荒木麻美のパリ生活
3年ぶり! 規制なしのマルシェ・ド・ノエルで感じる「普通の」年の暮れ
2022年12月17日 08:00
新型コロナウイルス対策のため、2020年のマルシェ・ド・ノエル(クリスマス・マーケット)の多くは中止となり、2021年はマスクの着用義務、ワクチンパスポートまたは陰性証明書提示の義務、入場者数制限などがあり、心から楽しめませんでした。
でも今年はコロナ前のマルシェ・ド・ノエルが戻ってきました! 規制がないだけではなく、観光客もかなり戻ってきて、どこも大いに賑わっていました。
パリの1区から20区まで、どの区でも大なり小なりのマルシェがあちこちで開催されます。これから開催されるところもあり、すべてを網羅することは不可能でしたが、私が見てきたパリおよび近郊のマルシェ・ド・ノエルを一気にご紹介しますね。
パリ4区
パリのおしゃれスポットであるマレ地区のギャラリーにて、アフリカをテーマにしたマルシェが2日間開催されました。アフリカンプリントの衣料品がとてもすてき。アルコール類も華やかな色!
パリ市役所前には雰囲気のある古いメリーゴーランド、モミの木、シャレー(山小屋)が並んでいました。2年後に控えたパリオリンピックのアピールもばっちりです。
パリ5区
ノートルダム大聖堂そばにある公園内のマルシェです。一点物の手作り作品が多く並んでいました。暖かみのある陶器の星型オーナメントがすてきだったので購入。
2019年に火災に遭ったノートルダムはまだ修復工事中ですが、2024年の一般公開を目指しています。
パリ10区
東駅の前に設置されたテント内では、フランスのアルザス地方をテーマにしたマルシェが開かれていました。アルザス、特にストラスブールのマルシェはとても有名ですが、こちらでもシュークルートやソーセージのほか、サンタクロースのモデルとなったサン・ニコラのお菓子や、12月6日にサン・ニコラの日を祝って食べる、マナラという人型のパンなどが並び、アルザス気分を味わえました。
パリ18区
サクレクール寺院がシンボルのモンマルトル地区で、メイド・イン・フランスをテーマにしたマルシェです。とても小さなマルシェなので、観光ついでに立ち寄ったのか、外国語を話す訪問者が多かったです。
パリ郊外パンタン
パリ北東部のパンタンにある、1万m2という広大な場所で、日本をテーマにしたマルシェ「SHIZEN」が2日間開催されました。去年まではパリ18区で開催されていたマルシェですが、今年はさらに広い場所での開催です。
室内外にさまざまなブースが並び、DJが昭和の歌謡曲などを流し、沖縄の三線と歌の生演奏に獅子舞も登場、よさこい踊りや和太鼓の壮大なパフォーマンスと、お祭り気分に寒さも吹き飛びました。
この原稿を書いている現在、あと10日ほどでクリスマス本番です。町中がクリスマスのイルミネーションであふれ、輝いています。
現実的にはコロナだけでなく、風邪やインフルエンザの人がまわりにも多いですし、光熱費をはじめとするインフレも日々実感しています。来年はどうなってしまうのだろう……という気持ちはありますが、もう気にしても仕方がない! という心境です。今はただ、今年の「普通の」クリスマスを心からありがたく素直に楽しみたいと思います。