ボーカリスト琴音の音楽旅
秩父本町通りはレトロ建築の宝庫! 秩父グルメとコンサートの旅
2023年1月28日 08:00
去年の秋に期間限定で開催されていた秩父ダリア園にクルマで行き、都心からアクセスがよく日帰りでも楽しめる秩父は私のお気に入りスポットです。
ダリア園に行く以前も、両神山のトレイルランニング大会に参加したり、なにかと秩父を訪れていた私。しかし、毎回山にばかり行っていて、街中にはほとんど行ったことがありませんでした。
私は普段歌手として活動をしていて、ヨーロッパの音楽やジャズなどを歌っています。そして、ある日秩父の「読書クラブ」というところでコンサートの依頼が舞い込んできました。秩父好きな私はもちろんすぐにOK。というわけで、先日1月15日の読書クラブでのコンサートと一緒にいただいた秩父グルメ、素敵なレトロ建築の日帰り旅の様子をご紹介します。
西武鉄道「特急ラビュー」に乗り、カラオケもある書店「読書クラブ」を目指します
朝からコンサートの出演ミュージシャンで西武池袋駅に集合し、ずっと乗ってみたかった西武鉄道「特急ラビュー」で西武秩父駅に向かいます。乗車前から写真を撮りまくり、建築家・妹島和世氏監修のデザインに惚れ惚れ。
ラビューが走っているのを何度か目撃しましたが、走っている姿はまるで宇宙船のような未来感がありこれまたカッコイイのです。停車している姿も前から見たお顔の曲線も素敵だし、大きめの窓が近未来的でデザイン性の高さにうっとりしてしまいます。
ラビューに乗車すると黄色い座席で明るい印象、そして大きめの窓は景色が見やすくて一般的な電車よりも開放感がすごい! 閉塞感がなく旅気分が高まります。……って、今回はコンサートで歌うお仕事のために向かっているのです。というわけで、ピアニストさんに譜面をチェックしてもらったり、軽い打ち合わせをしながら車内の雰囲気を楽しみました。
読書クラブ到着! まずはファミリーレストラン「みのり」にて秩父名物をいただきます
今回のコンサート主催者さんが秩父駅まで迎えに来てくださり、クルマで読書クラブに向かいます。読書クラブは本町通り(国道299号)にある書店なのですが、なんと2階はカラオケ&レンタルスペース「歌の仲間」として営業しているんです。
1階は雑誌から書籍の取り扱いがあり、絵画が多くある芸術的な雰囲気の書店です。が、入り口すぐの階段で2階に上がると、さらにさまざまな絵画が飾られているカラオケ&レンタルスペースが登場。グランドピアノや電子ピアノがあるお部屋もあるので、練習スタジオとしての利用もできます。
ミュージシャン楽屋に荷物を置き、カラオケのお客さまの歌声がかすかに聴こえてきます。本も買えるしカラオケもできる、すごいお店です。
荷物を置いたあとは腹ごしらえに同じ本町通りにあるファミリーレストラン「みのり」へ。ラーメンから洋食、バラエティに富んだメニューに目移りしつつも、今回は前回の秩父旅で食べそこねた「わらじカツ」の入った「秩父ぶた祭り丼」を注文しました。
こちらは秩父名物のわらじカツと豚みそ焼きを同時に味わえるMIX丼です。私の顔ぐらいはある!? 味付きのわらじカツに焦げ目のついた味噌みそ焼きが最高にセクシー。ご飯少なめにしてもらいましたが、すごいボリュームです。
わらじカツの味付けは甘辛いタレで、ウスターソースのようなスパイスの香りがしないので豚みそ焼きの味と喧嘩せず調和の取れた世界を保っています。お互いが助け合いながら生きる優しい世界を丼のなかに見ました。
添えてあるマヨネーズが仲人のように2人を取り持って、いい仕事してますね。前回の秩父旅で唯一心残りだったわらじカツを食べられて感無量でした。
古い建物を改装した新たな魅力たっぷりの本町通り。小さな洋菓子店「spoon」にて激ウマケーキ購入
秩父名物グルメを堪能し、ふと気付くと古い建物をリノベーションしたお店がチラホラあることに気が付きます。
元薬屋さんだった建物がカフェになっていたり、レトロ好きには堪らない本町通り。そのなかで小さな洋菓子店「spoon」はグリーンの外観がひときわ目を惹き、オーラを放っていました。
今回はテイクアウトでケーキを購入しましたが、テラス席での飲食も可能です。店内に入るとメルヘン好きの血が騒ぐどころか逆流しそうなくらいかわいい。ケーキもかわいい、内装もかわいい……。
なんと言っても昔はこの建物は洋服店だったそうで、その頃の引き戸が今も使われているのがレトロ好きとしては大興奮。ステージ後の楽しみとして、ミュージシャンそれぞれケーキを選んで演奏に臨みます。
蔵を改装したギャラリー「音のひかり」にて月に1回の無料コンサート、古書に絵画、音楽となんとも贅沢な空間
ケーキ購入後は読書クラブ駐車場すぐの蔵を改装したギャラリー「音のひかり」に向かいリハーサル。FAZIOLI(ファツィオリ)というイタリアメーカーのピアノに、さまざまな絵画に彩られたホール。
レトロな雰囲気に絵画がマッチして、さらには古書まで置いてあります。昔の本って装丁がカッコよくて置いてあるだけでも素敵ですよね。
肝心の本番のステージは、シャンソンやカンツォーネ、ジャズなど色んな曲を歌い、たくさんのお客さまにお越しいただきました。初めましての方も多かったのですが皆さま温かく迎えてくださり、さらに秩父が大好きになりました。
こちらのコンサートはなんと入場無料で行なわれており、月に1回この音のひかりで開催されています。雪の可能性のある冬季は不規則開催なので、お電話での問い合わせが確実です。
主催者の方は秩父に文化的な活動を、とこのコンサートを企画しているそうで、少しでも多くの方が気軽に楽しめるように無料にしているそうです。
ジャズやシャンソン、カンツォーネなどのポピュラー音楽を中心に東京の色んなミュージシャンが出演しています。
ぜひお近くの方はこのコンサートに足を運んでみてはいかがでしょうか? プロミュージシャンの生演奏は迫力があり、一聴の価値がありますよ。
ステージ後の打ち上げで、最後まで秩父本町通りを満喫しました
ステージ終演後はパブ「Four Nir(フールニール)」に移動して打ち上げ開始! カラオケのある店内で、出前で取っていただいた「宝来鮨」の握り寿司を堪能。えっ、埼玉って海あった?というくらい美味しい。まさかの海なし県でこんなに美味しいお寿司を食べられるなんて、驚きました。
美味しくお寿司をいただいたあとは、ステージ前に購入した「spoon」のケーキをデザートにいただきました。私は金柑とキャラメルのタルトをチョイス。
これがまた目を瞑って昇天してしまいそうな美味しさ。しばらく浸っているとヴァイオリンの吉久さんに「美味しいんだね!」と言われるほど私の心はどこかに行ってしまっていたようです。
美味しい食事に舌鼓を打ち、打ち上げを満喫して帰りの特急ラビューに乗り込みます。行きは憧れのラビューにテンションが上がりはしゃいでいましたが、帰りは我が家のようなリラックス感。
トイレも広々とオムツ替えスペースや着替えまでできて、車椅子対応もしているのでさらに感心してしまいました。心地よい疲労感とともに帰路につき、今までは秩父の自然に触れることが多かったですが、今回は文化的な側面や素敵なレトロ建築に触れることができました。
何度訪れても飽きることのない秩父、次はお祭りにも参加してみたいですね。行くたびに新たな魅力を発見する秩父で、次はどんな旅になるか今から楽しみです。