大城和歌子の沖縄グルメ&スポット

沖縄食材×韓国料理で心も体もハッピーに

 いいことがあった日や臨時収入があった時など、自分だけのちょっとしたスペシャルデーに行きたい店がある。今回紹介する韓国料理店「ミセス・ハン」は私にとってそんな場所だ。

テーブル席には無煙ロースターを設置。お一人様はカウンター席がオススメ
写真手前がハンさん。金髪ショートヘアーがトレードマークの、とびきり明るいステキな女性。アップの写真をお願いしたら恥ずかしがって応えてもらえませんでした(苦笑)

 東京で30年以上に渡り韓国料理店で腕をふるってきたハンさんが沖縄出身の旦那様とともに2012年にオープン。東京・自由が丘でハンさんのお兄さん夫婦が営む店の沖縄店となる。

 厨房はハンさんが担当し、フロアを旦那様が担当する。アットホームで、ひとりでも家族連れでも気軽に行ける雰囲気だ。

 ハンさんのこだわりは、沖縄の食材を使うこと。肉も野菜も、この土地で育まれた恵みをこの土地で活かしたいという思いだ。

 地元のものを使えば新鮮なものを新鮮なまま提供でき、素材の味を存分に活かすことができる。

 ただ、唐辛子は韓国産のものを取り寄せているのだそう。沖縄には「島唐辛子」という小ぶりの地元産のものがあるが、韓国料理、特にキムチを作るには思いどおりの味にならないそうだ。

 また韓国産の唐辛子も原型のまま取り寄せるのは難しい。輸送に時間がかかるため新鮮なものが提供できないからだ。そのため、調理用に乾燥・粉砕されたものを取り寄せている。「生の青唐辛子を使えたらほかにも出したい料理があるのだけど…」と、ハンさん。

手作りキムチは本格派の韓国風味。白菜、大根、キュウリがある。持ち帰り用のパックも販売。単品500円、3種盛1000円

 ミセス・ハンのメニューは辛い料理だけではない。一番人気の海鮮チヂミは子供にも人気があり、外はカリッ、中はふっくらとした焼き加減が絶妙。春雨の炒めもの「チャプチェ」も甘辛の味付けで大人にも子供にも人気だ。

韓国産春雨炒め「チャプチェ」は野菜たっぷり、甘辛風味で子供にも人気。700円

 この日はかねてから気になっていた韓国うどんを賞味。芋で作られた麺はつるつるシコシコしていて、今まで食べたことのない食感だ。たっぷりの野菜と唐辛子の辛さ。辛いもの好きにはたまらない。

 かなりボリュームがあるので完食するのに時間がかかったが麺がのびない!なかなか根性のある麺だ。

 韓国料理は焼肉メインの肉中心のイメージがあったが、実は野菜をたっぷり使うヘルシーな料理だということに気付く。

 しかも唐辛子をたっぷり使うので、カプサイシン効果で新陳代謝もよくなる。

 私がミセス・ハンに来たくなるのは、ハンさんの料理が体を喜ばせてくれるからなのかも知れない。気分が上がっているから体の調子も上げたいと、無意識に体が求めているのかな。

野菜たっぷりの韓国うどん。辛い物好きな方には超オススメ!かなりボリュームがあるのでシェアするのがよいかも。900円
こちらは海鮮チヂミ

 さて、もう1つ特筆しておきたいことがある。

 実は旦那様の前田達也さんはプロのミュージシャン。1970年代に「サンディエゴ」というバンドでプロデビューし、東京を拠点に活動していた。バンド解散後もプレーヤーとして、またプロデューサーとして活躍。1990年代にはウルトラマンシリーズの主題歌も手がけていた。

 ミセス・ハンでも音楽イベントが開催されたり、音楽好きが集まって音楽談義に花が咲いたりする。

前田達也さんは、若手からベテランまで多くの人がリスペクトするミュージシャン。ホテルなどからの出演依頼も絶えない

 12月5日には、毎年恒例の達也さんプロデュースの音楽イベント「ハッピーロックストック」が開催される。地元バンドを中心に繰り広げられる、飲んで食べて踊れるまさに音楽の宴。この時期に沖縄に来られる方はぜひチェックを!

ハンさんご夫婦の愛犬・ハッピーちゃんに会えるのも楽しみの1つ。とてもお行儀がよく、人懐こい
店舗情報
店名ミセス・ハン
所在地沖縄県那覇市久米1-3-10
TEL098-943-6810
営業時間17時~24時
定休日不定休

大城和歌子

横浜生まれのウチナーンチュ二世。東京での出版社勤務を経て1998年11月に沖縄移住、フリーのライターとなり「和歌之介」のペンネームで活動。主に音楽系記事を得意とし、沖縄インディーズの隆盛を間近で体感した。自らも音楽活動をゆる~く展開。現在、那覇市内でレコードバー「リンドウ」を営んでいる。