週末駅弁

九度山駅「おむすびセット」「柿の葉寿司」

「おむすびセット」(左)、「柿の葉寿司」(右)

 南海電鉄高野線の九度山駅は、常駐の駅員がいない無人駅ですが、駅舎では自家製おむすびなどを販売する売店「おむすびスタンド『くど』」が営業しています。今回は、そのお店で販売されていたテイクアウト用メニュー「おむすびセット」と「柿の葉寿司」を紹介します。

 くどでは、九度山町産のコシヒカリを駅舎内の厨房でかまどを使って炊くとともに、和歌山産の食材にこだわったおむすびを提供しています。その自家製おむすびとおかずを包んだ弁当が「おむすびセット」です。

竹皮ふうの包みで見た目も素朴な印象
なかには、おむすび2個とおかずの卵焼きが入っていた

 おむすびセットの内容は季節に合わせて日々変わるそうですが、今回訪れたときには、びんちょうまぐろの旨煮が詰まったおむすびと、和歌山県の名物「めはりずし」に見立てためはりむすびを組み合わせたセットが販売されていました。めはりむすびは、椎茸の煮物を混ぜたものと、じゃこを混ぜたものの2種類が用意されていましたが、今回は椎茸の煮物を混ぜためはりむすびをチョイスしました。

 竹皮風の包装紙を開くと、おむすびが2つと、おかずの卵焼きとたくあんが現われました。まずはびんちょうまぐろの旨煮を詰めたおむすびからいただきましたが、旨煮は甘みが強いながらも、鮪の旨味がしっかり感じられて、ご飯とバッチリの相性です。ご飯は塩加減がやや薄めでしたが、旨煮と合わさることで、ちょうどよい味わいとなります。また、お米自体もしっかりとした甘みが感じられて、とても美味しくいただけました。

びんちょうまぐろの旨煮が詰まったおむすび。鮪の旨味と甘みの強いご飯との相性バッチリ

 めはりむすびは、椎茸の煮物の混ぜご飯を高菜の漬け物でくるんだものです。高菜漬けはほろ苦い印象でしたが、椎茸独特の風味と旨味がしっかりと感じられる混ぜご飯と合わさることで、ちょうどよい美味しさになると感じました。

 おかずの卵焼きは、甘くない関西風の卵焼きで、卵の味わいがストレートに楽しめます。香川出身の筆者にとってもほっとする味わいでした。

和歌山県の名物「めはりずし」を模しためはりむすび
椎茸の混ぜご飯を高菜漬けで包んだめはりむすび。高菜の苦みと甘く煮込まれた椎茸が合わさった、素朴な味わいが印象的
甘くない卵焼きは、卵の旨味がストレートに味わえる

 おむすびセットのおむすびはどちらも小ぶりで、ガッツリ食べるというよりは小腹を満たすといった感じです。今回は、お腹がすいていたこともあったので、もう1つのテイクアウトメニューも同時に購入しました。そちらが柿の葉寿司です。

 和歌山県の郷土料理としておなじみの柿の葉寿司は、駅弁としても人気があります。くどでは、和歌山県海草郡紀美野町の「美里農産物加工所」で作られた柿の葉寿司が販売されていました。

柿の葉寿司のパック。鯖が2個と椎茸が1個の3個入りとなっている

 柿の葉寿司が3個入ったパックで、今回は定番の鯖の柿の葉寿司が2個と、椎茸の柿の葉寿司が1個という組み合わせでした。鯖の柿の葉寿司はまさしく定番らしい美味しさで、鯖の旨味と柿の葉の風味が口いっぱいに広がります。また、椎茸の柿の葉寿司は今回初めて食べましたが、甘く煮込まれた椎茸と酢飯の相性は想像以上に抜群で驚きました。素朴な味わいですが、その美味しさに一気にたいらげてしまいました。

 こちらもガッツリといった感じではありませんが、おむすびセットと合わせると、お腹が空いていても満足度は十分です。

 なお、販売内容は日によって変わるそうなので、何が売られているかは行ってからのお楽しみです。また、テイクアウトだけでなくイートインメニューも豊富にありますので、時間があればイートインもお勧めです。

定番の、鯖の柿の葉寿司。しめ鯖と酢飯、柿の葉の風味はまさに定番の味わい
甘みの強い椎茸と酢飯の組み合わせは、想像以上の美味しさだった

「おむすびセット」「柿の葉寿司」

価格: おむすびセット 540円、柿の葉寿司 430円
販売駅: 南海電鉄高野線 九度山駅
購入場所: おむすびスタンドくど
購入日: 2021年4月3日