JALふるさとアンバサダー/応援隊に聞く地域愛

大河ドラマも話題! 紫式部ゆかりの地「宇治市」の話題スポットをJALふるさとアンバサダーがレポートします!

JALふるさとアンバサダーに地域の取り組みを聞いた。回答者は京都府JALふるさとアンバサダーの山本めぐ美さん

 全国各地に拠点を持つJALは、地域活性化の取り組みを継続的に実施してきており(現在は「JALふるさとプロジェクト」)、2020年8月には社内公募で選ばれた客室乗務員が現地に移住して、それぞれの地域での取り組みを推進する「JALふるさとアンバサダー」を発足しているほか、同12月には乗務しながら地域活性化に携わる「JALふるさと応援隊」を任命している。故郷や縁のある地域に対して、客室乗務員として培ってきた知見を活かした商品開発や地域課題の解決などを展開する狙いがある。

 今回お話を聞いたのは、京都府で宇治市の注目スポットを紹介するJALふるさとアンバサダーの山本めぐ美さん。

――取り組みについて教えてください。

 先月からついに放送が始まりました、NHK大河ドラマ「光る君へ」。ドラマでは源氏物語の作者「紫式部」の生涯が描かれていきますが、京都府宇治市は「紫式部ゆかりの地」の一つであることをご存じでしょうか?

 全編54帖にもおよぶ世界最古の長編物語と言われている源氏物語。そのラスト10帖は宇治の地を主要舞台として描かれており「宇治十帖」と呼ばれているのがその所以です。

 平安時代において宇治は貴族たちの別荘地の一つだったそうです。都のたつみ(平安京から見て東南の方角、という意味)に位置するこの風光明媚な土地にきっと多くの人が心を癒されたのでしょう。

 多くの現代作家にも翻訳され、今なお読み継がれている源氏物語。締めくくりの地として選ばれた宇治には、日々の喧騒を忘れさせてくれる風情ある景色、歴史や文化が感じられる建造物があります。

 今後より一層盛り上がるに違いない「京都府宇治市」の魅力を、大河ドラマ放映開始を機にJALふるさとアンバサダーがお伝えしたいと思います!

――この取り組みにはどのように関わっているのでしょうか。

 今回「平安時代にタイムスリップ」「宇治ならではの体験」をテーマに、宇治市観光協会 兼井さま、宇治市役所産業観光部 田島さまにエスコートいただき、2つのスポットを巡ってまいりました。宇治観光のヒントにしていただけるとうれしいです。

秋には素晴らしい紅葉の景色が見られる「宇治市源氏物語ミュージアム」

 こちらは「宇治市源氏物語ミュージアム」です(京阪宇治駅から徒歩8分)。

 寝殿造を模した館内には、平安貴族たちの生活様式を垣間見ることができる「平安の間」、宇治十帖に焦点をあてた「宇治の間」があります。ストーリーを分かりやすく解説した「物語の間」もあるので、源氏物語を読んだことがなくとも十分に満喫することができます。

 老若男女問わず楽しく学べる体験型コーナーが充実していることも特徴の一つです。

 例えば「源氏香(げんじこう)」。簡単にお伝えすると「香りを聞き分ける遊び」で、5種類の香りを組み合わせた図には源氏物語各帖の名が付けられています。館内にはこうした知的好奇心をくすぐる仕掛けがまんべんなく散りばめられており、訪れる人を飽きさせません。

身体を動かしながら学べるコーナーも。一体何をしているところでしょう?
同行してくださった兼井さま、田島さまとともに源氏香にチャレンジ! 真剣です
平安時代に生まれた「ひらがな」。こちらの人文字、読めますか?
光源氏の邸宅「六条院」にまつわる人々が分かりやすく解説されています

 映像展示室、定期的にテーマが変わる企画展、図書室などもあり、まさに平安時代や源氏物語の世界に浸ることができる場所です。カフェも併設されており、落ち着いた雰囲気のなかで宇治抹茶を使用した美味しいスイーツをいただくこともできます。

 平安時代から令和に戻り、次にご紹介するのは「お茶と宇治のまち歴史公園」です(京阪宇治駅から徒歩4分)。

春から夏にかけて、周囲は鮮やかな新緑に包まれます。後ろに見える建物は「交流館」です

 2021年10月にオープンして以降「茶づな」という愛称で親しまれています。

「宇治のお茶が1本のつなのようにたくさんの人と歴史をつなぐ」そのような大切な想いを込めて、宇治市内の高校生が名付けました。

 交流館内のミュージアムは、お茶の歴史・種類・工程・関わる方々など、お茶についてのすべてが網羅されています。老舗の抹茶スイーツやお茶をお目当てに宇治にいらっしゃる方も多いはず。「茶づな」で楽しみながら知識を蓄え、皆さまのお茶体験や宇治観光をより豊かなものにしてみませんか?

お茶ミュージアムへの入り口

お茶の種類が分かりやすく紹介されています
壁一面にお茶のトリビアが! 「宇治市内の小学校では蛇口からお茶が……!?」続きはぜひ現地で

 お茶のまち宇治ならではの体験プログラムも充実しています。

 今回は数あるプログラムのなかから、外国人観光客の方々にも好評の「和紙から選ぶ! オリジナル茶筒づくり」にチャレンジさせていただきました。

 用意された茶筒に和紙のシールを貼るだけ……かと思いきや、まったくそんなことはありません! 詳細は実際に体験した方のお楽しみとなりますが、随所にお茶や日本文化へのリスペクト、伝承していくという気概、おもてなしの気持ち、サービス精神が込められた心踊る1時間でした。ぜひ一度体験していただきたい充実のプログラムです!

今回教えてくださった主任学芸員の中畑さま。笑顔が素敵な太陽のような方でした
オリジナルのマイ茶筒が完成! 個人はもちろん団体さまでもご予約可能です。中畑さま、楽しい時間をありがとうございました

 できあがったマイ茶筒を見るたび、宇治での特別な体験に思いをはせることができ、「茶づな」という愛称に込められた意味を実感します。

――今後の展開・展望について教えてください。

 大河ドラマの影響も相まって、両施設とも来館者数がさらに増えているそうです。

 そして、いよいよ3月11日からは交流館の2階会議室で「光る君へ 宇治 大河ドラマ展 ~都のたつみ 道長が築いたまち~」が始まります(実施期間は2025年1月13日まで)。

 平安時代に思いをはせ、源氏物語の登場人物たちの足跡をたどる。そのような宇治への旅はいかがでしょうか。大河ドラマをより深く楽しむことができるきっかけになるかもしれません。ドラマをご覧になっていない方も、これを機に宇治茶文化ひいては日本文化に興味を持っていただけるとうれしいです。

「お茶と宇治のまち歴史公園」は、ゆったりと流れる宇治川沿いに位置しています。園内にはお茶の木がたくさん植えられており、春にはお茶摘み体験もできるそうです。四季折々の特色を持つ宇治市。その魅力を引き続き皆さまにお伝えしていきたいと思います。

――旅行者に向けてメッセージをお願いします。

冒頭でご紹介した「宇治市源氏物語ミュージアム」内コーナー

 宇治市内には「平等院」「宇治上神社」という世界遺産があります。

 さらに「日本茶800年の歴史散歩」として、宇治市を含む京都府南部8市町村に所在するお茶に関係する文化財、歴史的経緯は日本遺産に登録されています(日本遺産:文化庁が認定する、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーのこと)。

 大切な歴史的財産を有する宇治市にて文化的体験をしてみませんか? 一年を通じてさまざまなイベントも実施されております。皆さまのお越しを心よりお待ちしております!