週末駅弁

上野駅「チキン弁当」

「チキン弁当」

 かつて都心から北へ向かう多くの列車の始発駅として「北の玄関口」と呼ばれたのが上野駅です。平成の序盤に東北新幹線が東京まで延伸、平成の終盤に上野東京ラインが開通し、今では多くの長距離列車の通過駅の1つとなってしまった感もありますが、今回はそんな上野駅で購入した「チキン弁当」です。

 東京オリンピックが開催され、上野駅が北の玄関口としてにぎわっていた1964年(昭和39年)に発売されたというロングセラー駅弁で、上皇陛下も好まれたということでも有名だそうです。

ケチャップライスと鳥唐揚というシンプルなお弁当
1964年(昭和39年)の登場したロングセラー駅弁

 オレンジのチエック柄に取っ手のついたバスケット風のパッケージのなかには、トマト風味ライスと鳥唐揚、野菜のピクルスといたってシンプル。一応、表記された原材料名はそうなっていますが、ご飯はいわゆるケチャップライスで、淡くてやさしい味付けです。上にドライトマトのオイル漬けとグリンピース、スクランブルエッグが添えられていています。

 唐揚げには醤油(だと思う)っぽい下味が付いていてます。小袋に入ったレモン果汁が添付されているのでお好みでどうぞという感じ。袋入りのスモークチーズもついてます。ピクルスもお酢のツンとした感じのないやさしい味で、全体的にやさしい感じのお弁当です。

ケチャップライスの上にはドライトマトのオイル漬けとグリンピース、スクランブルエッグが添えられています
鳥の唐揚の肉にはしっかりとした下味が付いています
ピクルスは酸味を抑えたやさしい味
レモン果汁とスモークチーズ
取っ手を立てればチキンバスケット風のパッケージになります

 量はそれほど多くはないのでガッツリ系の人には少々足りないかもしれませんが、食の細い女性や子供でも食べきれるサイズというのも、このお弁当のキャラクターにあっているような気がします。

「チキン弁当」は発売から57年、さすがに発売当時そのままの味ではないとは思いますが、それでもどことなく昭和の風情も感じます。都心の多くの駅で販売されているものではありますが、昭和の東京というくくりでそれもアリかと思わされる駅弁でした。

「チキン弁当」

価格: 900円
販売駅: 上野駅
購入場所: JR上野駅 改札内 駅弁屋上野中央改札店
購入日: 2021年11月23日