ハワイ現地発

【ハワイ現地発】オアフ島在住編集者オススメのハワイ島ステイ ~半分は暮らすように、半分は旅するように過ごす~ Vol.1

 ハワイ旅行といえばオアフ島という印象が強いが、隣島も魅力が詰まっている。オアフ島に暮らす私が「バケーションはどこへ行きたいか?」と聞かれれば、いつも答えるのは「ネイバーアイランド」。島ごとに雰囲気も文化もまったく違うのハワイの島々はどこへ何度行っても発見がある。

 今回は4月に1週間ステイしたハワイ島について、どんな過ごし方をしたかをシェアしたい。コンドミニアムに滞在し、半分は暮らすように、半分は観光を楽しんで、改めてハワイ島の魅力にハマる時間となった。

ハワイ島コナ空港に到着。いつだってこの瞬間は旅の始まりにわくわくした気持ちになる

 ハワイ島はビッグアイランドとの愛称があるように、とにかく広い。オアフ島はクルマを1時間強走らせればワイキキから島の最北端のノースショアまで着くが、ハワイ島はコナからヒロまでは片道で2時間半くらいかかる。島中のいたるところに観光スポットがあるが、よくばりな旅はオススメできない(その場合はツアーに参加しよう)。

溶岩台地と海のコントラストもハワイ島を象徴する風景

 レンタカーを借りるかどうか? やはりあった方が便利。カイルア・コナの中心部に滞在して、移動はUber(時間帯によるが空港間は25ドルくらい)か、観光は送迎付きツアーにして、ホテルやコンドミニアムでゆっくり過ごすなら、必要ないかもしれない。

カイルア・コナの街には路面店や小さなショッピングセンターが点在する

 今回、コナ空港(エリソン・オニヅカ・コナ国際空港)に到着したのが10時半。チェックインは16時。それまでの時間を活用するなら、キラウエア火山を見に行くのもグッドチョイス。

 昨年12月23日に噴火して以来、10回以上噴火を繰り返していて、タイミングが合えば真っ赤な溶岩が300mの高さまで噴き上げられるのを見られる。いつ噴火するかを予想するのは困難だが、USGS(米国地質調査所/ハワイ火山観測所)のWebサイトではマグマ(だと思う)の観測を折れ線グラフで随時更新している。右肩上がりのグラフが噴火によってガクンと下がるというので、それを見つつ「そろそろではないか?」と願って行ってみた。

 まずは、ダニエル・K・イノウエ・ハイウェイでヒロの街を目指してランチをすることに。ヒロは日系人をはじめ、多様な人種がコミュニティを築いてきた歴史ある街。時間があればこの街を散策するのもオススメだ。

ドライブ中の景色。マウナケアの山裾を見ながら大陸を思わせる広大な土地のなかの一本道をひたすら走る
雨が多いヒロの街だがこの日は青空が広がっていた。ロコモコ発祥の店とされる「カフェ100」

 カジュアルなランチなら迷わず「ケンズ・ハウス・オブ・パンケーキ」。

ケンズ・ハウス・オブ・パンケーキ。駐車場が広いので停めやすい

 1971年創業のファミリーレストランで、朝食の定番であるオムレツやエッグベネディクト、パンケーキ、ロコモコ、ハンバーガー、照り焼き、サイミンなど、ハワイのローカル料理が揃う。空腹ならオックステールシチューを(28.95ドル)。トロトロのオックステールを存分に味わえる。1日を通して地元の人が気軽に通う店で、店の人たちもフレンドリー。この地域の日常を体感できるだろう。

初めて訪れても落ち着くファミリーレストラン(会計は席でなくレジへ)
これぞハワイのロコの味。チリボウル(10.95ドル)とロコモコ(15.95ドル)

 お腹を満たしたら、ハワイ火山国立公園へ! ヒロからさらに45分ほどのドライブとなる。

 ついに到着したキラウエア火山。まだ噴火にいたらず、ハレマウマウ火口からもくもくと煙が立ち上っていた。公園の入り口でもらったマップで現在地を確認しながら、煙に最も近いウエカフナという展望台まで行ってクルマを停めた。

水蒸気が立ち上るハレマウマウ火口。この2日後に噴火した

 噴火したのはこの2日後で、10時間後にピタッとそれが止まったという。結果的に言えるのは、赤い溶岩が噴き上がっているのを見るならボルケーノのインスタグラムをチェックすること。噴火した際にアップデートされ、注意点なども記載される。知人はハワイ島に滞在中、インスタを見てからクルマで駆けつけたと言っている。とはいえ噴火はいつ終わるか不明なので、間に合えば見ることができる。

溶岩台地に力強く咲くハワイ固有種オヒアレフア。この花にまつわる神話も有名

 火山をあとに、滞在先のカイルア・コナへ。島の西にある空港から東側まで島の真ん中あたりを移動してきたので、西側に戻る際は島の南に沿った道を通るとまた違った景色に出会える。

 南へ行くなら、翌日朝食用のパンを島の最南端……というより、アメリカ最南端のベーカリーで買ってみてはいかが? 黒砂海岸で有名なプナルウにあるその名も「プナルウ・ベイクショップ」。その先に、サウスポイントというアメリカ最南端の岬がある。

広い敷地内に建物があり、外にはテーブルも設置されている

 マラサダもあるが、シグネチャーはほんのり甘くてやわらかなパン。個人的なイチ押しはココナツフレーバー。小さく刻んだココナツが入っていて、ハワイの味と香りを楽しめる。

アメリカ最南端のベーカリー
常ににぎわう店内にはお土産も売っている
タロ芋やココナツなど多様なフレーバーが揃う(一斤5ドル前後)
アイスクリームも人気。写真はコナコーヒー味

 このまままっすぐカイルアコナに行ってチェックインしたのがだいたい17時。空港を10時半に出て、島の下半分を半周してこのくらいの時間となる。

4月のコナは太陽が海に沈む様子を眺められる

 2日目、滞在がホテルであってもコンドミニアムであっても、オススメしたいのはファーマーズマーケットだ。例えばカイルア・コナにはメインストリートのアリイドライブに「カイルア・コナ ビレッジ・ファーマーズマーケット」がある。水曜から日曜まで毎日7時から16時までオープンしているので立ち寄りやすく、以前より規模は小さくなったが、旬で新鮮な野菜やフルーツ、お土産品などが売られている。

朝7時のオープン後にぞろぞろと人が集まってくる
ハワイらしいお土産を売っている店もいくつかある

 全体的にオアフ島よりもリーズナブルなのがありがたい。トマトやマッシュルームの産地として有名なハマクア(ワイメア)の野菜や、採れたてのマンゴーやパパイヤ、ロンガン(ライチに似ている)などハワイ島の自然の恵みは本当に美味しい。

新鮮な果物や野菜がオアフ島よりも低価格で売られている
地元の人は花を買っている人も。コンドに長期滞在ならぜひ!
衣類からアートまでハワイのお土産も揃う
部屋に飾るだけでハワイを思い出せるグッズ

 朝のもう一つの提案は、散歩。日中は観光客でにぎわうカイルア・コナの街も、朝は散歩やジョギングをする人がいるくらいでとても静か。すれ違う人には「Good Morning!」と軽くあいさつをしよう。オアフ島よりもゆっくり時間が流れるハワイ島は、みんなが笑顔であいさつを交わし、気持ちいい1日のスタートとなるから。

街に人が少なくて清々しい朝の散歩
道の両脇には歴史ある建物も。王家の宮殿の一つ、フリヘエ宮殿
ハワイ最古の教会とされる、モクアイカウア教会
街のなかに小さなショッピングセンターがいくつもある

 もう少し買い出しをしたい場合は、「アイランド・ナチュラルズ・マーケット&デリ」へ。

健康志向ならきっと離れられなくなるスーパーマーケット
価格が高騰しているハチミツが相場より安価で販売されていた

 オアフでいえばホールフーズマーケットのような自然派スーパーなのだが、やはり全体的にリーズナブル。野菜や肉、デリのほか、ハワイ産のチョコレートやコーヒーやハチミツ(ハワイ島産が低価格だった!)も種類豊富に並んでいるのでお土産にも最適。

毎日外食では胃袋もお財布にもキツいのでデリを活用したい
多種多様のハワイ島産コーヒーがずらりと並ぶ

 夕方に行きたいブリュワリーも一軒ご案内しよう。ハワイ島のビール醸造所「オーラ・ブリュー」。缶ビールはオアフ島のスーパーマーケットでも購入できるが、ブリュワリーはハワイ島のコナとヒロにしかない。

街のなかからは歩くと30分ほどかかる傾斜地にある
カウンター席のほか、テーブル席、アウトサイド席も

 リリコイ(パッションフルーツ)やパイナップル、ライチ、ドラゴンフルーツ、コナコーヒー、バニラなど南国の味わいを感じるビールを堪能できる。リリコイ・ライム・ミルクシェイクIPAは新鮮なリリコイを使うので季節限定だが、甘酸っぱいフルーツが芳醇に香るIPAだった。ポーターが好きならキアヴェ・バニラ・ポーターをオススメしたい。優しい苦味とチョコレート、キャラメル、バニラの甘い香りのバランスが素晴らしい一杯。

キアヴェ・バニラ・ポーターとリリコイ・ライム・ミルクシェイクIPA。どちらも飲みやすいがアルコール度数は6.8%!
チキンウィングやインゲン豆のフライ、ピザなどフードメニューも充実している。価格帯は10~20ドルくらい

 旅先では一つ一つの行動に感動があると実感した今回の旅。次回は、オススメビーチ、ツアー、ドライブ&街めぐりなど日中の過ごし方編。Stay tuned!

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。