムキの人だった。
以前取材したときに聞いた、小麦粉選びから生地作り、焼き加減までのこだわりは今も健在。ここのピザはハワイでも上位に入ると思う。つい先日もオーダーして持ち帰ったばかりだ。
最後に、もう一軒カフェを。長年「コーヒートーク」として親しまれてきた店が、数年前に「トーク」へ改名し、昼はコーヒー、夜はカクテルを楽しめる店へと進化した。変わらないのは、今も街の「おしゃべりの場」であること。私の知人にも常連が多い。
昔ながらののんびりした雰囲気が漂う、どこかノスタルジックなカイムキ。ゆっくりと散策を楽しんでみてはいかがだろう。













































