週末駅弁

長崎駅「ながさき鯨カツ弁当」

鯨肉消費量日本一の長崎の名物駅弁

「ながさき鯨カツ弁当」

 長崎は昔から捕鯨が盛んだったそうで、現在でも鯨肉の消費量は全国一なのだそうです。四国生まれの筆者は小学校の給食で鯨の竜田揚げが出たことくらいしかなじみがありませんが、普段から鯨肉に親しんでいる長崎には、その鯨肉を使った駅弁があります。それが、今回紹介する「ながさき鯨カツ弁当」です。

 フタを取ると、大きな鯨カツが否応なく目に飛び込んできます。ご飯を半分以上埋めつくすほどの大きな鯨カツは、とにかくボリューム満点です。しかも、冷めているのに衣はサクッと、鯨肉は柔らかいまま、という点もうれしい部分です。

 鯨肉といえば特有の臭みが苦手という人もいるかもしれません。もちろんこの鯨カツも、頬張ると鯨肉の風味が口の中に広がります。しかし秘伝のタレに漬け込むことで、鯨肉にしっかりとした味が付けられているおかげもあって、イヤな臭みはほとんど感じられません。ソースなど何も付けなくても美味しくいただけます。

フタを取ると、大きな鯨カツが目に飛び込んでくる
鯨カツは冷めても衣はサクッと、鯨肉は柔らかいままだ
秘伝のタレに漬け込まれた鯨肉はしっかりと味が付いていて、クセもなく食べやすい

 また、その横には鯨肉の竜田揚げも盛り付けられています。こちらは鯨カツよりも鯨肉の風味がしっかり感じられますので、個人的にはかなり懐かしい味と感じました。とはいえ、昔給食で食べた鯨の竜田揚げに比べると圧倒的に食べやすい印象で、あとを引く美味しさです。

 そして、ご飯の上には鯨のそぼろが敷き詰められています。濃い醤油ベースで甘辛い味わいの鯨のそぼろは、鮪の佃煮のようなしっかりとした風味で、とにかくご飯との相性が抜群です。これだけでご飯がどんどん進みます。

鯨カツの横には鯨の竜田揚げが。こちらも比較的濃い味付けだが、カツよりも鯨の味わいがしっかり感じられる
ご飯の上には鯨のそぼろを敷き詰めている。濃い醤油ベースの、佃煮のような味わいで、ご飯が進む

 このように、鯨肉三昧の内容ですが、それぞれ異なる味わいで、飽きることなく食べられました。しかも、どれもクセのない味わいですので、誰でも美味しく食べられるはずです。長崎の名物駅弁として定番となっていますし、鯨肉になじみのない人や、昔を懐かしく感じる人にもぜひ手に取ってもらいたい駅弁です。

 なお、通常はJR長崎駅の売店で買えるのですが、2020年10月の時点ではJR長崎駅の高架駅整備に伴い、駅での駅弁販売は当面休止となっています。そのため今回は、駅弁を作っている「くらさき」の店舗で購入しました。ただし、くらさきの店舗で購入する場合には前日までの予約が必要ですので、その点にも注意してください。

「ながさき鯨カツ弁当」

価格: 1080円
販売駅: JR長崎駅(2020年10月時点では販売休止中)
購入場所: 鯨専門店 くらさき
購入日: 2020年10月19日