荒木麻美のパリ生活
ヴァンセンヌの森にある「パリの農場」
大人も楽しめる、地球環境について学べる子供向け公共施設
2018年4月21日 00:00
パリ市内にも公園はたくさんあるのですが、それでは物足りない! というときには、私はパリの東にあるヴァンセンヌの森に行きます。メトロも通っている森ということでは西にブーローニュの森もあるのですが、わが家はブーローニュの森よりヴァンセンヌの森の方が近いのです。
そしてヴァンセンヌの森に行けばほぼ必ず立ち寄るのが「Ferme de Paris(パリの農場)」。ここは基本的には週末の午後だけ開園しており、入場料は無料です。時期によって開園時間が変わり、春と夏のバカンス時期は平日に開園しているときもあるので、サイトで確認してください。
Ferme de Paris
所在地:1 route du Pesage - Bois de Vincennes, 75012 Paris
Webサイト:Ferme de Paris
敷地約5ヘクタールのFerme de Parisの歴史は1860年にさかのぼりますが、現在のような形で一般に開放されるようになったのは1989年のこと。年間約5万人の訪問者がいるそうです。
ここは子供が自然環境について学ぶことを主な目的とする場所なので、私のように大人だけで来る人はあまりいないようです。
でも羊、山羊、牛、馬、鶏、七面鳥、鴨、アヒル、ウサギ、豚などを間近で見られますし、時期によって動物たちの赤ちゃんがいたり、羊の毛刈りデモンストレーションや、動物たちへのエサやり体験といったイベントもあったりして、大人でも十分に楽しめます。
季節によって表情を変える菜園や果樹園を見るのも、何度来てもウキウキします。
Ferme de Parisでは大抵なんらかのイベントがあるのですが、私が行った3月末は係員による「冬のミニ菜園」というイベントがありました。
指定された集合時間に学習センターに集まると、近くの菜園に向けて出発です。途中には果樹園や「パーマカルチャー」と書かれた、有機栽培というだけでなく、もっと自然環境に寄り添った形の菜園と思われるエリアもありました。
立ち入り禁止区域だったりして実際には見られなかったのですが、敷地内には雨水をためる設備や、施設内で使用した水を再利用する設備、太陽光発電システムもあるそうです。
この週末はイースターのお休みに重なっていたため、係員さんが事前に卵を菜園に隠していました。菜園に着くと、子供たちは係員の説明そっちのけで卵探しに夢中に!
子供たちは卵を見つけるたびに歓声をあげていました。この卵、衛生面の関係で家に持ち帰ることはできませんでしたが、鶏と七面鳥の卵の大きさや色の違いを見られて興味深かったです。
まだ寒かったので育っている植物は限られていましたが、芽キャベツがなっている姿を初めて見ましたし、肝臓によいものとして有名なアーティチョークも、食べられる部分以外を見たことがなかったので、これにも興味津々。
寒さに負けず、いろいろなハーブが育っていたのですが、そのうちの数種類の香りを嗅いだり食べたりできて私は大満足でした。
四季折々で違った表情を見せるFerme de Paris。これからもときどき覗きに行こうと思います。
なお、Ferme de Parisは月に1回、ウサギ、羊、鴨などを連れてパリ市内への出張も行なっています。規模は小さいですが、ヴァンセンヌの森まで行けない人はこちらへどうぞ。予定についてはWebサイトを確認してくださいね!