週末駅弁
白浜駅「パンダべんとう」
和歌山の地鶏「紀州うめどり」を使った唐揚げ丼
2019年7月12日 11:00
日本でパンダと言えば、先日2歳になった上野動物園のシャンシャンを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、関西にもパンダで有名な場所があります。それが、南紀白浜のアドベンチャーワールドです。現在は6頭のジャイアントパンダが飼育されてますので、日本一のパンダ施設と言っても過言ではないでしょう。そして、それにあやかるように、最寄り駅のJR白浜駅ではパンダをモチーフとした駅弁「パンダべんとう」を販売しています。
パンダべんとうは、白いどんぶり形の容器を利用した駅弁です。容器側面にはジャイアントパンダのかわいいシルエットを印刷し、フタにはパンダを形取ったステッカーが貼られていますので、見た目にもかわいい印象です。
ただ、その中身はパンダとは直接関係ないものとなっています。フタを取ると、ほぼ一面を埋めつくすほどにたっぷり盛り付けられた鶏の唐揚げと、紀州といえば外せない梅干しが目に飛び込んできます。はっきり言って、パンダ要素は皆無です。
しかし、食べてみると、これがなかなかの出来栄えです。冷めても唐揚げは適度な歯応えでジューシーさが残っていますし、臭みのない鶏肉の旨味が口いっぱいに広がります。味付けはやや薄めですが、かえって鶏肉の旨味が直接味わえるといった印象です。この唐揚げには、梅干しを作るときにできる梅酢を餌に加えて飼育した、地元和歌山県の地鶏「紀州うめどり」が使われているそうです。過去に食肉コンクールで最優秀賞を受賞したこともあるそうですが、納得の美味しさです。
また、唐揚げの横に添えられた梅干しも特筆すべき部分です。地元紀州の梅を使った梅干しですが、これが一般的な駅弁に添えられている梅干しとはまったくレベルの違う美味しさなのです。そして、個人的には近年増えている酸味を抑えた梅干しではなく、かなり酸味の強い梅干しという点もポイントが高い部分です。こってりとした鶏の唐揚げが山盛りに盛り付けられていても、この梅干しをかじると口の中がさっぱりとリセットされますし、食欲も増進してどんどん箸が進みます。
このほか、ご飯は中に梅干しと一緒に漬けたしそと海苔が挟み込まれています。これも、いい味の変化となります。鶏の唐揚げ、ごはんともにかなりボリュームがありますが、飽きることなく食べられますし、満足度も高いです。
中身に関してパンダ要素はないかもしれませんが、駅弁としての完成度は申し分ありませんので、南紀白浜に訪れることがあれば、ぜひ手に取ってもらいたい駅弁です。
「パンダべんとう」
価格: 930円
販売駅: JR白浜駅
購入場所: 白浜駅 おみやげ街道
購入日: 2019年6月22日