旅レポ
ものづくりの街・静岡市を旅する。東海道の宿場名物とろろ汁に、タミヤも入ってる伝統工芸複合施設
2024年12月18日 12:00
御朱印もプラモデルランナー風! 日本平ロープウェイで久能山東照宮へ
まずは静岡を代表する景勝地・日本平へ。山頂に作られた展望施設「日本平夢テラス」の展望回廊をぐるっと歩いたあとは、日本平ロープウェイに乗って久能山東照宮に向かいました。お天気がよかったこの日は、駿河湾がキラキラ光っていてとってもキレイでした。
今回私は初の久能山東照宮参拝だったのですが、思っていた以上に山のてっぺんにあることにびっくりしました。日本平からロープウェイを利用すれば片道5分で到着しますが、本来の表参道は海側の久能山下から本殿まで続く1159段の階段です。ちなみに久能山東照宮にお勤めの方々は、毎日その階段を登って通勤されているそうですよ。
境内には、ウッディジョーなど静岡市内の模型メーカーから奉納され、東照宮の(プラモ好きの)職員さんが組み立てたという模型・プラモデルの展示コーナーがあります。そして久能山東照宮には、プラモデルの街・静岡市らしいユニークな御朱印も。それが「プラモデルランナー風御朱印」(初穂料1000円)です。2024年5月から頒布を開始したというこの御朱印、大人気とのことですが、数量限定のようなので手に入れたいという人はぜひお早めに!
今から約400年前、徳川幕府2代将軍秀忠公の命により、名工達の手によって造営された久能山東照宮。御祭神として祀られる家康公も、脈々と受け継がれているものづくりの精神に満足しながら眠っているような気がしたのでした。
東海道を歩く旅人気分で! 「丁子屋」の名物、とろろ汁
浮世絵などで描かれる東海道五十三次の20番目の宿場といえば「鞠子(まりこ)宿)」。静岡市の西端、現在の駿河区丸子(まりこ)にあたります。その鞠子宿の名物とろろ汁が食べられる「丁子屋」を訪ねました。
歌川広重が浮世絵で描いた風景そのままに佇む丁子屋さんの創業は慶長元年。っていつですの!?と思って調べてみると、なんと1596年、安土桃山時代! もともとは宿場の茶屋だったそうですが、自然薯が採れる時期にとろろ汁にして旅人に振る舞ったのが始まりと言われてます。
さすがに茅葺き屋根の建物は400年前からここにあるわけではなく、近隣で取り壊される予定だった古民家を譲ってもらい1970年に移築したのだそう。2022年には国登録有形文化財に指定されています。
この日ランチでいただいたのは、定番のとろろ定食に人気の揚げ物や珍味2種、甘味がついた「本陣」というメニュー。地元の提携農家さんの自然薯を使っているというとろろ汁は自家製の味噌とかつお出汁で味付けされていて、麦めしに優しく絡みます。とろろの美味しい食べ方を教えていただきましたが、どう食べてもとにかく美味しくて、飲みもののように胃袋へ(笑)。混ぜ混ぜして、ザァザァ音を立てて食べてみてください。
インバウンド客にも人気だという丁子屋さん。なかには日本で最初の食事にとろろ汁を食べようと、空港から丁子屋に直行してきた外国人観光客もいたそうです。
駿府の工房 匠宿で駿河竹千筋細工作りを体験
最後に訪れたのは、国内最大級の工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」です。陶芸や和染、木工、漆などのさまざまな工芸体験ができるほか、カフェやレストラン、ギャラリーなどがある、丸一日楽しめそうな複合型施設です。
この日は「工房 竹と染」で、静岡市の伝統的工芸品「駿河竹千筋細工」に挑戦しました。作ったのは「ペン立て こはる」。竹ひごなどがセットになっているキットを使って、インストラクターさんが分かりやすく教えてくださいます。ちなみに難易度は5段階で2とのこと。
貯金箱や木のスプーンなどを作る木工指物や、手びねりや電動ろくろで器作りをする陶芸、藍染やお茶染めなどの染めものなど、用意されているメニューはいろいろ。気の合う仲間や家族と一緒にものづくり体験をすれば、きっとよい思い出になるはずです。
BANDAI SPIRITSやタミヤの見学からはじまって、久能山東照宮参拝や伝統工芸体験などたっぷり楽しんだ2日間でした。ものづくりやアート、工芸、お茶、グルメ……と個人的に興味のあるコンテンツがいっぱいの街・静岡市。この冬は友人を誘ってプライベートで訪れたいなと思っています。