ボーカリスト琴音の音楽旅
冬の大塚で満腹食べ歩き&ピアソラライブで心はホットに温まりました
2024年2月24日 08:00
主にヨーロッパ音楽を歌う歌手として活動している私ですが、それがきっかけでたくさん海外に行くようになり旅好きになっていきました。
私はアルゼンチン出身の作曲家「アストル・ピアソラ」の楽曲を歌うようになり何度も勉強のためアルゼンチンに行っています。
そして今回、日本のタンゴ歌手であるKaZZma(カズマ)さんが大塚でピアソラのみを歌うライブをやるということで、これは聴きたい!となり、ついでに気になっていた大塚のお店で食べ歩きもしちゃお~と冬の大塚にお腹を空かせて行ってきました。
有名過ぎるおにぎり店「ぼんご」にて大人気おにぎりをテイクアウト
大塚といえば、やはりおにぎりの有名店「ぼんご」に行かなきゃでしょう!と初めてのぼんごにウキウキと向かったらやはり長蛇の列。
しかし、お腹が空いていたので待っている間に食べようと「名匠たこ焼き上木家」のたこ焼きをテイクアウト。たこ焼きを食べつつ並んで待っていたら、テイクアウトなら予約ができるとのこと。大塚のほかのお店も行ってみたいし、ここで1時間並ぶより予約をしてほかのお店も回ろう、とテイクアウトでおにぎりの予約をしました。
おにぎりの予約は電話などでは受付はなく、直接来店で当日の混み具合で予約の待ち時間も変わるそうです。
すじこ+しゃけ、卵黄+肉そぼろのおにぎりを1つずつ予約しどこか散策に行こうとしたらなんとすぐにできあがり、ほとんど待たずにおにぎりを受け取れました。お店のなかでもいただいてみたかったですが、テイクアウトだと並ぶよりも早く食べられる可能性があるのでこのやり方もオススメです。
さて、肝心のおにぎりは塩気の効いたすじことしゃけはご飯の握り具合が柔らかくてご飯が絶妙に口のなかで解けていきます。すじこの塩気が強く、しゃけで緩和されるところもあるのでこの2つの組み合わせが人気があるのがよく分かりました。続いて卵黄+肉そぼろは甘辛い味付けの肉そぼろとトロトロの卵黄。
これ嫌いな日本人いる?というくらい醤油のコクと卵黄のコクが混ざり合ってジャパン最高!と思わず心のなかでガッツポーズしてしまいました。
絶品牛カツにさくさく最中(もなか)をいただき、食べ歩きに火が付いちゃいました
続いて、駅の反対側のが気になって南口方面へ。道中で見つけた「肉のハヤシ」のたくさんの素敵な切り絵に魅かれて吸い込まれるようになかへ。
どうせならお惣菜を食べたいな~と思ったら「牛カツ」の文字が。コロッケなどの定番もよいけど、お肉屋さんの牛カツが気になり過ぎて気付いたらお金を支払っていました。
注文をしてから衣を付けて揚げてくれるので、店内で待っている間にたくさんの切り絵を鑑賞。すごく素敵な作品ばかりでなんて作家さんだろう?と思ったら、なんとお店のご主人の作品でした。
美しい切り絵を眺めながら牛カツの揚がる音を聞く、なんとも至福の時……、なかなかないシチュエーションですよね。揚げたての牛カツは驚きの大きさ、一口頬張ればまさにジューシー! 肉汁の洪水が口内を襲ってきます。
この襲撃に耐えれるか! 飲まれるか! 陥落~~!と脳内で戦いながらこんなに美味しいなら落ちてもよいわ、と開き直りあっという間に完食してしまいました。
続いて、そのすぐお向かいの和菓子店「千成もなか」に。できたての最中を自分であんこを挟んで作れる「さくさく最中」と「栗もなか(おぐら)」を注文。
こちらはイートインスペースがあり、お茶まで用意してあるので軒先のお茶屋さん気分で買ったお菓子をすぐに食べられます。
自分で最中にあんこを挟んでみるのも、あんこの粘度をしっかり感じられて楽しいです。しかも食べると本当に最中がパリッパリでめちゃくちゃ美味しい! 感動の美味しさに続いて、栗もなかも皮がしっとりしていてこの食感もまたいとおかし……!
すっかり満腹の胃を温かいお茶でなだめつつ、もう少し近隣を散策してみることにしました。
タイムスリップしたようなレトロな喫茶店でコーヒータイム、またしてもたこ焼きを食べてしまいました
散策しているとのすぐそばにレトロな雰囲気の喫茶店「いちこし」を発見して、そのレトロさにノックアウトされ即入店。店内の照明など、なかはもっと素敵でテンション上がりまくり。
ブレンドコーヒーを注文し、クラシックの流れる店内で満腹のお腹をしっかりと休憩させて……。外に出たらまた美味しそうなたこ焼き屋さんが。
出汁で食べる、というところでさっきはソースのたこ焼きを食べたし、これは別腹!と「八はち」に入店し店内で「スープたこ焼き」と塩で食べる「素焼きたこ焼き」、自家製という「こだわり梅りんご酢ソーダ」を注文しました。
なんとも言えない出汁の効いたトロトロの素焼きたこ焼きに、スープたこ焼きは秘伝のスープが美味しい! お腹いっぱいなのにスルスル入ってしまいます。いつからたこ焼きは飲み物になったんでしょうか。
こだわり梅りんご酢ソーダも少し塩気が効いていて、たこ焼きのよい相棒となり相乗効果でさらに胃がパンパンに。にしても大塚は美味しいたこ焼き屋さんが多く、お酒が飲めるスタイルなところもうれしい。今度はたこ焼き飲み歩きもしたいなぁとウキウキしながらライブハウスへ向かいました。
食事も美味しいライブハウス、大塚GRECOで本格的なピアソラの音楽を演奏を堪能
この日の本丸、大塚GRECO1(グレコ)でのピアソラ特集ライブ。ピアソラというのはアルゼンチン出身の作曲家で、タンゴをベースにいろいろな音楽を取り入れて、自由な発想でたくさんの曲を作ったバンドネオン奏者でもあります。
バンドネオンというのはアコーディオンの仲間のような楽器ですが、細かい面でいろいろと違いがあります。ドイツ発祥の楽器ですが、ヨーロッパ移民の多いアルゼンチン、ブエノスアイレスでタンゴ音楽が発祥し、その演奏で用いられたことからアルゼンチンタンゴといえばバンドネオン!というイメージが定着しました。
ピアソラの曲のなかでも「リベルタンゴ」という曲が世界的にも一番有名でたくさん演奏されています。タイトルの意味は「自由なタンゴ」となりますが、「タンゴ」という言葉が使われているためアルゼンチンタンゴといえばピアソラ、というイメージがある方も少なくないと思います。
しかし、厳密にいうと「アルゼンチンタンゴ」と「ピアソラの音楽」は別物になります。アルゼンチンタンゴがクラシック音楽とすると、ピアソラの音楽はクラシックをロックアレンジした音楽のようなイメージです。ベースにクラシックはあるのだけど、モノとしては別物なのです。
というわけでこの日のライブはタンゴミュージシャンがピアソラのみを取り上げる、という少しめずらしい企画になります。しかも演奏曲ではなく歌が入って、となるとこれは世界中を探してもなかなかめずらしい企画なのです。
友人のKaZZma(カズマ)さんは素晴らしいタンゴ歌手なのですが、この日のライブは期待以上の素晴らしさでした! ピアソラの楽曲の素晴らしさはもちろんでしたが、バンドの皆さんの演奏力、KaZZmaさんのスペイン語タンゴ歌唱の素晴らしさ。
私は前回のブエノスアイレス滞在でアルゼンチン人タンゴ歌手のレッスンを受けただけに、よりその歌声の素晴らしさを実感しました。
会場の大塚GRECOのお料理もとっても美味しくて、満腹だったのにカレーを頼んでペロリと完食。よい音楽にアルゼンチン産のワインも次から次へとグラスが空いてしまいました。
お腹いっぱい、耳も幸せで帰路に着きました。大塚という街にはほかにもディープで美味しそうなお店がたくさんあり、またすぐにでも再訪したいです。
忙しいとなかなか旅行に行くのは大変ですが、近場でも1日しっかりと散策してみるとおもしろいところを発見できることが多いです。
少しずつ暖かくなってきた今日この頃、遠出じゃなくても楽しめる場所を散策してみるのはいかがでしょうか。